第36話悔しい…


ラヴィスと春夏秋冬の担当をする大道マネージャー。

彼の本領を発揮する時が来た!ようなきてないような曖昧な仕事をしていた。

愛と愛梨、個人の曲はあるが、ラヴィスとしての曲が欲しい大道。

愛に頼んで有岡にお願いしてもらう事にした。

愛梨と一緒にいたい愛は当然協力する。

ゴロゴロにゃんにゃんであっさり有岡を落とした愛。曲を作ってくれる事になった。

天真爛漫な愛とどんな事にも真剣に取り組む愛梨を掛けて出てくるものを期待した大道は、アレンジや振り付けなどは本人達に任せる事にした。

大道はラヴィスの営業をしながら、春夏秋冬の仕事姿を見に行った。

春夏秋冬に取ってきた深夜の歌番組数え上げ。

春夏秋冬は振り付け鬼怒まり子、作詞作曲、季 節子

の曲…ドラドラバンバンを歌っていた。

♪「ドラ、ドラ、バンバンバンバン!」

♪「ドラ、ドラ、バンバンバンバン!」

♪「クールな顔~役満テンパイでしょ?」

♪「わかぁてんだよ、四暗刻狙いなの!」

♪「安牌なげぬ私の勇気~まさかの単騎箱飛び金飛び!財布もとんだ!帰りの~電車賃…ない切符買えない私~」

大道マネージャーの感が働いた。

(こいつら…は…売れない。)

大道はラヴィスに力を入れる事にする。

愛と愛梨はこれからの活動を話し合う為、相田プロ本社の小会議室で話し合う。

憧れの愛梨と二人きり。

「愛の曲は私知ってるけど、愛は私の曲知ってる?…パート分けして…振り付けも変えてみる?…愛?」

愛の顔を覗き込む愛梨。

(あぁ…幸せ…愛梨が目の前にいる…あはぁ…?)

「は、はい!そうですね?…愛梨さんの曲は全部知ってます…。」

緊張する愛。

「そんなにかしこまらなくて良いよ…友達みたく話そう?…愛梨って呼んで…。」

愛梨は仲良しユニットにしたいと思っていた。

「そうだね…わかったよ…愛梨。」

徐々に打ち解けあっていく二人。

真剣な愛梨に触発されて愛も真剣に望む。

力の入っている大道はラヴィスをどんどん売り込む。

愛梨が隣にいる愛は、ネコかぶり正統派アイドルの顔を見せていた。

元々人気アイドルの素質をもっている二人は売れていく。

元々人気アイドルの素質がない春夏秋冬、春木結衣は嫉妬に駆られる。

(どうしてなの?どうして愛ばかり売れるの?悔しい…悔しい!なにかあいつを落とす方法はないかしら?…ふふ。)

愛の足を引っ張る事だけ考えてる結衣。

結衣は無い仕事そっちのけで愛を付け狙う。

ある日の事。

相田プロ本社から近くのボロいアパートに住んでいる愛は、動画の撮影が終わり歩いて帰っていた。

結衣は閲覧数の伸びない動画撮影をほったらかしにして、愛を尾行した。

近くのコンビニに入った愛。

結衣はこそこそしながらシャッターチャンスを狙っていた。

(成人雑誌を買いなさい…DVD付きを買うのよ愛!)

スマホを構える結衣。

愛は適当な小説とイチゴのデザートだけ買って帰った。

悔しがった結衣はさらに尾行して愛の住んでいるボロいアパートを見つける。

結衣はスマホをボロいアパートに向けた。

(このアパートを晒せば愛のファンは…)

禁断の技に足を踏み入れようとする結衣。

「なにをしている?」

カナ様が結衣の背後に現れる。

突然現れた黒いマント姿の恐ろしい目。

結衣は身体が震えて声が出なかった。

「愛を落とすなど無理な事…諦めるが良い。」

結衣のスマホをもぎ取り片手で握り壊すカナ様。

驚き固まる結衣。

「愛を不快にさせたくば愛梨と仲良くすることだ…だがお前は気づくであろう…虚しい事とな。」

カナ様は姿を消した。

(な…なんだったの…私のスマホが…ふふ…良いわよ…愛を不快にできるならやってやるわ!)

結衣は愛梨と仲良くしてみる事にした。

カナ様の気まぐれで結衣は救われたが、救いきれない奴もいる。

悪運尽きた彼もまた…カナ様の闇に吸いよせられてくるのだった。

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