第8話 行き先はヘブル連邦

「確かに世もネールランド連合国の長老であるトールキン殿に何度も会食しておるが彼は聡明で賢明。また懐の深さからくるユーモアさも世も1人の人間として尊敬していおるお方だ。とても犯罪テロ組織に加担するようなお方ではない。しかし、ファシズ共和国に関しては厄介だ。」


「やはり急激に伸びた軍事力でしょうか?」


「うむ。特にファシズ共和国の総統閣下であるベニートムという男は食えない男だからな。」


「食えない男ですか?」


「頭の回転が良く知恵があるが、プライドが高く会食した時、会話が上手く話は盛り上がるが何処か野望に満ち溢れているモノを持っていた。」


「つまり簡単に言えば一筋縄では行かないというわけですか?」


「うむ。恐らくファシズ共和国の狙いはマーロ帝国そのもの。マーロ帝国とリブテン王国はお互いの不可侵条約の元、戦争は起きないがファシズ共和国は今はこの世界の第三勢力とも呼ばれている軍事力。いつマーロ帝国と戦争をしてもおかしくはないと言う事だ。」


「なるほど。つまり今回、ファシズ共和国がネールランド連合国に因縁を付けて戦争を吹っ掛けたのもマーロ帝国と戦争する前準備という訳ですか?」


「地理的にもネールランド連合国は昔からどの国からも軍事拠点としての立地なので狙われている国だから充分にあり得る。」


「何か止める方法はございませんか?でないとネールランド連合国はファシズ共和国の傘下に……」


「今回に関してはネールランド連合国とファシズ共和国での国家同士の争いだ。下手に軍事に参加すれば国民達が犠牲になり、ファシズ共和国からすればネールランド連合国に加担するマーロ帝国もテロ組織との関連が位置付けられて、多くの国から非難を浴びるであろう。」


「ならどうすれば、よろしいでしょうか?」


「今朝方だ。我がマーロ帝国と軍事同盟を結んでいるヘブル連邦から届いた封書だ。開けてみよ。」


シリアさんは立ち上がり玉座に入り皇帝バルガ様よりヘブル連邦からの封書を受け取り、玉座から出てから封書を開けるとシリアさんは封書に一通り目を通す。


「これは……」


「うむ。ヘブル連邦の大統領であるミハイル殿からの書状。」


「内容からするとヘブル連邦にファシズ共和国が侵攻しているという内容。」


「うむ、古くからヘブル連邦とファシズ共和国もまた歴史的な認識の違いからヘブル連邦の南端にある島、キャラブトと言われる無人島でファシズ共和国が軍事演習を行っていると聞く。しかし最近になってキャラブトにファシズ共和国の軍人が頻繁に出入りしているとの話。」


「つまりこれは……」


「ヘブル連邦は島を取り戻すべく軍備を整え次第、キャラブト奪還へと行うとの事。つまり戦争になるという事だ。」


「……」


「その為、我らマーロ帝国から助太刀を申し込みたいとの事。そして褒賞として1つだけ願いを聞くという事だ。ローズ・アント。世の言いたい事が分かるな。」


「はい。ヘブル連邦にあるキャラブト奪還への見返りとしてヘブル連邦とネールランド連合国、そしてマーロ帝国と三ヶ国軍事同盟を結ぶという事。」


「そういう事だ。頼めるか?」


「御意!」


三ヶ国軍事同盟を結ぶ事によってファシズ共和国を抑え込むという皇帝バルガ様の提案を引き受ける事となったシリアさん。僕の意見としては……。

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