第19話 『よく分かるダンジョンの構造』って多分タイトル詐欺

『よく分かるダンジョンの構造』 著者 ルナ


ダンジョンの広さについて不明。広さを計測しようとしたが、毎回ダンジョンの構造が変わるので、迷子になって計測が出来なくなる。


ダンジョンの構造について変わるので記録する意味はあまりないが、一度この拠点を出ると戻るのは至難の業である。またはぐれると会うことがかなり困難になる。これの対策として魔法道具を用意する。


ダンジョンに出てくる敵について

1,割りと大きなアリ 

大きさは20㎝、耐久力も低いが数が多い。ひたすらに数が多いのでわずわわらしい。それとたくさんいるのは普通に気持ち悪い。徹でも余裕。


2,目つきの悪い大きな熊

体が大きく好戦的だが、強さはアリよりは強いけど大したことはない。数はアリほどではないがたくさんいる。今の徹ならなんとかなる。


3,小さなドラゴン

5メートルぐらいある。見た目はトカゲに似ている。羽がないものは大きなトカゲである。口から火を噴き、硬い皮膚を持つ。魔法に耐性があるのかまあままめんどくさい。徹の攻撃が皮膚を貫けるか不明。でも貫けるなら私よりも有効だがあるかも知れない。


4,ボスドラゴン

少なくとも20メートルはある。一度戦いを挑んだが魔法が通じずに負けた。魔法が通じないので、正直、私にはどうしようもないので徹に任せるしかない。でも、火は吹く、空は飛ぶ、多分皮膚も硬いのでどうしようもないかもしれない。



終わり








なるほど、なるほどな。

「これ対して役に立たないですね。」

思わずそう思ったことを言ってしまった。


「徹、まあその通りです。私こういうこと苦手なんです。あと2つ大事なことがあって、1つは、ダンジョンを攻略するためにここから動き出すと戻ってくるのがかなり困難になります。もう一つは、ボスの部屋にたどり着くのにかなり時間がかかります、ここ100年はたどり着けてません。徹の訓練の間に探し回ったけど無理でした。」

ルナさんはニッコリと笑いながらそう言った。なるほど、でも戻ってくるのが困難なら、どうして


「どうやって、ルナお姉さんはこの場所に帰ってきたんですか?ボスの部屋を探し回ったんですよね。」


「それは魔法を使って戻ってきましたよ。」

なるほど、もしかしたらルナさんはアホなのかも知れない。


「それで帰ってくれば、いいんじゃないですか?」


「ふっ、馬鹿にしないでよ徹。魔法を使って戻ってくるには魔力を認知できる対象が必要なの。徹を基準にして魔法を使ったから出来たけど。でもだれもこの場所にいなければ出来ないの。そもそもですね」

ああ、これは、まずい話が長くなるやつだ。魔法の話を長々と話し始めるやつだ。


「つまり無理だってことですね。すいませんでした。」

先手を打つことが大事だったりする。


「‥‥…それで、いつこの場所から動いてダンジョンの攻略を始めますか?」


僕は今日からでも今からでも行って良いが、まあ流石にあれなので、

「では明日からにしましょう。」

そう僕が言うと彼女は首を傾げた。


「てっきり今すぐ行くって言うと思ったので、もう準備してたんですけど。」

じゃあ聞くなよ。気を使った気持ちを返してほしい。


「では今から行きましょう。」

そう僕が言うと彼女は僕に一個の腕輪を渡して来た。腕輪には赤色の宝石がついていた。


「では、これではぐれても、この宝石を押せば私の場所に移動できます。魔法道具です。」

魔法道具は多分魔法を使った道具だ。


「僕魔法使えないですけど。」

魔法が使えない僕に魔法道具は使えるのだろうか?


「使えます。魔力が無くても使えるようにしてるので。数回使えばでもまあ私の魔力を込めないと使えなくなるので気をつけて使わないといけないです。」

なるほど、物は試しか。とりあえず一回使って見るか。

そう思い、腕輪をつけて赤い宝石を押してみた。


ルナさんの右にいたのが左に移動した。魔法って便利だが、何故エル帝国で使っている人はいなかったのだろうか?元気かな、優斗、あいつは大丈夫か。シャーリー様とかアンナさんは大丈夫だろうか?

「なるほど、理解しました。」


「無駄に使わないで下さいね。徹」

そんな注意を受けつつダンジョン攻略を始める事にした。






それからしばらく経った。


暇だった。

今のところクマとアリしか出てこないが、全部ルナさんが倒す。

「僕いなくてもクリア出来そうな勢いですけど。ルナお姉さん」

姫プである。


「まあ魔法で簡単に倒せる相手は余裕なんですけど。しばらくすると小さなドラゴンが現れるはずなので、その時は、仕事がありますよ徹」


「いや、なんでしばらくするとドラゴン出てくるって分かるんですか?」

そもそもダンジョンでどうやって魔物が現れてるんだろうか?まあ聞いてもルナさんは知らないだろうが。


「経験則です。毎回たくさんクマとかアリを倒すと突然現れるですよね。」

そう言ってルナさんは適当に魔法を放っていた。強いな、マジでルナさん。

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