第4話 初めてのお仕事
ましてや警察と貴族だと名前が知られている可能性が大いにある。だとしたら考えられるのは……
「あの、警察や貴族など女性が入り辛いのであれば誰かお客を装って入るのはどうですか?」
「確かにそれしか方法はございませんが……」
「え?じゃあ、誰がその店に行くのよ?ま、まさか泰虎じゃ……」
「確かに坊主しか自然に入れそうにないな。」
「僕が行くしかないと思います。」
「だ、だ、ダメーッ!泰虎がそんな所に行っちゃダメ!だいたい泰虎が女の子と……」
シリアさんは僕に何か言おうとしたけど口をゴニョゴニョと小声で言いうけど最後が聞き取れない。
「あらあら。こんなに慌てふためいて殿方の浮気は性分なので仕方ないですわ。幾ら浮気しても必ず最後は自分の所へ戻ってくる。それくらいの器量の広さが無ければ妻は務まりませんわよ。ちなみに私は浮気の1つや2つは許せますわよ。」
なんかカリファさん趣旨がズレてない?僕は捜査のために提案してるんだけど?風俗大好きみたいな言い方はやめてもらえますかね?
興味はあるんだけどさ。
そんな感じで結論を言えば僕がお客としてエルザ・トライドって言う人のお店に行って聞き込みをするって形になったけど……
今、僕が歩いているのはマーロ帝国でも有数の風俗街でチグワカって言う市街になる。ここは心と身体の癒しを求め欲望の捌け口として有名らしいけど、ジャッキー・ゾリッパーの犯行場所として悪い噂が立っているのかあまり人は居ない様子。
人が居るとしても男性のお客さんか店の前に立つキャッチの男性店員くらいかな?
「ここかな?」
僕はあらかじめカリファさんに渡された写真とメモと地図を元にエルザ・トライドって言う人が働く風俗店に辿り着く事が出来る。店の名前はバリバリ楽園と書かれていた。
お店の中に入ると薄暗い明りが1つだけ着けられており、横には受付のおじさんがジャズの演奏を流しながら椅子に腰を掛けている。
「いらっしゃい。どの娘を希望です。」
「この人でお願いします。」
僕はエルザ・トライドの顔写真を確認してから指差して希望をする。エルザ・トライドは源氏名ではエルドラって言う名前らしい。
「これを読んでから名前を書いて先に前金で銀貨2枚と指名料で銅貨3枚ね。」
僕は受付から出せれた誓約書を読む。
1。当店では泥酔または薬物を使用したお客様及び同業のスカウト暴力団のお客様には当店の使用をご遠慮しています。
2。当店では必ず行為の前に必ず入浴するようにお願い申し上げます。
3。当店では嬢の嫌がる行為や言動や暴力を振るった場合は即座に退店とさせて頂きます。
当店の規約やルールを破った場合は返金せず今後、ご利用を認めない事をご承知してください。
僕はその誓約書にサインをしてからお客専用の待合室に案内されて少し待つ事にする。
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