第4話 初めてのお仕事
「あら、またいらしたの?」
「皇帝バルガ様の命令で無ければこんな所には来ないぞ。」
「ふーん……相変わらず貴族は暇を持て余しているようですわね。」
その言葉にカチンときたシリアさんは額に青筋を立てながら言い返す。
「あら、こちらこそ警察が無能で無ければ本業は出来るんだけどね。」
売り言葉に買い言葉っていう言葉があるように金髪の警察官がシリアさんと同じように額に青筋を立てながら言い返す。
「これだから貴族は何でもかんでも上から命令するだけで自分は動かないという頭デッカチが多いのよね。」
シリアさんと警察の人が何か露骨にいがみ合っててお互いにドス黒いオーラが出ているから怖いよ……
「上等じゃない。表に出なよ。このチンピラ警官。」
「あらあら貴族なのにお下品です事、この腐れ貴族。」
なんだか真面目に貴族と警察の全面戦争になる予感しかしないので僕は喧嘩の止めに入る。
「だ、ダメですよ!シリアさんにお巡りさん!喧嘩はダメですよ!」
「な、何なのですの?!この子供は!」
「僕は見た目はアレですけど一応、大人なんですよ!」
すると警察の人は深く溜め息を吐きながら続けて言う。
「まさか、先日の山賊組織を壊滅したのはこのお子ちゃまとは言わないでございますよね?」
「え?この子だけど?」
部屋の中いったいに何とも言えない空気が漂うのが分かる気がする。
「う、嘘をおっしゃらないでもらえます?!」
「本当だわ。それに目の前の賊は秒殺で全滅だし、あの子自身はケロッとしてたわよ。」
さらっと盛った挙句に嘘ついちゃったよ……(白目)
「なら、その実力を試してもらいますわよ。」
「……はい?」
「練習場であなたの実力を見せてもらいましょう。」
僕は警察の人に指を差されて表に出ろって言わんばかりに何故か腕試しみたいな感じで喧嘩に巻き込まれる。何故こうなった……
「彼女の名はカリファ・ウォルフ・ベルト。彼女の家系は代々警察の関係のお家柄。」
「そうなんですか?爺やさん。」
「うむ。一見、警察のお家柄だからコネやらキャリアでの就職だが、彼女に関しては異例だ。」
「どういう事です?」
「彼女自身がキャリアやコネといったものを嫌い、警察試験も一般で受けて合格。また警察に入ってからも、その頭脳と勘に持ち前の弓術によって数々の事件を解決した言わば叩き上げのキャリアを持つお方。」
僕の居た世界でも家柄でコネとキャリアで入るって人は聞いた事ある。だけど彼女はそれを嫌って自ら苦労を買ってでるとは普通なら甘んじると思うんだけどな……
「着きましたわよ。さて、その実力を見せて貰いますわよ。」
するとカリファさんに連れられてレンガ造りで如何にも頑丈そうな部屋に着くとカリファさんはは機械型の狼を手に取る。
恐らく僕のビートと同じようなデバイスか何かだろうか?
それに続いてビートが僕の目の前に現れて僕はビートを手に取る。
「リリース-解放-」
カリファさんが唱えた瞬間に狼のデバイスは形を変えて黒を基調とした金のストライプが入った弓矢を出現させる。どうやらその呪文がデバイスを武器にさせるらしい。
「リリース-解放-」
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