第35話また…逢えたね…

新番組ラブプロの撮影の為、テレビ局の楽屋に来ていた愛。

その日の楽屋は、春夏秋冬と一緒だった。

「はい、あぁ、そうですか…いやぁ平間 愛と春夏秋冬の担当なんですよぉ…他に…」

大道マネージャーはスマホをもって楽屋を出た。

(ほんとにこいつら…)

愛は春夏秋冬に呆れかえる。

ぱちぃ!

「青短菅原。」

床上と夏 冬がお金を出しあって遊んでいる。

「あ~そろそろ飽きたぁ。」

寝っ転がる秋田苗田。

(どんな格好させようかしら?カメラに向かってお股開いてあげようかな?ふふ。)

愛を恥ずかしめて、ファンを引かせたい結衣。

こん、こん、こん、!

ガチャ!

「すいません愛さん、司会の打ち合わせちょっと良いですか?」

「あ、はい。」

番組スタッフに呼ばれ愛は楽屋を出た。

自由奔放な楽屋…。

こん、こん、こん、!ガチャ。

「すいません、ローションの量が足りなくて今買いにいってます…撮影おすので、弁当食べてください。」

スタッフが人数分のお弁当を置いていく。

豪華な幕の内弁当1つとやっすい海苔弁4個。

結衣は腹を立てる。

(愛が人気アイドルなんて間違ってるわ…結衣が一番なんだから…ふふ。)

幕の内弁当のふたをキレイに開ける結衣。

(結衣たちの昆布は全部愛にあ、げ、る…おかずはいただくわよ…カリ梅と昆布だけで白いご飯食べなさい!ふふ。)

「今日は豪華よ!早く食べましょ…ふふ。」

「いつもは塩おにぎりだけだから、わ~い!」

さっさと食べ終わる春夏秋冬。

楽屋に帰ってきた愛。

「なんか撮影おすらしいよぉ…あぁお腹すいた。」

(いただきまぁ~す…昆布だけ?)

(泣きなさい…愛…取り乱すのよ!…おかずが無いよぉって騒ぎなさい…撮影してあげるから…ふふ。)

スマホスタンバイの結衣。

「ヘルシー弁当ってやつか?まぁいいや。」

(ローション相撲楽しみだなぁ…むふふ。)

そっちに思考がいっている愛。

(なによ?なにも思わないの?信じられない。)

結衣は驚愕した。

ラブプロ面白企画本番撮影。

「はい、いきまーす!よーい…。」

「誰が一番絡みが良いの?…ヌルヌルローション相撲対決ぅ~!」

いえ~い!

司会進行水着姿の愛。

「はい、ルールを説明します…こちらのヌルヌルするローションをたぁ~ぷり身体にかけ、トーナメントで相撲をとりまぁす!いぇい!」

(むふふ。)

くじ引きで対戦相手を決める春夏秋冬と愛。

(愛…結衣にあたるまで負けないでよ…ふふ。)

「あら?すべるん…キャん…うりゃ!…ふふ。」

愛を投げ飛ばしたい一心で勝つ結衣。

(むふふ…たまらんこの企画…毎回お願いしようかな?)

スケベパワーで勝つ愛。

決勝戦は結衣と愛…。

(愛…おもいっきり投げとばしてカメラに向かって股ひらいてあげるわ…ふふ。)

「あら?いやだん…すべるすべるん。」

ギラギラしている結衣。

(むふふ…この娘はどんなお身体してるんだろぉ?)

