第3話 パーティに加わる魔法使い(仮)
食事もなんか僕がいつも食べるようなモノではなく、何処か高級レストランで出されるようなモノばかり正直言ってシリアさんが食べてるのを見様見真似で見てるのであんまり食べた気がしない。
「どうぞ。私が仕立てあげました。」
「あっ、はい。ありがとうございます。」
朝食も食べ終わったので僕はメイドであるアーニャさんにお手製の服を渡される。
それは紺色をベースにした、どこぞの大河ドラマで特に幕末をストーリーに出てくる軍服みたいな服装。いや、別に嫌じゃないけどさ。
「サイズは大丈夫でしょうか?」
「はい、ピッタシです。ありがとうございますアーニャさん!」
「いえ、私はアント家のメイドです。それくらい出来て当然です。」
アーニャさんは無表情だけど決して冷たい感じではないと思うんだよね。もしかして人見知りなのかな?まぁ、慣れれば大丈夫でしょ。
それから僕はシリアさんと爺やさんと一緒に馬車で占いお姐のマカオの所に向かう。
「それにしても不思議な形をした懐中時計だな。話ではその懐中時計が動き出した事で泰虎がここに来たのだろう?」
「はい、そうなんですけど今はネジを回してみたんですけど全然、動く気配がなくて……」
「うむ。どうやら動くには何かの発動条件というのがあるのかもしれないな。それが何なのかが分かれば苦労はしないと思うが……」
「「「うーん……」」」
3人で考え込むけど考えれば考えるほど分からない。僕は何故この世界に転移者として来たのか偶然か必然か、事故か故意か何かの因果が絡んでいるのか。そこは時間が解決してくれるのか、果たして、このまま……
そう考えている内に馬車は止まり、どうやら占いお姐マカオの店に着いた様子。何やら看板には蛍光色の電気が帯びた『占いお姐マカオ』って書いてある。
ってか、看板と言い店の外装と言い僕の居る世界で言うと田舎のスナックだよこれ……
「いらっしゃい。あら、シリアお嬢ちゃん久しぶりねぇ~。」
扉を開けるとベルの音が聞こえるとカウンターの前に黒い三角帽子を被り黒のローブをまとった人が出迎えてくれるが僕から一言だけ言いたい。『怪しい。』口から出掛かったのを何とか押さえ込んで平静を装う。
「マカオ。今日はこの子の職業登録と私のパーティ登録をしてきた。」
「おやおや~。また可愛らしい子を連れて来たねぇ。私の好みの坊や。」
渋い声で恐ろしく背筋が凍るような発言があったけどスルーしておこう。
「寺島 泰虎です。よろしくお願いします。」
「あら、今時珍しい礼儀正しい子。じゃあ、ステータス画面を開いてもらおうかしら。」
僕はビートを手に取りステータス画面を開く。
あなたの職業【魔法使い(仮)】。
あなたの武器【金剛の杖】。
あなたのお名前【テラシマ ヤストラ】。
私の名前【ビート】。
レベル15。
攻撃100。
防御78。
速さ90。
特攻30。
特防53。
スキル。
【シュリンゲジ–縮地–】。
【フィズクス・キャンセル-物理無効-】。
【ディストラクション-気配消し-】。
「へぇ、面白い能力とスキルじゃない。でも魔法使い(仮)っていうのが気になるわね。」
「なんかその(仮)って言うのはなんなんですか?」
「うーん……それはアチシにも分からないわねぇ。特殊な例だわ。」
「マカオ。彼は別世界から来た転移者なのだが。」
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