第41話ビギニングラブ
これからあまぁ~い恋人同士の、イチャいちゃベタベタクチュクチュちゅぱちゅぱな日々を期待していた愛は頭を抱えてまるまっていた。
(なんでだよ…どうしてまた愛にならなきゃいけないんだ…ひどい…ひどいよぉ…俺のあの決意…ひろしとしてやっと愛梨と出会えた…それなのに…ちくしょぉぉ!こうなったらこの中指で…徹底的にこの愛の洞窟奥まで探検してやる…止める奴はいない…あーなんか興奮してきた…。)
中指を見つめ息づかいが荒くなったその時、ふと床に落ちている物が目に入った。
(これって愛の時使っていたスマホだな…そうだよ…こんな事してる場合じゃなくもないんだけど愛梨に連絡しなくちゃな。)
少しの呼び出し音の後、愛梨が電話にでる。
「もしもし!愛?この番号愛だよね!どこに行ってたのよー!本当に…本当に心配してたんだから…」
興奮気味の声、そして涙を流しているのがわかる。
愛は少しうつむき気味に話していた。
「ごめんね愛梨…心配かけて。」
「愛なんでしょ?本物の愛だよね?」
「そうだよ、本物の愛だよ。」
「…愛だよね?愛だけの愛だよね?」
「ごめん愛梨、なにが言いたいのかよくわからないんだけど?」
「愛は愛だけの愛で、他の人って事はない?」
「あぁ…それなんだけど実は…。」
言いかけた時、愛の手からスマホが奪われた。
「愛梨よ…あのアパートへ来るが良い…。」
突然現れたカナ様が愛梨にそう言って電話を終わらせた。
愛は見上げる様にカナ様を睨み付けていた。
「…なぁ?どうしてまた愛にならないといけねぇんだよ?いい加減にしろよ!お前は本当になにがしたいんだよ…。」
「愛よ…わかる日が来るであろう。」
「なにがわかる日だ!ふざけるな!それに俺は愛じゃねー!ひろしだ!もう愛なんかしたくないんだよ…元に戻してくれよ頼むよぉ…。」
「無理。」
「戻せ!」
「我は無理だと言っている。」
「戻せー!」
「しつこい奴め…。」
「元に戻るまで俺は動かないからな!」
「好きにするが良い…魔道の力でアパートに行くのみよ…。」
「行っても動かねー。」
「バカが…動かぬわけにはいかないであろう。」
魔道テレポートで二人はボロアパートへ行く。
愛は固く座ったまま動かぬ決意でいた。
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