第42話愛の正体
ボロアパートは相変わらずボロい。
畳の上で愛は固くなに座ったまま動かない。
カナ様は冷めた目で愛を見下ろしていた。
「お前など動かす事はたやすい…あと5秒もすれば動くであろう。」
「…」
ピンポーン。
玄関のチャイムがなった。
「愛?お姉さん?来ましたよー、愛梨です開けて下さい。」
玄関ドア向こう側の愛梨の声。
愛はドアに向かってすっ飛んでいく。
「愛梨ぃぃ今開けるからね…愛梨会いたかったよ。」
ガチャぁ
「愛…本当に愛だ…もぉ…どうしてなにも言わずにいなくなったの…。」
「愛梨本当にごめん…。」
抱きしめ合う二人…。
「愛梨よ…中へ入るが良い。」
黒ずみのある畳の上に座る愛と愛梨。
カナ様は立ったまま二人を見つめ、愛梨に語りはじめる。
「愛梨よ…なにも言わずに聞くが良い…我は大魔道師カナ・エール…愛のお姉さんなどではない…そしてこの愛は…愛の素晴らしい身体は、我の作った最高傑作であり言わば人形のようなもの…中身はお前の知っている顔は三流…性欲超一流の変態平間ひろし…我が魔道の力で愛に変えたのだ。」
二人はそれぞれ別の意味で驚いた。
愛梨が少しの沈黙の後…口をひらく。
「…と言う事は、あの時の私の不思議な感は当たっていた…愛だけど愛じゃなくひろしさん…カナ・エールさんが不思議な力を使って…でもどうしてそんな事したんですか?男の人を女の娘に変えるなんて…。」
カナ様は不敵な笑みを浮かべた。
「我はひろしの闇落ちから召還された闇の使者…姿を変えたのはこいつの本当の望みなのだ。」
それを聞いた瞬間、愛は勢い良く立ち上がりカナ様を睨み付けた。
「俺は望んでなんかいない!お前が勝手に変えたんだろ!」
愛梨に向けていたカナ様の視線が愛に向けられる。
「これ以上の問答は無用…きさまにはやるべき事があろう…大道に連絡するが良い。」
「大道さんに連絡?冗談じゃない…お前の言う事なんか聞くか!」
二人の会話を聞いていた愛梨がはっ!とした顔付きになる。
「そうだよ愛…大道さんすごく心配してたんだよ…元気ですよって電話してあげたら?…ねっ!」
渋い顔をしながらも、愛梨のねっ!に負ける愛。
スマホを手にとり大道さんに電話をかける。
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