第19話 ステータスオープン!
さて、そんなわけでお待ちかねのステータス画面だ。
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名前 ライホー
種族 人属
性別 男
年齢 22
魔法 生活魔法、空間魔法、重力魔法
(転移時)
【基礎値】 【現在値】
体力 8 8
魔力 10 10
筋力 8 8
敏捷 8 8
知力 11 11
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合計 45 45
(今回閲覧時)
【基礎値】 【現在値】
体力 8 8
魔力 11 11
筋力 8 8
敏捷 9 9
知力 12 12
-------------
合計 48 48
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2年間あれだけ鍛えたのに、体力と筋力は伸びなかった。勿論、小数点以下の数値は伸びてはいるんだけれど……
逆に敏捷の伸びは顕著であった。重力魔法で素早い動きを意識した経験を積んでいたからか?
そして魔力と知力は順調である。
体力は毎日空になるまで使い切ることはできない。んなことをすれば疲労で倒れちゃうんでね。でも魔力は毎日ほぼ空になるまで使うことができ、一晩しっかりと休めば翌朝には満タンになっている。そうやって毎日限界ギリギリまで訓練を積んできた成果なのだろう。
そして少し前から思っていたことではあるが、この世界における能力値1ポイントの差は結構大きいようだ。8と9、9と10では目に見えて差が出るのだ。況や8と10では地力に相当の差が生じる。
当初はたった1ポイントの成長を少し物足りなく感じていたものだが、今後も更なる努力を積み重ねていかなければと気持ちを新たにしているところである。
そういや、ウキラの肢体にナニをブッ掛けちまって清浄魔法を掛けたとき、ウキラが吃驚してたのはそういうことだったんだな。あの時点でウキラと俺の知力には2ポイントもの差があったんだもの……
まぁ、いくら1ポイントの差が大きいとはいえ、ここはステータス万能のゲーム世界ではない。
基礎となるステータスも重要ではあるが、その上にステータス画面からは窺い知ることができない技術をどれだけ積み上げることができるか――で最終的な強さは決まる。
その証拠に、魔法を使わない状態の俺では、お師匠どころかアケフにもいいようにやられているのだ。
そのアケフだが。
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名前 アケフ
種族 人属
性別 男
年齢 17
魔法 生活魔法、土魔法
(初めて会った時(オークリー対戦前))
【基礎値】 【現在値】
体力 8 7
魔力 7 6
筋力 9 9
敏捷 9 9
知力 7 7
-------------
合計 40 38
(今回閲覧時)
【基礎値】 【現在値】
体力 10 10
魔力 8 8
筋力 11 11
敏捷 11 11
知力 8 8
-------------
合計 48 48
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いや、チートっしょ?これ、チートっしょ?
まだ17歳なのにステータスの合計値、俺と同じになってるやん。俺ってばあのポンコツ神に5ポイントもオマケしてもらってるんよ?
――とは思ったが、ほかの若い連中を見ても、やはり成長期はステータスの伸びがいいようだ。
アケフは元々基礎となるポイントが高いから、結果としてすごい数値になっているだけで、伸び率自体はほかの連中と大差はない。
でも最近は小数点以下の数値の伸び方が落ちているので、アケフの成長期もそろそろ終わりなのだろう。
そして何気に名前から「(ガッキー)」がなくなっていた。
それがいつの頃からなのかは忘れてしまったが、この2年で身長はほぼ俺に追いつき、体つきも一回りも二回りも大きくなったアケフから「ガキンチョ」の気配が消えたからなのだろうか。
もうこのステータス画面の機能、いろいろと無茶苦茶である。
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そんなアケフも今や立派なEランク冒険者である。
おそらく18になると同時にDランクに昇格すると言われており、まさに冒険者ギルドの若きエース候補である。
アケフは、彼以外の全員が20代前半までにはCランク冒険者になったという、6人組Bランクパーティー「ハイロード」に唯一のEランク冒険者として所属している。
パーティーリーダである勝気な表情のアタッカーの女と、ゴツくて寡黙なタンクの男の2人が前衛。細身で美人の弓使いのエルフが中衛を受け持ち、神経質そうな魔法使いの男と朗らかな表情の治癒師の男が後衛という絶妙なバランスのメンバーに、アケフは6人目としてスカウトされていた。
ちなみに魔法使いの男はアケフの魔法の師にもなっているんだそうだ。
魔法は適性があればすぐに使えるというわけではない。同種の魔法を使える者である必要はないのだが、魔法の扱いに長けた者から魔力の集め方や放出の方法などを学ぶ必要があるらしい。
俺はポンコツ神特典で転移当初から自然に使えていたが、本来ならばアケフのように誰かに師事して学ぶことが一般的なようだ。
それにしても……剣の天稟と魔法の才を有し、有能な師に恵まれ、将来有望なパーティーから誘われる。アケフさん、もしかして主人公ですか?
俺なんか誰も誘ってくれなかったのにさ……スンッ!
落ち込みたくもなる。最速でDランクにまで駆け上がったにもかかわらず、俺は未だに適正レベル帯のパーティーのどこからもお声が掛からないんだから……
まぁ最速といっても、剣の腕もようやく様になってきた程度のDランクに過ぎない。
秘匿している重力魔法でサクッと魔物を狩り、ソロであるにも関わらず定期的に一定量の魔核を納入している俺は謎の存在であった。
最近ではギルド職員におべっかを使って取り入っているとかいないとか、変な噂まで流れる始末である。
しかしそんな飛語を気にしても仕方がない。今の俺は道場での稽古と魔物との実戦を熟しながら地道に力を養っているところである。
特に魔法の成長は著しく、魔法を全開にして戦えばギルドの若きエース候補であるアケフが相手であっても引けを取らないのだ。
アケフは重力魔法の部分は巧みに隠しながらも、俺の真の実力をハイロードのメンバーにだけは明かしている。
俺の方も彼らとは何度か臨時のパーティーを組んで依頼を熟したこともあり、彼らも俺がただのDランクではないことは察している。
もとより彼らとしても、アケフが彼らのパーティーに加入する前から何かにつけアケフの面倒を見ていた俺のことを蔑ろにする気もないようで、ギルドですれ違うたびにフレンドリーに話しかけたり笑顔を向けたりしてくれる。
陰日向に誹謗中傷を受けることも多い俺であったが、それでもようやくこのギルドの一員としてそれなりに認められつつある今日この頃である。
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