第4話 初めてのお仕事

この内乱にはよって街の治安は悪化していき権力争いは諸外国にまで話が行き渡り、それによってマーロ帝国を良く思わない外国勢にも目をつけられた結果。


魔法使いや風水師、錬金術師の王国リブテン王国と召喚士や精霊使いと言ったヴェルム公国と言う軍事同盟を結んだ同盟国。通称【リヴェル同盟】と呼ばれる国家に戦争となる。


その戦争と呼ばれる名前はムスライ戦争と呼ばれる。簡単に言えばマーロ帝国対リヴェル同盟国の戦争ではなく。ヤファエロ対ネーロ対アケロス対リヴェル同盟国の四つ巴の戦争へと発展していくと言う事態となる。


その戦争の最中、1人だけこの地に降り立ち下々の民だけに剣を振るう者が現れる。彼はハンジロウと呼ばれ帝国の騎士団を物理的に払い除け、同盟国の選りすぐりの魔法使い召喚士をも打ちのめすと言う実力。


複数の相手に一振りで払いのけ斬り伏せるその姿はいつしか【人斬りハンジロウ】と呼ばれ、伝説の人斬りと呼ばれマーロ帝国ヤファエロ派に着いた事によって数々の戦果を挙げていき、マーロ帝国を1つにまとめ挙げ、ムスライ戦争を停戦させるまでの影の立役者となる。


そして内乱と戦争が終結した後、彼は姿を消しその人斬り伝説だけを残し立ち去って行く。


長くなったけど簡単に纏めればこんな感じ。そして軍服に身を包み雄々しく立ち手に懐中時計を持つその姿は若い時のジィジそのまんま。


「人斬りハンジロウかぁ。名前と言いその姿と言いジィジだ。」


僕はフゥーって溜め息をしながら書物を読む。ジィジは何でこの世界に来て争い事に巻き込まれたんだろうか?


ジィジは平和主義で揉め事や争い事は嫌いな人間なのにそうまでしてジィジが争い事に参加した理由。


よくジィジが言っていたな『争いなんて言ってしまえば子供の喧嘩と同じ。平和が1番だよ。』って。綺麗事のように聞こえるけど綺麗事が1番良い。だけどそれと同時に『何かの信念や譲れない時は必ず立ち向かいなさい。逃げれば必ず後悔する。』っていうのも言っていた。


ジィジはここに来たのは良いけど、その後も僕の居た世界で暮らして老いき生涯をまっとうした。


「んー……」


更に考え込むけど答えは出てくるはずもない。


そうして頭を抱えて考え込んでいると書物室のドアからノックが聴こえてきたので返事をする。


「どうしたんだ?アレから書物室に入って探しごとか?」


「あっ、はい。この人斬りハンジロウについて気になったので調べ事を。」


「おぉ!人斬りハンジロウかぁ。話は聞いているぞ。よくお父様から教えてもらったぞ。人々の為に剣を振るい争いを収めた剣士。そして、その強さは無敵と言われ敵からは人斬りハンジロウと呼ばれた私の理想としている剣士だ。」


どうやらジィジはシリアさんにとって1人の剣士として憧れを抱いているみたいだ。まぁ僕もジィジみたいに強くて優しい所に今でも憧れているけど。


「そういえば泰虎。仕事だ。」


「仕事ですか?」


「あぁ、殺人鬼ジャッキ・ゾリッパーだ。」


「ジャッキ・ゾリッパー?」


「ここ最近、市街を騒がせる殺人鬼だ。」


「殺人鬼ですか?」


「あぁ、ただの殺人鬼ではなく、内容は狂気とも言える快楽殺人者と言われている。まずは皇帝バルガ様の資料を読んでくれ。」


僕はシリアさんが持ってきた依頼書と資料を読んでみると内容はこう書かれていた。

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