第7話アイドルへの旅立ち

契約を済まし、相田プロ支社を後にする愛と母…。

「愛ちゃん…せっかくだから何か食べて帰ろうか?」

愛は少し考え食べたい物を思い付く。

「お寿司たべたいな。」

母は笑顔で愛を見ながら賛成する。

「お寿司かぁ…良いね!回転寿司行こう。」

二人はとなり街にある、回転寿司屋に向かった。

「いらっしゃいませー!カウンター席で宜しいですか?」

愛と母はカウンター席に座った。

回転レーンの上を寿司は流れて行く。

レーンを挟んだ向かえの店員に愛は注文をする。

(なに食べようかな?)

「すいません…サーモンとマグロ下さい。」

店員はマイクで厨房に伝える。

「サーモンいっちょー、マグロいっちょでぇー。」

スピーカーから聞こえる厨房の声…。

「あいよ!」

厨房からサーモンとマグロがカウンター席内側に流れてくる。

店員は手に取り愛に渡す。

「サーモンと、マグロ!」

愛は受け取り、食べる。

「あぁ…美味しい。」

(次はなににしようかな?)

メニューを見る愛。

(カニみそ軍艦?)

「すいませんカニみそ下さい。」

店員はマイクで伝える。

「カニみそいっちょでー。」

カニみそ軍艦を待つ愛。

母は自分で注文した寿司をつまみながら愛に話しかける。

「ねぇ?スポーツウェアとか前に買った記憶あるんだけど…帰ったらクローゼットの中確認しないとね。」

愛はふと思った。

(道しるべ…こうなる事はお見通しでもう用意されてるって事か…。)

「そうだね…たぶんあると思う。」

(カニみそまだかな?)

「すいません…カニみそ来ていないんですけど…?」

店員は申し訳なさそうな顔をする。

「あら?来てないですか?」

マイクで伝える。

「カニみそいっちょでー。」

厨房から流れてくるカニみそ…。

愛はカニみそがカウンター席内側に流れてきたのを確認した。

(あ!カニみそだよな…え?…なにしてんの?)

店員は手に取りカウンターの回転レーンに置く。

流れるカニみそ軍艦…。

(あれ?違ったのかな?)

(全然こない…。)

「すいません…カニみそは?」

驚いた顔をしている店員。

「あれ?まだきてないですか?」

店員は厨房に行った…。

直接カニみそ軍艦を持ってくる店員。

「すいません…お待たせしました。」

待ちに待ったカニみそ軍艦を食べる愛…。

(あんまり…。)

愛はカニみそを注文する事は…もう辞めた。

満足した愛と母は、お会計をして回転寿司屋を後にする。

「ありがとうございました。」

その後、愛と母はタクシーと電車に乗り何事もなく帰宅した。

部屋のクローゼットの中を確認する愛と母。

レッスンに必要な物は揃っていた。

(やっぱりあったか…消されないように頑張るしかないな。)

愛は改めてアイドルになる事を決意する。

そして次の日の朝…。

愛は学校に行く用意をして玄関で母に挨拶をする。

「いってきまーす。」

玄関から出ようとしている愛に母は声をかける。

「愛ちゃん、明日からレッスン始まるんだから、今日は真っ直ぐ帰ってきなさいよ…気をつけてね。」

愛は返事をして玄関を出る。

「わかってるよ、それじゃあね。」

学校へ向かう愛。

学校では、クラスメイトのあの三人が愛の席を囲む。

はるかは興奮しながら愛に話しかけてくる。

「聞いたよ愛、良いなぁ…有名になったらかずくんと共演できるじゃん、私に紹介してよ。」

話しが進み過ぎのはるか…。

(本当お前はしつこい!かずくんって知らないし…。)

「会えないんじゃないかな。」

次はえみこ…。

「腹減った…。」

呆れる愛。

(お前はそれしかないのか。)

ひなたは怒りながら愛に愚痴る。

「聞いてよ愛、よしつきったらゲームばっかり…あいつをおもいっきり叩きつけてやったわ!…あ?いつから始まるの?アイドルの仕事。」

ひなたにひく愛。

(気性荒い女…。)

「し、仕事はまだだよ…明日からレッスンなんだ…。」

(なんかめんどくさい。)

三人からいろいろ質問や話しをされる愛は、

適当に合わせて過ごしていた。

学校が終わり真っ直ぐ帰宅する愛。

スポーツバッグに着替えや汗をふくタオルなどを用意する。

(よし…あとは場所を確認してと…。)

パソコンで本社の位置を確認し、地図をプリントアウトする。

(あとは電車の時間か。)

特急列車がちょうど良い時間にあった。

(準備完了だな…どんなレッスンが待ってるんだろう…。)

愛は不安に襲われながら過ごし、明日に備え早めに就寝した。

次の日…。

いつもの様に学校に行く準備をする愛。

手には学校カバン、肩にスポーツバッグをかける。

学校から帰宅せず、真っ直ぐレッスンを受けに行く。

母に挨拶をして、愛は学校へ向かう。

相変わらず学校では三人が集まってくるが、適当にやり過ごした。

学校が終わった愛は特急列車に乗り、駅の売店で買ったおにぎりを夕食として食べた。

都内の駅に着いた愛は、人の波に驚き、戸惑いながら

地図を片手に相田プロ本社を目指す。

駅から歩いて行ける距離に本社はあった。

支社よりも大きくて立派な建物…。

本社内にレッスンスタジオがある。

愛は本社に入り、受付の女性に声をかける…。

「あのすいません…平間 愛なんですが…。」

愛が支社から来る事を聞いていた受付の女性。

「はい、聞いてますよ私が案内しますね。」

受付の女性の笑顔に愛は安堵した。

「よろしくお願いします。」

受付の女性に付いて歩く愛。

エレベーターに乗り2階に行く。

まず更衣室を案内された。

「着替えて良いですよ…空いてるロッカー使って下さい。」

愛は急いでスポーツウェアに着替える。

そして、

レッスンスタジオの扉の前に案内される愛。

「頑張って下さいね。」

そう言って受付の女性は去って行った。

(ドキドキしてきた…よし!)

レッスンスタジオの扉を開ける愛…。

そこには鬼の女が待っていた…。

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