第27話愛の迷走

数日後…。

愛と大道は歌番組のプロデューサーに会いに来ていた。

テレビ局内の仕事場は、皆さん忙しそうにしている。

大道はプロデューサーに挨拶をした。

その後愛を紹介し、そこら辺の空いてるイスを持ってきて座り、デスクに向かっている肩に小豆色のカーディガンを掛けたバーコード小太りプロデューサーと話し始める…。

バーコード小太りは、見た目通り女好きのド変態だった。

可愛い愛を舐めまわすように見ていたバーコード…。

「いやいや大道さん、私も忙しくて手が離せなくて…こんな所ですいませんなぁ…。」

忙しいバーコードはカタカタパソコンでそりてあをしながら愛のスカートの中をチラチラ見ようとする。

目線に気づいた愛…。

「あのぉ…今度の歌番組に私を出演させてもらえませんか?」

(見えそうで見えない感じ…ぷぷ。)

ジラされるバーコード…。

(あ!もうちょい…あぁおしい。)

「そうだねぇ…あと少し、あぁ違う…良いよ、出演してみるかい?確かいらない奴が居たはず…。」

バーコードはパソコン画面の出演者予定表を見る…。

「あっ、やっぱりな…いらないんだよDJペペロンなんてニンニク臭い奴…たいしたスポンサーでもないから切るわ!代わりに愛ちゃん入れるね!相田プロさんと仲良くしてたほうがよっぽど良いからさ。」

DJペペロンはセカンドシングル…ミートソースに恋をしてを宣伝する予定だった。

愛はチラチラサービスしながら質問をする。

「他の出演者は、見せてもらえないですか?」

バーコードは出演者予定表をプリントして愛に渡した。

愛はそれを見て肩を落とした…。

(アイリはいないかぁ、残念…)

だが愛はひらめく…。

(出演者は…星空明子、ゲイたっしゃ、チンドンヤーズ、ジョソークラブ、ペペロン…は俺になったと…ん?…コラボしたら名前は売れるけど人気はでなさそうだ!…頼みに行くか。)

愛は股をしっかり閉じて大道に質問する…。

「ねぇ?大道さん、チンドンヤーズに挨拶に行かない?今度共演するみたいだよ…会いたいなぁ。」

大道は腕を組んで唸っている。

(あれのファンなのか?まいったな…別に本番前でも良いだろ。)

「愛…わざわざ行く事では…」

バーコードが遮る。

「あぁ、確かチンドンヤーズ別番で来てるよ、会いにいったら?」

(愛ちゃん!良い事言ったでしょ?ご褒美下さい。)

愛は立ち上がり…スカートを掴んでチラっと…

「そ、それじゃあ行ってみるか?どうもありがとうございました!愛!いくぞ!」

大道は愛の手をひっぱりその場を去った…。

愛と大道はチンドンヤーズの楽屋を探す…。

大道が楽屋を見つけた。

「愛…色仕掛けは辞めようね。」

アホ見たいな返事をする愛…。

「はぁ~い。」

呆れながら大道は楽屋の扉をノックした。

真夜中の当たり舞台という歌番組の収録に来ていたチンドンヤーズは楽屋で出番を待っていた。

大道が挨拶をする。

「失礼します…今度共演させて頂く…」

(こいつら怖い。)

大道がお堅い挨拶をして愛を紹介する。

愛は軽~く挨拶した。

「愛でぇ~す!いぇ~い!」

固まるチンドンヤーズ…。

汚い茶色逆立て頭のボーカル…チンが空気を壊す。

「おぉ!可愛いじゃねぇか!アイドルちゃんがどうしたよ?…わざわざ挨拶か?くぅ…泣かせるねぇ!」

青いモシャモシャ髪のベース…ヤーがタバコを吹かしながらデカイ声で独り言…。

「マジもんはやっぱ良いなぁー!良い匂いもしてくるしよ!かぁわいっ!」

女形の不細工ギター…ズゥがハンカチを噛む…。

「ヒドイわ…それってやっぱり本物が良いってことでしょ?どこが良いのよ…こんなアバズレ女!不潔よ!」

ボウズ頭のグラサンドラム…リーダーのドンが慰める…。

「世界で一番はお前だよ?この娘はエスランクなだけさ!お前はゼットランクだよ。」

ズゥは勝ち誇った顔で愛を見る…。

「エスランクちゃん、そういうことよ?メンバーに手ぇだそうとしても無駄よ?」

愛は苦笑いをするしかない…。

(なに一人で勘違いしてるんだ?この不細工な人…アバズレ女って…俺…男なんだよね…ごめんねオカマさん。)

「あ、あの~もし良かったら私とその~コラボなんてぇ~しませんか?」

突然の言葉に大道は驚きあごが外れた…。

しゃべれない大道…。

どんどん話しが進んで行く。

チンは愛を気に入る。

「良いセンスしてるじゃねぇか!俺達を選ぶとは気に入った!みんなやんねぇか?」

ヤーは声がデカイチェインスモーカー…。

「俺は別に良いよ…こんな、きゃわいぃー!女の娘は大歓迎ぃ!」

勘違いのズゥ…。

「あら?私と一緒で良いのかしら?あなたの不潔が目立っちゃうわよ?」

ドンはクレイジーが好き…。

「俺達の事は知ってんだよな?…それでもってんならやるか。」

愛とチンドンヤーズのコラボが決まった…。

あごが外れた大道は反対する事ができず、さらに愛のごり押しに負けてしまう…。

チンドンヤーズに連絡先を聞いた愛は大道をアッシー君にして、有岡の所へ連れて行かせる。

有岡からデビュー曲…激しくミツメテの楽譜をゴロニャンしてもらう愛…。

チンドンヤーズに楽譜を渡して練習してもらった。

急きょの差し替えの愛は、数日後に歌番組の本番を迎える。

大道マネージャーは呆れかえって愛の暴走は止められなかった…。

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