第11話 不穏な足音(後編)


―バスケ(後編)―


当時の俺は、身長が高い方でボール決めの時に駆り出された。


相手は、樹だった。


樹「今日は、絶対に負けれねぇ」


隆之「受けてたつ」


先生のホイッスルと同時にボールが上に上がり、俺たちはジャンプした。


だが、俺は、樹のジャンプ力に劣り、ボールが相手側にわたってしまった。


俺は、それほどバスケは、得意でない。


得意なのは、遊びだからだ。


ガチのスポーツの俺は平均値である。


俺は、できるだけ守りについた。


守りを固めれば、チャンスを作れるそう思い。




俺が組んだ相手側のチームの男子は部屋メンで構成されている。








だから、樹にボールが回るのは目に見えていた。








クラスのみんなごめん、俺、意図的にチーム決めてた そう心の中で謝った。





許してくれないだろう。


だから、樹のマークについた。


男同士の勝負である。


樹は、運動神経がいいので樹にボールを回す前に手を打つ。



それは守る時、そこしかない。


部屋メン①「いつき!」


俺は、パスをカットし、ドリブルが得意な仲間に渡す。


俺がすべきなのは攻撃ではない守りだ。




自分の不得意なことはしないことを掲げてきた俺ならではの作戦だった。



そして、うまくボールはゴールに入った。



バスケ仲間①「よし!」


隆之「ナイショッ!」





樹「くそっ パスを渡すとき名前を言わない方がいい」



すぐに対策された。



だが、俺にはわかっていた。







部屋メンは、樹のいいところを歩に見せるために樹に渡すことを。







俺は、とてもずるい奴だと思った。



しかし、俺は何度かパスをカットするもゴールにはつながらない。




しかも、俺は持久力にはすこし自信があるが、短距離は壊滅的に遅いため速いパスには追い付けない。



そのため


樹「よし!」樹が3(スリー)ポイントを決め、体育館中が盛り上がった。



まじかよ俺は、心中でそう思った。小学生に3(スリー)ポイントができるのかと。



歩「...ナイス」俺から見ていつもの感じではなく、ばつが悪そうな感じで小さく掛け声をしていた。



その後は、さすがと言うべきか、何本もシュートを決める樹。



当然、黄色の声援が聞こえる。



俺は、必死に応戦するも樹にボールが渡るとボールは取れない。






どうしようかそう悩んでいるとそこに



美咲「また、くだらないこと企んでるでしょ」


隆之「バレてますよねぇー(笑)」


美咲「笑い事じゃないよ」


隆之「すいません」


美咲「大丈夫かなあゆみ」


隆之「.....」




美咲「たかゆきが思っている以上に深刻だよ」


隆之「それは、俺に修学旅行の時に後で言うって言ってたやつと関係してるか?」






美咲「......関係してるけど 今それを悪い方向にたかゆきが持って行ってる」






隆之「......」俺は、どうすればいいんだ。



そう悩んでいるうちに点差が広がり、ホイッスルが鳴った。


俺たちのチームは負けた。




そして、

樹「いい勝負だったな」


隆之「全然だ やっぱうめぇな」


樹は、その言葉を聞き、同じチームのやつと楽しそうに話しに行った。



歩は、一人ぽつんと違うところにいた。



その様子を見てた部屋メンが樹に行けよと声をかけた。



樹は、歩に近寄る。


樹「......勝ったな俺たち」


歩「うん、そうだね…」


樹「あゆみのパスがうまくて勝てた 次も頑張ろうな」


歩「うん…」


樹「......で、あの話なんだけど今日聞きたいなって」


歩「...ごめん、もう少し時間ちょうだい」


樹「あぁ、そうだよな じゃぁ」


歩は、その場に座り次の試合を見ていた。



次は、俺たちの番なため用意する。


その時





美咲「今日、さっき話そうとしてたこと話すから放課後ちょっといい?」



隆之「あぁ」そして、バスケは終わり、樹のグループが優勝した。




俺たちは、教室に戻り、着替え、次の授業を受け、昼食を食べ、掃除の時間となった。







―掃除の時間―



俺たちの掃除場所は、音楽室に変わって図工室になっていた。



バスケが終わった後から一段と暗い歩に俺は不安になっていた。



俺が今声をかけるとさらに悪化すると思ったので何もしなかった。



そして、掃除が終わり、挨拶をするため整列した。



掃除リーダー「では、今日は掃除を終わります ありがとうございました」



みんなクラスに戻ろうとして、俺も帰ろうとした。



その時




歩「たかゆき ごめん、体調悪いから肩貸して 保健室まで ごめん」



隆之「あやまんな」 





相当今回のことが堪えたようだ。






ものすごく自分がしたことを後悔した。




―保健室― 


保健室は掃除が終わってそうなので保健室に入った。


隆之「すみません 先生 体調が悪そうなのでベッドに横にさせていいですか?」


保健室の先生「もちろん さぁ」


保健室の先生は、彼女の顔を見て



保健室の先生「相当無理したそうね」





俺は、その言葉を聞いて自分が言ったことを思い出した。





「誰だって強がってる」歩も強がっていたんだとようやく理解した。



保健室の先生「今日、この子は安静にするから5.6限目は保健室にいるってことを先生に伝えてちょうだい」


隆之「はい 分かりました」俺は、保健室から出ていこうとした。


その時



歩「たかゆき ありがとう」そう言った。






歩の口元は上がってた気がする。










そして、俺の表情は険しかったと思う。

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