第7話 竜騎士の乙女
「や、やめてくれたまえシリア。そんなの昔の事だし、もう乙女って言う年齢ではないぞ?」
ユーリさんは恥ずかしそうに照れ顔で自慢気に話すシリアさんに詰め寄る。本当に仲が良いんだな。この2人。
「それよりもシリア。君のタイプは年下で純情そうな異性がタイプとはな。」
「ち、違うわよ!もうからかわないでよ!この子はこう見えて年齢は大人なのよ!」
「え?そうなのか?少年。」
「はい。僕はこう見えて22歳です。」
「うーん……でも私からしたら少年だな。」
「う……。」
やっぱり、ここでも僕は子供って言うか大人っぽく見られないようだ……。
「それにね。泰虎は別世界から来た転移者で戦闘ならカリファ相手に打ち負かしたのよ?」
「ほぉ、あのカリファ相手にか中々じゃないか。そう聞くとウチも腕試しをしたくなってくるな。」
「ほへ?」
「ちょっと!辞めなさいよ!アンタは手加減知らないし、おまけにダルクに乗って戦うから私の家の庭が荒れちゃうじゃない!」
「アハハハ。冗談、冗談。」
「もう!」
するとワイバーンは僕をジィーっと見るなり頭をスリスリと僕の身体に擦りつけてくる。何が起きてるんだ?
「おぉ~。まさかダルクが初対面の人間に懐くとはな。」
「そうなんですか?」
「うん。ダルクはウチが小さい頃から卵から孵化させてウチが育てたんだ。だからウチが母親なのさ。それに少し気難しい性格でな。初対面の人間にはこうも懐かないさ。」
「確か、ダルクに初めてあった時は両手サイズの頃でね……撫でようとしたら噛まれたわ。」
「そんな事もあったんですね……。」
「どうやら君はダルクに懐かれているみたいだな。」
ダルクという名前のワイバーンの頭をナデナデしてみると何だか嬉しそうななきを出しながら頭を僕の身体になすり付ける。
僕って昔から犬とか猫に懐かれるけど、転移しても、どうやらこう言ったものにも懐かられるみたい。
「それよりユーリ。今日は良かったら晩御飯でも食べて行きなよ?」
「良いのかい?急にお邪魔したのに。」
「良いに決まってるじゃない。久し振りに会ったんだから!」
「じゃあ、有り難く頂こうか。」
どうやらユーリさんは今日はシリアさんと一緒に晩御飯を頂き一晩泊まる様子。シリアさんもユーリさんも凄く楽しそう。
そんな感じでシリアさんとユーリさんは久し振りの再会を喜びながらアント家の食卓を豪勢に彩る。
シリアさんの晩御飯は毎回、爺やさんとメイドさんのアーニャさんによって作られるのだけど、さすが貴族と言うか食べるものは毎回、何処かの高級フランス料理が出てきそうな上品過ぎる料理。
テーブルマナーとか気になって僕はオチオチ食べれない感じ……。
爺やさんとアーニャさんの作る料理は絶品で美味しいけど僕はどちらかと言うと、お寿司とか蕎麦とか鍋とか味噌汁とか和食の方が好みなんだけど、半分居候をさせてもらって、尚且つ仕事の手伝いのお駄賃もらってるんだけど、この世界のレートがイマイチ分からない。
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