第4話 初めてのお仕事

僕はそれからマカオさんの所で職業とパーティの登録を済ませた後、シリアさんの屋敷内にある歴史書を読みあさっている。


それは今、僕の持っている懐中時計と若い頃のジィジがこの世界に居た事に何か関係があるのではないか?と思い片っ端から読みあさっている。


時代は今から65年前。マーロ帝国にはある問題を抱えていた。その問題とは跡目争いである当時の皇帝であるベルティと言う皇帝が居た。


ベルティはお妃を早くに亡くし大変愛妻家であったせいかそれから、お妃を迎える事なく独身を貫いたとか。だが、それが仇となり跡目争いは帝国内で対立を見せた。


1人はベルティの弟であるネーロ。1人はベルティの右腕である臣下アケロス。そしてもう1人ベルティが晩年、貴族出身の子を引き取った養子であるヤファエロである。


継承として単純な話からした話、ベルティの弟であるネーロが皇帝の座を継承されるがベルティとネーロは異母兄弟であり、ネーロに関しては父デヘケロと売春婦で妾の子のため世間体が悪い。


更に言えば兄ベルティは政治に関しては国民目線で下々の民に関しては敬意を払い仁徳もあるが、ネーロに関しては常に自分目線で国民は税金を搾取するだけの存在と周りから言われるほど。


しかし、ベルティの養子であるヤファエロはまだその時、13歳で皇帝の座に就くにはまだ早すぎる上、これから知識や見聞を広げる時期であると言う事。


更に言えば皇帝の親族や臣下でもない一介の貴族が皇帝の座に就く事にはいかようかという意見があったと言う。


残るベルティの右腕であるアケロス。ベルティから信頼され国政や立憲などに多くの功績を残した臣下と言われている。


しかし裏では黒い噂が絶えず国に仇を為す者には容赦ない粛清。更に言えばアケロスに対する不評を言った者は不審な死が絶えないと噂される恐怖政治とも言える側面がある。


そのマーロ帝国、跡目争いは水面下で火花を散らすようになるが、それは段々と表面化していき、マーロ帝国内では緊張の続く状態だった。


お互いに牽制し合うものなら内乱が起きてもおかしくないと言われ、その時をマーロの弾薬庫と言われた程。


だが、それはタイミングが悪い日に起きたとされる。


それはネーロがアケロスを揶揄したと言われる詩を読んだとアケロスの耳に入り、激昂したアケロスは刺客として送り込んだ。


しかし、その刺客は何かの間違いでヤファエロの根城に忍び込み襲うとしたところヤファエロ側の人間に取り押さえられてしまう。


それによりヤファエロ側の人間は激怒しアケロスに宣戦布告した事によってヤファエロ対アケロスという争いが起きるが、その争いでとある森林公園が戦場となり焼け野原になってしまう。


その森林公園はネーロが狩りなどで楽しむ為の私有地であるため、私有地を勝手に荒らした挙句に焼け野原にしたと言う事によってヤファエロ対アケロス対ネーロという三つ巴の内乱が勃発する。


三つ巴の抗争はトーゴ内乱と呼ばれる血で血を洗う内乱は数々の陰謀と野望に思惑を錯綜する中で帝国全土に拡大していき、拮抗する三つ巴の陣営に帝国内は荒廃していく。

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