第6話 切り裂きジャッキーの最期
「確保でございます!!」
「ジャッキー・ゾリッパー!今日でお前は逮捕だ!」
「捕まえろ!」
カリファさんの一言で部下である武装した複数の警官隊が一斉にジャッキー・ゾリッパーを抑え込み身柄を確保しようとする。同時に物陰に隠れていたシリアさんと爺やさんも現れる。
「とうとう捕まえましたわ。ジャッキー・ゾリッパー。殺人の罪および死体遺棄の罪と傷害の罪の疑いで貴女の身柄を拘束させて頂きますわジャッキー・ゾリッパー。いえ、監察医アイリ・ウォーノス!」
すると武装した警官隊がジャッキー・ゾリッパーの奇怪な仮面を外すとそこにはカリファさんの警察署で働き産婦人科医のアイリ・ウォーノスが素顔を表す。
「くっ……なんでバレたの?!」
「あくまでも僕の仮説からですよ。貴女は数ある娼婦の中から執拗に特定の人物ばかり狙っていた事から疑い始めました。」
「……」
「そして僕はエルザさんの話から一つのある共通点を考えました。それは妊娠の中絶ですよ。」
「……?!」
「どうやら図星のようですね。被害者女性は望まない妊娠をした為、貴女が働いている産婦人科を訪れて妊娠の中絶を頼んだ。」
僕は続けてアイリ・ウォーノスに向けて言い続ける。
「もし、考えられるとすれば貴女は不慮の事故で夫と身籠っていた子供を流産。自分にとって手に入らなかった女性に中絶させた事に嫉妬を覚えて犯行に及んだ。違いますか?」
「状況証拠だけで物的証拠がないわ。」
「それなら、ここにあるわ。爺や。」
「はい。調べた所によると被害者女性は
全員、貴女の産婦人科病院で診察し中絶をしています。更に貴女の自宅の部屋から同じ素材の斬奸状の紙に使われたインクにペンが発見。更に貴女が凶器に使われた刃物を研ぐ石に被害者女性の血痕まで検出されました。他に言い逃れはありますか?」
「……」
これほどの証拠を突きつけられてもう言い逃れは出来ないだろう。アイリ・ウォーノスは抵抗を辞めて大人しくお縄につくと思われた瞬間に何か彼女から殺気が込み上げてくるのが分かる。
「何が分かる……お前達に私の苦しみ!堪え難い屈辱が分かるかぁぁぁああ!!」
「グッ……」
「な、なんだ?アレは?」
アイリ・ウォーノスは人が変わってように怒り狂い2人がかりで押さえ込んでいた武装した警察官をいとも簡単に払いのけると、たちまち周りは砂埃で舞い上がる。
煙が晴れて視界が分かるようになるとアイリ・ウォーノスは変わり果てた姿になっている。
「なに……アレ?」
「奇怪な姿……」
「姿がまるで違いますの……」
「……」
アイリ・ウォーノスの今の姿を見て驚かない人はまず居ないと思うほどの変わりようは唖然としてしまい、僕に至っては声を失ってしまうほどだ。
赤みを帯びた髪はアルビノのように白く。トパーズのような黄色の瞳は血塗られたワインレッドのような瞳。
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