魔道師カナと同棲生活
第22話我は大魔道師カナ・エール…
あれから多分2ヶ月くらい…。
アイリのグッズをまた集める為…ひろしは母にお小遣いをせびりまくり、怒られてはアイリのグッズを買い漁っていた。
…
ある程度そろい、ひろしは自分の部屋で大好きなアイリをいつも眺める。
…
アイリのライブ映像をヘッドホンでガンガン聴きパソコン画面に夢中になるひろし。
…
画面の中のアイリがウインクをする…。
…
(あぁ可愛いなぁ…アイリ…アイリ…身体細かったぁ…むふふ…アイリ…アイリぃ!)
アイリに抱きついた事を思い出しては感触を忘れないようにしていた。
…
…
「我は大道師カナ・エール…お前のそばに居てやろう。」
…
…
ひろしは聞こえない…。
…
カナ・エールは、そこに飾ってあった観賞用のアイリのCDをおもいっきりひろしの後頭部目掛けて投げつける…。
…
パッコぉ~ん!
…
突然後頭部に衝撃を受けたひろしは驚きイスごとぶっ倒れた。
…
バッタアーン!
…
ヘッドホンが耳から外れ…腰を強打して立てない…。
そして…目の前にカナ・エールが居る…。
「痛たたたぁ…あっ!観賞用のCDが…あ~あっ!なんて事するんだよまったく…痛てて…なにしにきたんですか?」
…
イライラするカナ・エール…。
(同じ事言わすな!)
「ちっ!…お前のそばに居てやろう。」
…
ひろしは大切なアイリのCDを拾い抱きしめる…。
「大丈夫?アイリぃ痛かったね…はぁ?…いやいいです遠慮しときます、関わりたくないです、早く帰ってください…さようなら。」
(誰が一緒に居たいんだよ…あんたに関わるのはほんとにもう絶対嫌だね!ばかじゃないの。)
…
…
ぷちっ!
…
「きさまぁ!…なんだその態度わぁぁ!」
カナ・エールは着ていた黒マントを脱ぎ…。
おもいきりひろしに投げつける。
…
バサッ!
…
顔にくらったひろし…黒マントは消え…
カナ・エールの正体が表れる。
ひろしは目を疑いまじまじと見て叫んだ…。
「お、お前…女だったのか!…はぁぁ~…てっきり男だと思ってた…。」
…
黒いセミロング…恐ろしい目に…真っ赤なくちびる…
どこかで鞭を持ち…女王さまとお呼び!みたいな格好…
多分…人間でいうと二十歳よりちょっと上?…のカナ・エール。
「だぁれがいつ男だと言ったぁぁ?…我は女だ!」
…
ひろしは腰が痛くて立てないまま、あごに手をあて思う…。
(てっきり男だと思ってた…そりゃそうだよな、こいつ自分のこと我とか言うし、目は怖いし、声はなんか低いし…あ!だから、きもとか臭いとか言ってきたんだなこいつ…なにが女だ!だよ…胸なんか全然ないじゃん…ぷっ…本当に女か?…実はおっさんだったりして…ぷぷっ。)
…
…
ぶちっ!
…
「全部聞こえてるぞ…お前……我は心の声を聞く事ができる。」
…
カナ・エールは全ての人々の心の声を聞くことができる魔道師だった…。
…
さらにひろしは思う…。
(そんな心の声なんか聞こえる奴と一緒に居れる訳ないだろ!…本当にばかなんじゃないの?この変態魔道師女…絶対帰ってもらお。)
…
カナ・エールはワナワナしながら呆れた…。
(たった今、聞こえると教えたばかりだろ!ばかはおまえだ…仕方ない、ちょっと脅かすか。)
…
カナ・エールは恐怖のオーラを放つ…。
…
急に恐ろしくなるひろし…。
(この感じ…まずい…消されてしまう。)
「わわわ、わかりました。」
…
カナ・エールはオーラを消した…。
「我のことはカナ様と呼べ。」
…
いきなりまた現れひろしの部屋に住みついたカナ・エール。
ひろしはどうなってしまうのだろうか…。
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