第8話 テスト二日目
二日目の朝がやってきた。今日の教室はテストが最後ということでかなり賑わっている。酒井は、、、理科の教科書とにらめっこしている。昨日簡単に理科と数学を教えたが大丈夫だろうか?俺は少し心配になりながら酒井を見守った。
昨日、暁斗くんと葵ちゃんが一生懸命勉強を教えてくれた。勉強が嫌いだった私は初めて勉強をしていて楽しいと感じた。幸せだなと感じた。私の人生いい友達に恵まれていた。さみしいと感じていた幼少期なんて忘れてしまうぐらい。あの二人が私の思い出を上書きしてくれた。だから、今日のテストも二人が期待してくれているからには私は頑張る事が出来る。
一時間目 理科
酒井「理科って覚えやすいよね」
私はワークを解きながら二人に言った。そんな言葉が出るのは社会や英語の勉強と比べて出た言葉だ。私の言葉を聞いた二人はとても驚いていた。
酒井「二人ともどうしたの?」
私が二人に聞くと
信田&葵『酒井(かなかな)からそんな言葉が出てくるとは、、、」
酒井「そんな驚く事かな!?」
二人とも失礼すぎる。確かに勉強し始めたころはひどかったけど
葵「ごめんごめん。かなかな」
葵ちゃんがすぐに謝罪を入れつつ私の頭を撫でてきた。葵ちゃんはすぐに私を子ども扱いしてくる。
信田「というか、酒井そこ間違ってるぞ」
酒井「えっ?」
葵「ほんとだー」
さっきあんなことを言ったのに間違えてしまった
信田「でも、他は全問正解じゃないか。確かに成長してるな」
そういい、暁斗くんまで私の頭を撫でてきた、、、しかし何故か嫌な気分はせずその代わり少し温かかった。
葵「ムムム、かなかな。私が撫でたときと反応が違うような」
葵ちゃんがジトっとこっちを見てきた。
酒井「そ、そんなことないから。葵ちゃんここ、ここ教えて」
葵「はあ、分かったよ」
私の言い訳をため息交じりに見逃してくれた葵ちゃん私は感謝をしつつ勉強に戻った。
あんな事があったけど、勉強は頭に入っている。私はあの時の感情を思い出しながらひたすらに解いた。
テストが終わりあとは数学だけになった。酒井は、、、朝も見たように教科書とにらめっこしている。さて、最後の仕上げだ。俺も全力を尽くすか。
二時間目 数学
葵「さぁ、これ全部解くよ」
葵ちゃんが机の上に十冊ぐらいの数学のワークを置いた。
酒井「、、、えっ?」
葵「だから、全部解くの」
酒井「いやいや、聞こえてないわけじゃないよ」
信田「数学は反復練習一択だからな」
私の疑問を暁斗くんが教えてくれた。
葵「というわけでそこらの本屋さんでかき集めてきました」
笑いながら一冊目をとった。これが今日の地獄かと私はワークに手をつけた。
わぁ、ここ進〇ゼミで習ったとこだ。私はそう感じながら数学を解いた。二人が言っていた反復って本当に大事なんだなと感じる。私はラストスパートをかけた。
信田「お疲れ酒井」
テストが終わり俺は酒井の元へ行き声をかけた。
酒井「うん。お疲れ様」
酒井は元気そうに振舞っているが少し疲れているように見えた。さて、明日は土曜日ここまで酒井は頑張ってくれたからな、、、。
信田「酒井今日はゆっくり休んどけよ」
酒井「わかったけどなんで?」
酒井は眠そうに聞いてきた。俺は笑顔を作り
信田「明日は少し遠出するぞ」
酒井「うん。わかった」
そう言うと酒井は眠りについた。俺は酒井の頭を撫でながら明日の予定を組み始めた。
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