第2話 魔法使い(仮)
「へへ~ん。お嬢ちゃんも一緒にパパと一緒の所に行こうかぁ~ん~行きたいよね~?」
まさに世紀末の賊はよく見るゲスな笑顔で小さい女の子を見ている。胸糞悪い。
僕は林の茂みからユックリと歩き出す。
「おい!なんだテメェ!動くな!!動くと打つぞっ!!」
「やってみろよ。」
「チッ!」
世紀末の賊1人が僕に向かって銃口を向けて、ユックリと引き金を引いたと同時に銃声が響きあたりは物静かになる。
しかし僕には擦り傷一つもなく世紀末の賊達に向かって歩き出している。何をしたかって?答えは簡単だよ。古武術で使う【見切り】ってやつだよ。単純に言えば相手が銃の引き金を引いたと同時に半身で入り身をして避ける。
その為には相手が来るって瞬間を見極めなくちゃイケナイ。その来るって言うのは殺気であり、武芸者が身に付ける第六感とも言われている。
「な、な、な何なんだ?!あの小僧!!」
「撃て!良いから撃てっ!!」
世紀末の賊達は僕の不可解な行動に不安と恐怖に駆られて慌てふためき銃を続けて撃ち込み、もう1人の賊は弓を引き矢を放ち、また、もう1人の別は小型のダガーナイフを僕に向かって数本投げ込む。
だけど僕はスルリと何事もなく擦り傷を一つも無く避け、僕は自分よりも大きく筋肉質な体格の賊達を目の前まで距離を詰めて立つ。
「なんだ?小僧!その目は!」
「ガキのくせに生意気なんだよ!」
「大人相手に子供が勝てると思ってるのか?!」
僕は賊3人に囲まれる形になる。普通なら自分より大きな見た目が屈強な男達に囲まれたらビビって腰が抜けてしまうだろう。でも、僕は違う。
常に平常心。感情を押し殺し殺気を心の内に留め僕は膝を抜き右の肩甲骨を内に引き、弓の弦を引く要領で掌底を賊の1人に打ち込む。
「ゴフッ……」
賊の鳩尾に掌底を打ち込んだ瞬間は賊は白目を剥いて口からは胃液が滴り落ち倒れこむ。
「ジィジが言ってたよ……弱いものを虐めるのは自分が弱く醜いと自覚している事だ。」
「なんだと!このガキッ!!」
賊の1人が剣を鞘から抜いて僕の頭から目掛けて一刀両断しようとするが、僕は左へ入り身に抜けて賊の手首を極めて剣の柄を持ちそのまま、賊の右側へと回り込み剣の刀身で賊の首を斬り落とす。
その技は【無手返し】。自分が素手で相手が斬り込んだ瞬間のカウンター技とも言える古武術の技の一つ。
「おい!て、て、テメェ!タダで済むと思うなよ!ちっ!」
賊が何かギャーギャー喚いているけど関係ない。僕の頰には賊の返り血が滴り落ちる。初めて人を殺めたけど気分は良いもんじゃない。だけど僕には、この娘を守らなくちゃだから……
賊は血相を描きながらスボンのポケットから呼び笛を力一杯鳴らすと、続々と本当に世紀末みたいな感じな賊達を呼び寄せ辺りいったいに囲む形でざっと50人の賊が現れた。
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