第2話 魔法使い(仮)
お嬢がそう言った後、爺やは一言だけ発した後はお嬢に着いて行く形で2人は林の中へと足を踏み入れると、そこにも数多くの賊の死体と足の踏み場の無いほどの血の海が出来上がってる。
「此奴らは全員、賊ではないか。」
「はい。皇帝バルガ様の直筆の任務より『国境付近の村人を襲い金品を奪い食料を我が物とし若い女または子供を人身売買する不届きな賊を討伐を命じる。 マーロ皇帝 バルガより。』っと。」
「何か旅人がたまたま通りかかって出くわしたのではないでしょうか?それに血が固まってないので今も戦闘をしている可能性があります。」
「そうだな。グズグズしてられない。すぐに行こう!」
「はっ!」
そうしてお嬢と爺やは走り出す。
その頃、僕は世紀末の賊の最後の1人と交戦中。やはり数十人の賊を束ねるだけあって流石に相手するには骨が折れそうだし、何よりも強い。
「ほらほら、どうしたぁああ!!」
「ぐっ……」
1人で数十人を相手にしてからのラスボスって戦う前に回復薬で体力を回復してからセーブしてからやるよね?それが無いのって無理ゲー過ぎない?
弓矢とかナイフの小さな傷が無数にあるしずっと戦いっぱなしだからスタミナも削られてる。ビートのステータスを見るとHPとか見ると赤くなり始めてるし、スキル回数も残り少ない。
これじゃ詰んでジ・エンドだ。それに賊の剣捌きは早くて重いし勘が今までの奴より良いのか僕の剣も避けられる。何処か隙を作らなくちゃ……
賊のラスボスは容赦なく僕に剣を振りかぶる。ここだ!
僕は【しのぎ】で振り上げてから降ろすラスボスの剣を受け流しながら右側へ入り身をしてから袈裟斬りで鎖骨から腹部まで斬り下ろす。
「はぁ……はぁ、はぁ……やっと全員……倒せたぞ……」
僕は剣を突き刺し剣を杖代わりにするように立っている。正直、立っているのがやっとだし、目が霞んできて朦朧としてきたよ……これ以上の戦闘は無理そうだ……
「おい!爺や!!あの少年!」
「はい!お嬢!」
どうしよう……僕は虚ろな目でも闘志は消えずに剣を抜き下段に構える。それに驚いたのかお嬢と呼ばれた人と爺やと呼ばれた人は僕に詰め寄る。
「安心しろ坊主。ワシらは敵ではない。此奴らは全員、坊主がやったのか?」
僕は声が全身の痛みと疲労困憊で上手く声が出せないので縦にイエスと頷く事しか出来なかった。
「立派だったぞ。だからもう剣を手放せ。手当てをしよう。」
爺やさんにそう言われて剣を手放そうとしたが賊の1人が立ち上がり、その前に居るお嬢っていう人に襲い掛かろうとしている。
「おい、どうした坊主?!」
再び剣を握り敵に向かおうとするが上手く歩けない。クソ……動け。動けよ僕の足……上手く動けない僕の身体だけどスキルがあったのを思い出しスキルを唱える。
「し……シシ……シュリンゲジ–縮地–。」
最後の力を振り絞ってスキルを発動させてお嬢さんの背後から襲い掛かろうとする賊の胸に剣を突き刺し、今度こそ絶命した。
ヤバイ……今ので緊張の糸が切れて立てなくなりそう……そんな時、柔らかく優しくて血生臭い僕の匂いが薔薇の香りが僕を包み込んでくれる様な気がした。
「私を助けてくれたんだな。ありがとう。」
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