第3話 パーティに加わる魔法使い(仮)

「ほら!あんまり無理するんじゃないぞ!君は傷口が多くて出血も酷くて、2日も寝込んでたんだからな。こんな小さい子供なのに……」


どうやら僕は2日くらい寝込んでいたらしくて、シリアさんが付きっきりで看病してくれたみたい。どうやら、この人には恩が出来てしまったみたいだ。


だけどシリアさんは1つだけ誤解しているので、その誤解を解かないといけないみたいだ。


「あ、あの……シリアさん。」


「どうしたんだ?お腹でも空いたのか?」


「いや、僕なんですけど……こう見えて年は22歳なんですよ?」


「へっ?……え?」


「意外だったな。こう見えて立派な男であったか。」


「う……そ……?」


「はい。僕、寺島 泰虎はこう見えて22歳です。」


シリアさんはポカーンとしながら爺やの顔を見て口をパクパクして、爺やさんは何やら口元を押さえてクスクスと笑ってるみたいだけど僕が寝込んでいる間に何か起きたのかな?


「わ、わ、わ私と6歳しか変わらないだと!!」


「え?じゃあ、シリアさんの年齢って……」


「レディーに年を聞くな!馬鹿者!!」


「ゴフ……」


僕は弓矢で刺された肩を思いっきり叩かれて痛みに悶えたのは間違いない。



それから色々とあったが、紅茶を飲みながらシリアさんが一つ話を切り出すのである。


「そうだ泰虎。もし、このまま行く宛がないのなら私のパーティに入らないか?」


「パーティ?それは美味しいご飯を食べながら余興をやったりするアレですか?」


「そっちのパーティーじゃない!私の仲間に入らないか?泰虎が嫌なら良いんだが……」


「そうですね。特に行く宛も無さそうなので、よろしくお願いします。」


「本当にか?」


「えぇ。男に二言はありません。」


「よろしくな!泰虎!」


シリアさんは僕の両手をギュッと握る。暖かくて柔らかい手に紅い髪に宝石のような澄んだ青い目。


それに大きい2つの張りと弾力がありそうなマウンテンメロン。僕にはちょっと刺激が強いかな?


「どうした?泰虎。顔が赤いけど傷口から熱がこもっているのか?」


「え?へ?!だだだ大丈夫です!」


僕は少し慌てた様子で手を振りほどいて両手をヒラヒラとさせるが爺やさんはボソリ『まだまだヒヨッコだの坊主。』っと言われた事に僕は気付いていない。


とりあえずだけど僕が立ち上がれるまで回復するまでは安静だって話で、パーティのやら職業の登録してからシリアさんの仕事を手伝うって事で合意する。


そういやシリアさんの仕事って何だろう?シリアさんは貴族で領主をしているから、恐らく僕の居るマーロ帝国って言うところは封建制度って呼ばれる所なんだろう。


封建制度って言うのは王様が貴族などに対して領地を与える代わりに主従を求めるという制度。


日本史の鎌倉時代の【御恩】と【奉公】みたいな関係で結ばれている。


さらに領主はその土地に住んでいた農民にも同じような主従関係を結ばせるなどの二重の関係を持っている。


それに中世のヨーロッパ貴族の生活って言うのは、昔、本に書いてあったのを説明するとだいたいこんな感じらしい。


起床時。貴族の日常は夜明けから始まり、まずミサに行き神に祈りを捧げる。


朝食。最初の食事は朝食。


午前中は業務。領主や貴族は、自分の領土に関する業務。政治に関する議論や決定も含まれていて、領土内の穀物、収穫、供給などの報告や、賃貸、税金、関税、支払いなどのお金に関する報告も聞いたりする。


自分の領土内の家臣や小作人たちの裁判、不平や論議を解決したり、結婚の承認をしたりするし武器の練習をする場合もあるらしい。


昼食。午前中に御祈りと昼食。

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