第10話 海

葵「海だー‼」

ナンパ男のいたところから少し離れると朝葉は縮こまっていた元の明るさを取り戻しすぐに海で泳ごうとしていた。

信田「おいコラ。まずは準備運動からだ」

俺はすぐに朝葉を止めストレッチを始めた。

葵「ぶー」

頬を膨らまし文句を言ってくる。

信田「海の中で怪我しても知らないぞ」

と脅したら黙った。

信田「酒井も準備、、、」

俺が酒井にも言おうとしたが酒井は既に準備運動を始めていた。

そして、俺は気が付いた。酒井がとても可愛く感じれることに。酒井の着ている水玉の水着単体で見ると子供っぽい。しかし、酒井がその水着を着る事で小説で言うところの守ってあげたくなる系ヒロインの完成になるのだ。

酒井「ど、どうしたの暁斗くん」

酒井は俺にずっと見つめられていることに気づき顔を赤くし俯きながら俺に言った。

信田「いや、可愛いなっと思って」

俺は正直に自分の感想を述べた。

酒井「ふぇ⁈え~~⁈」

顔が赤くなりプシューと頭から湯気を出し固まった。

葵「ヒヒッ。信田君も言うね」

気持ち悪い笑い方プラスにやついた顔をしている朝葉

信田「何がだ?」

正直朝葉が何を言いたいのか分からない

朝葉「嫌、何も」

そして、準備運動を終えたのか海の方へ走っていた。俺は酒井を起こすことにした。

信田「おい、酒井。酒井」

酒井「ハッ!ここは天国?」

信田「残念だが違う」

ようやくこちらの世界に意識を戻した酒井。

信田「朝葉は先海に行ったぞ。酒井は少し休むか?」

俺はさっき倒れた酒井の体調を心配した

酒井「うーん。そうする」

そう言うと持っていたカバンからシートと借りてきたであろう傘を地面に刺した。

酒井「信田くんはどうする?」

シートの開いているところをポンポンと叩いた

信田「座らせてもらおう」

酒井の可愛さに引き寄せられるように横に座った。

酒井「この水着ね。葵ちゃんが選んでくれたの、、、」

信田「そうか」

しばしの沈黙。

お互い何も喋らないこの空間しかし俺は幸せだった酒井の隣で酒井を独り占め出来ているのだから

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