第105話 進めダンジョン

 ダンジョンを進んでいるとすぐさま、モンスターが登場する。黒々とした闇の色の、宙をふわふわ漂う深海魚のようなモンスターだった。


 【解析術】にかけたところ、「ドースガン」という、このダンジョンに最も多く生息しているモンスターらしい。


「【煉獄の刃】!!」

 ミオは、ほとんど出会い頭に炎属性の強力な剣術を放ち、ドースガンを一刀両断する。


 下級モンスターだったので、難なく倒せた。


「ミオ、ルミナの護衛はどうした?」

 俺は一応、軽く注意しておく。


「あ、ごめんごめーん。身体がつい反応しちゃった・・・・・・」

 手を合わせ、あまり深刻ぶらずに謝罪するミオ。


「別にいいけどさ・・・・・・護衛、俺が変わろうか?」


 だってミオ、暴れたくてうずうずしている感じなんだもんな。


 だが、ミオはゆっくりと首を振る。


「ううん、大丈夫よ。さ、ここからはレイが大暴れしなさい」

「そうか?それじゃ、お言葉に甘えて・・・・・・」

 奥でうろうろしていたモンスターを発見した俺は、遠慮無く特大の魔法をぶっ放す。


「【真風魔神の召喚】」

 グオォォォォォッ・・・・・・という強い唸りと共に、強大な風の刃が奥にいたモンスターたちに襲いかかる。あっという間に細切れになるモンスターたち。


「おお・・・・・・」

 ルミナは感嘆の念を漏らす。そっか、ルミナは俺の魔法を見るのは初めてだったか。


 得意になった俺は、更に追撃の手を加える。

「【光旋雷】」


 らせん状の光のエネルギーが、ものすごいスピードでダンジョン内を駆けていく。太い光芒が、暗いダンジョンを一瞬だけ明るく照らす。


 【光旋雷】は、遙か先にいたタコのような軟体モンスターに命中、爆散させた。爆音がこちらまで響いてくる。


 【千里眼】で先をチェックする。


「よーし、しばらくは何もモンスターはいないみたいだな」


 俺たちは先に進む。

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