第32話覚醒ひろし…対決…魔道三人衆

一目散に逃げるひろしの目の前にそびえ立つ崖…。

行き止まりだった。

「ちくしょ!」

ひろしは道や洞窟がないか必死に探す。

「なんだこれ?扉か!」

不思議にも崖に作られていた扉。

ひろしは引いたり押したりしてみる。

だが、微動だにしない扉。

「開けよこの!開けぇ!」

逃げたい一心のひろしは、開かない事に腹を立て、扉を叩いていた。

その時手に丸い穴のような感触が伝わってくる。

ひろしは扉をよ~く見てみた。

(メダルが入りそうな穴だな?まさかなぁ…)

ひろしが思っていたその時。

「キャー!」

掴んでいたゴリラをふっ飛ばした赤おびキードがテレポートをして、ひろしに襲いかかる。

気づいた時には真後ろにいる赤おびキード、ひろしは一瞬の事で身体は動かない、絶体絶命のひろし。

「おわぁー!」

ガキン!

間一髪アリオカが手刀で赤おびキードの金棒を防いだ。

その時ひろしは赤おびキードのおびにぶら下がるメダルを見つけた。

ひろしはとっさにそのメダルを取る。

逃げたい思いでメダルを穴に入れ扉を開けた。

「な、なんだよ…行き止まりかよ!」

扉の先はすぐに壁だった、逃げ道が無い事に絶望したひろしはうつむいてしまう。

(なんだこれ?)

足元に赤く光る薬ビンが転がっていた。

「ぐわぁー!」

赤おびのキードと戦っていたアリオカが金棒をくらいふっ飛ばされた。

赤おびキードはひろしを見る。

「ちくしょー!もうどうにでもなれー!」

ひろしは薬ビンを拾いグピグピ飲みほした。

「キャー!」

金棒を振り上げ、ひろしに襲いかかる赤おびキード。

ひろしの身体から赤い炎が燃えあがる。

無意識に構えたひろし。

「紅蓮!」

赤い炎をまとった拳を赤おびキードに向ける。

炎は赤おびキードに向かって飛んでいく。

「ギャー!」

紅蓮の炎は、赤おびキードを焼き尽くした。

戸惑うひろしに沸き上がる力。

(今のは術?凄い…凄いぞ!)

「やったぞー!俺も術使いだ!」

アリオカは起き上がり、ゴリラも駆け付けた。

「やったなひろし!キードを倒した!」

「うっほぉ~!」

三人で喜びあっている時、ひろしの心の中で優しく暖かな声が聞こえる。

(さぁ…ひろしさん、魔の道へお行きなさい…あなたの愛している女性はきっとその先にいるはずです…私がご案内します。)

「わかりました…アリオカさん、ゴリラさん…魔の道へ行こう!」

ひろしはその優しい声を疑わなかった。

聖女アイリを助けたい三人は魔の道へと向かう。

「魔の道ってだけの事はあるな…紅蓮!」

死者達が行く手を阻む、三人は戦いながら進んで行く。

「気をつけろ!下に落ちたらアウトだ!」

死者が阻むだけではなく、とても険しい道を歩くひろし達。

死者達を倒し、現れなくなって少しほっとしていた三人。

ひろしは気づいた、進む先に三人の影が待ち構えている。

「誰だ!おまえら!」

ひろしは叫び、そして構えた。

「よくここまできたな。」

「あ~腹が鳴る。」

「てめえらはここで終わりだ!」

ハッ!

シャー!

「魔道三人衆…闇の引っ掻きハルカ!」

パクパクパクパク…。

「魔道三人衆…闇の食べ盛りエミコ!」

ぴっし~!「あ~ん。」

「魔道三人衆…闇のドSヒナタ!」

自己紹介してくれたので誰かわかったひろし。

「魔道三人衆!アイリはどこだ!」

カナ様みたいな変態の格好をしている魔道三人衆と変態一人。

闇のドSヒナタは、手足を縛られ首に鎖をつながれた専用武器…ドMよしつきにむちを打つ。

ぴっしぃ!「あ~ん。」

「アイリ?あの聖女の事か、あいつなら今ごろカナエル様に可愛いがってもらっているわ!このようになぁ。」

首の鎖を持ち、よしつきを振り回す。

グルングルン!「あ~ん。」

ツボに入ったひろし…。

「なん…だ…て…そ、それ…ぷ…くく…ダイドウ老師をよくも!」

闇の引っ掻きハルカは自分の爪を鋭く伸ばす。

「あの老いぼれはイケメンじゃないから引っ掻き回してやったわ!」

闇の食べ盛りエミコが大きく口をあける。

「腹が減った…おまえらを喰ってやる!」

魔道三人衆がひろし達に襲いかかる。

闇の引っ掻きハルカはアリオカに襲いかかった。

「刻んでやるわ!魔道引っ掻きキズ!」

シャー!

応戦するアリオカ…。

「手刀奥義…乱れ音符!」

ファ

ミー!

闇のハルカはバラバラの音符になった。

闇の食べ盛りエミコはゴリラに襲いかかる。

「魔道早食い!」

パクパクパクパク…。

応戦するゴリラ。

「マッチョ奥義…鋼鉄のうほぉ!」

ガキン!

ガリガリガリガリ…。

かじりついた闇のエミコの歯がなくなる。

「な、なにも食べれない…ガク。」

ショックで息絶えた。

闇のドSヒナタはひろしに襲いかかる。

「くらえ!魔道ドMよしつきアタッーク!」

グルングルン!「あ~ん。」

構えるひろし。

「燃え尽きろ!紅蓮!」

紅蓮の炎がドSとドMに飛んでいく。

「あちちちち!」

「あ~んもっと~。」

燃え尽きた変態二人。

魔道三人衆を倒したひろし達。

「よわ…。」

「やったなぁ!」

「うほぉ!」

(さぁ…行きましょう…カナエルを倒しに…。)

「わかりました…必ず助けてやるからな!アイリ!」

ひろし達はカナエルの館へ向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る