第5話 いつもの日常
誰にでも少し複雑な過去を持っている。喜び 涙 怒りどんな感情でも人間の思い出として記録されている。小説などではその人の思い出、感情を描くが、現実では思い出や感情は目には見えないだからこそ人生というのは面白いのかもしれない。
クラス対抗戦の翌日
俺は昼、酒井に呼ばれていつもの屋上扉前に呼び出された。何となくで予想がついてはいるが、、、と考えていると酒井ともう一人やってきた。
酒井「暁斗くん、早速紹介するね。この子が前に言ってた朝葉 葵ちゃんです」
キラキラした目でジャジャーンと擬音が聞こえてきそうな紹介をしている酒井
信田「あ、どうも。信田暁斗と言います」
俺は適当に返し朝葉さんはペコリと頭を下げた。率直な感想で言うと酒井の話に聞いていた子と比べるとだいぶ遠いように感じる。元気で友達の多い、、、見た目は髪が長くて眼鏡をかけている。そして、とても暗そうに見える。というか、実際雰囲気的には酒井より暗い。そんなことを思っていると
酒井「ねえ、みんなでお弁当食べようよ」
いつもよりテンションが高い酒井が俺と朝葉さんの服をつかんでいった。
そして、真ん中に酒井その隣を俺と朝葉さんが挟む形で座った。まぁ、これが一番安定するからね。仕方ない。
酒井が弁当を開きサンドイッチを取り出した時
酒井「あっ!お茶忘れた」
と立ち上がり
酒井「ちょっとお茶買ってくるー。二人とも先食べててー」
と階段を下りて行った。
この場には俺と朝葉さんしか残っていない。正直、話したことないので何を話せば、、、とそこに朝葉さんが口を開いた。
葵「かな、、、酒井ちゃんの事について聞かせてもらってもいい?」
見た目とは考えられない少し強めの言葉遣いに俺は驚きつつも酒井について話し始めた。
五分後
葵「そっか、私がいなくなってからそんなことがあったんだ」
ご飯を食べながら嬉しそうに呟いた。
信田「次は朝葉さんが酒井について教えてくれますか?」
俺は一通り話終え逆に俺は朝葉さんに酒井の事について聞いた。
酒井「いいよ。私があの子と出会ったのはね、、、」
五分後
酒井「ごめーん。自販機混んでて遅く、、、」
信田「あはは、それ本当ですか」
葵「ほんとほんとかわいいよねー」
意気投合していた。
酒井「二人とも、、、もしかして私お邪魔だった?」
葵&信田『あっ、酒井(かなかな)お帰り』
おっと酒井がいつの間にか帰ってきていたようだ。酒井は俺と朝葉の間にちょこんと座り
酒井「二人共には仲良くしてもらいたいな。て言おうと思っていたけど必要なかったみたいだね」
嬉しそうだが少し寂しそうな酒井が言う。
葵「な~に?かなかなちょっと膨れちゃって」
酒井「なっ?!ふ、膨れてなんかないもん」
葵「ほんとかな~?」
酒井のほっぺをぷにぷにと触りながらニコニコの朝葉こんな酒井は俺だけでは見れなかったなと思いながらその光景を眺めている俺。こんな時間が永遠に続けばいいのに、、、。
酒井「もー、葵ちゃんご飯が食べれないよ」
しばらくぷにぷにされた酒井が朝葉を横に座らせた。そして、酒井は朝葉が階段に座った事を確認してから話を始めた。
酒井「今回はね二人に仲良くなってもらうだけじゃなくてね、、、」
酒井は少し恥ずかしそうにほんのりと顔を赤らめながら
酒井「連絡先がほ、欲しいなーって」
連絡先を求めてきた。俺と朝葉は互いに顔を見合わせ
信田&葵『もちろん!」
笑顔で承諾した。
今日、俺の連絡先の欄に家族以外に初めて友達(女子)の連絡先が増えた。
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