第8話 行き先はヘブル連邦
ただシリアさんへ着いて行く。それだけだ。
シリアさんは立ち上がりすぐに王室の外へ行きすぐに船でヘブル連邦へと向かう事にする。
「みんな。私のワガママでごめん。」
「何を今更。お嬢のワガママは今に始まったことではありませんぞ?」
「爺や……。」
「私、シリア様のメイド。私はシリア様に着いて行くだけです。」
「アーニャ……。」
「僕はシリアさんに拾われた身です。僕はこの世界にいる限りはシリアさんと共にします。」
「泰虎……。」
僕達の心は一つ。ただシリアさんに着いて行く事だけだ。たとえ、どんな困難があろうとも、それが自分の危険を感じようとも僕達はシリアさんの剣となり盾となり必ず守る。そう決めた瞬間でもある。
僕達は身支度を整えて大型の豪華客船でヘブル連邦へと向かう事になる。
豪華客船は大きな煙突から蒸気を鳴らし煙が大きく吹き上げると出航する。豪華客船は例え話で言えば海を渡る高級ホテルみたいな感じだ。
シリアさん曰く船旅と言えどしっかりと身体を休めないとって事で1番高級な部屋とプランを用意したらしい。マーロ帝国からヘブル連邦までの船は丸1日掛かるらしい。
僕はシリアさんが用意した部屋を開けると広々とした最上階の部屋はどれくらいの値段がするんだって思えるほどの豪華な装飾にまみれた部屋に案内される。
「どう?泰虎。ここが私達の部屋よ。」
「どうって言われても……それに爺やさんとアーニャさんは?」
「え?あの2人なら別室だけど?」
「別室?」
「そうよ。ここは私と泰虎の部屋だから。」
……なんてこった。よりによってシリアさんと同じ部屋なんて。なんでこうなってしまった。普通は男女で分けるべきなのではないか?そうだとしたら僕と爺やさん。シリアさんとアーニャさんになるはずではないのかな?
「なによ?泰虎。私とだと不満なわけ?」
「え?!い、いや滅相もございません!こんな部屋をご用意させてもらってありがとうございます!」
露骨に機嫌が悪そうなシリアさんに僕は急いで頭をペコリと下げてお礼を言うけど……ベッドがキングサイズのベッド1つって言うのは?
「ねぇ。これからヘブル連邦まで丸1日は掛かるからゆっくりとお話しでもしましょ?」
「えぇ。別に構いませんよ?」
僕とシリアさんは椅子に座り、シリアさんはテーブルに置かれたティーポットにカップに紅茶を注いで僕に渡す。
「ありがとうございます。」
僕はお茶菓子を1つだけ摘んで紅茶を飲む。爽やかで甘いお茶菓子とよく合う紅茶だな。
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