「それじゃいくよぉ…はっけよい。」

中身は痴漢な女。

「あん…きゃん…いやん…つかめないん…おりゃ!」

おもいきり愛を投げ飛ばす結衣。

「やったぁ…優勝だぁ…ふふ。」

(あらあら…自分で大股ひらいちゃって恥ずかしいわ…ファンも引いちゃうわね…ふふ。)

(た、楽しかった…女になって良かった…。)

感触をしっかり記憶に焼きつけてる愛。

愛は起き上がり司会進行をする。

カンペを見る愛。

「は~い…優勝は結衣ちゃんでぇ~す…?それでは結衣ちゃん…誰に言わせますか?…なにこれ?」

書き書きするスタッフ…。

罰ゲーム、定番。

カメラに向かってセクシーなセリフアンドポーズ。

早く!巻き巻き。

「愛ちゃんよろしく…ふふ。」

(恥ずかしいでしょ愛?うちのリーダーは余裕よ。)

カメラに向かって流し目…。

「あん…凄い…私の…ピー…がもうピーなの…ピーで…ピーまで、ピーてピー!」

連発する愛。

(ノリノリで言うな!ちくしょー!)

悔しがる結衣。

「はい!オッケー!」

番組の撮影が終わった愛は、大道マネージャーの車に乗る。

ただボロいアパートに帰ろうとしていた愛に嬉しい知らせが来た。

「愛梨がライブハウスでライブやるぞ!…激励しにいくか?…憧れてたんだろ?」

大道は約束通り池内に連絡していた。

愛は二つ返事で大道とライブハウスへ向かう。

愛梨に逢える喜びと同時にくるあの日の後悔。

大好きな人を目の前にする緊張感。

(愛梨…また逢えたね…あぁ可愛い…。)

加藤愛梨はライブハウスの控え室で衣装を着て待機していた。

「あぁ!愛さん!初めまして加藤愛梨です…いつも見てますよ、凄かったね!あの振り回し…。」

(あの振り回し…ヤバい。)

「は、初めましてぇ~平間 愛ですぅ~、あれとかあれなんか脚本家の指示だったのぉ~はは…。」

人のせいにする愛。

「愛さんに逢えて嬉しい…良かったらステージに上がっていかない?」

自分には絶対あり得ない魅力を感じていた愛梨は愛の事が大好きだった。

「おぉ!良いんじゃないか…この後の仕事は無いし、俺の車に愛のCDあったはずだな…。」

大道はある可能性が頭によぎった。

急きょ愛梨のステージに出演する事になった愛。

小さなライブハウスに少ない客…それでも愛梨は手を抜く事なく、幸せそうに歌って踊る…。

誰かが必ず応援してくれている…いつまでも大好きの言葉を信じて這い上がって来た愛梨。

ステージ袖で愛はあの日の事を思いだす。

冷たい言葉を愛梨に突き刺してしまった…。

本当は憧れの愛梨と仲良くしたかった…。

もう後悔したくない。

愛梨の笑顔をもっとみていたい…。


ステージに呼ばれた愛は、精一杯の笑顔とパフォーマンスで盛り上げた。

愛と愛梨のステージに立つ姿を見ていた大道…。

(この二人…組んだら…売れる!)

大道の感がまた働いた。

ライブが終わり、控え室に戻って来た愛と愛梨。

「ありがとう愛さん…楽しかった。」

笑顔で振る舞う愛の心に沸き上がってくるせつなさ。

(愛梨ともっと一緒にいたい…離れたくない…。)

「あのさ?ステージ見てて思ったんだけど、二人組んでみないか?」

大道マネージャーが愛と愛梨を見ながら言った…。

大暴れしたあげく好き勝手に物を破壊してきた天真爛漫な愛の姿に元気をもらい、頑張らせてくれたある意味心惹かれている愛梨は喜ぶ。

愛梨、愛梨と散々言っていたくせに本能剥き出しで女の姿を良い事にベタベタベタベタ他の娘をスケベ心全開で触りまくって、ほんとに一途なのこいつ?と思われがちな事ばかりやる変態になりさがってしまったが、心の底から愛梨の事が大好きな愛。

「今日は憧れの人に逢えたって事で…ユニット名は、ラヴィスってのはどうだ?ラヴィスの愛と愛梨…。」

後日、大道マネージャーは自分の感とセンスを信じて会社にごり押しで認めさせる。

愛梨のマネージャーは池内から大道になった。

こうして愛と愛梨のアイドルユニット…ラヴィスが誕生した。

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