9/9 Fri. 毒を食らわば皿が載ったテーブルまで
昨日の放課後は想定通りに教師からの呼び出しを受けた。
まあ、教頭だったけどね。生徒指導室に監禁されてお茶を出されたわ。自分が担当になれば色々と融通が利くって話だったから、せっかくだしってことで上条先輩も呼び出して貰った。いじめをするって学校中に公言しちゃってたからさ。
その上条先輩は生徒指導室で向かい合う俺らを見るなり、
「プール掃除の口止め料でも相談しているのかな?」
教頭が即座に白旗をあげた。その成果って訳じゃないけど、反省文を提出するだけで済みそうだ。いじめを解決したのに反省っていうのは釈然としないけどね。
俺はその生徒指導室に今日もいる。昼休みが始まってもう40分くらい。俺を呼び出した教頭の姿はない。てかここに来てもいない。
今日の昼メシはもう部室で済ましてきた。料理研究会の4人で、宿理先輩の放送演説を聞きながらね。男子と違って女子の副会長の立候補は宿理先輩しかいないから当確なんだけど。聞いたよーって言わないと怒ってくるから聞いといた。
男子は玉城先輩になりそうな気配があるけど、上条先輩はそこんとこどうなんだろね。冷静にやれるのかね。可愛さ余ってパワハラ百倍とかしないかね。
「失礼します」
ガラガラっとドアをスライドさせて入ってきた人物は、俺の姿を見て動きをぴたりと止めた。ワンカールセミロングの、目鼻立ちの通った女子だ。アヒル口に強烈な嫌悪感を抱く俺は一目でイラっとしちゃったが、
「どうぞ」
平静を装いながら牧野に入室を促した。
牧野はこっちを見たままドアを閉め、
「なんで碓氷くんがいるの?」
「呼び出したのが俺だから」
「……教頭先生の呼び出しって担任から聞いてるんだけど」
「こういう問題は大人が出張るより生徒間で解決させる方が望ましいってさ」
翻訳すると、めんどいからそっちでやって。
いくら望ましくても監督役は必要だと思うけど、偉い人がそう決めちゃったんだから仕方ない。
「そうなんだ」
牧野は心なしか嬉しそうに俺の正面まで来た。
「昨日の最後の言葉だけど」
そう切り出しながら席に座って、
「嬉しかった」
しょっぱなから狂気を感じるね。
「小学校のときのこと。憶えてくれてるんだって思って」
右脳女子のポジティブさって凄いわ。見習いたいくらいだ。
「先月まで完全に忘れてたけどな」
慣れ合う気はない。こいつを傷付けることに躊躇はしない。
「牧野がこの学校にいるって知ったのも今週に入ってからだし」
お前に対する興味はゼロですよってしっかりと伝えておく。
「あたしは親友のクラスより先に碓氷くんが8組ってことを調べちゃったなぁ」
ぞわっとした。
「だから毎日8組の友達に会いに行ってるんだけど」
しかもストーカーだった。
「1回も見た憶えがないけどな」
「だって碓氷くんって休憩中にいつもスマホをいじってるから」
牧野はくすくすと笑い、
「最近は教室でお話できる友達も増えたみたいだけど」
あっ、これ本当にダメなやつだ。鳥肌が立ってきたし。
「碓氷くんって大きな子が好きなの?」
川辺さんとのことも把握してるのか。
参ったね。いつもはこっちが探る側だからどうしても後手に回る。俺のことを調べようとするやつなんか今までいなかったもんな。
「そうだな。俺は巨乳好きだよ」
ひとまず牽制を入れとこう。嘘じゃないしな。本当でもないけど。
「じゃあがんばってみよっかな」
あれ。今のってなんか聞いたことがあるような。
『カドくんってお姉ちゃんと会うと最初におっぱいを見るよね』
『……そんなことないと思うけど』
『そんなことあるよ。大きなおっぱい好きなの?』
『……男子はみんなそうなのかもね。俺は違うけど。油野は好きって言ってた』
『そうなんだ。じゃあがんばってみようかな』
ああ、優姫を修羅の道に追いやった犯人って実は俺だったのか。しかも小賢しく油野をスケープゴートにしようとして失敗してるくせえ。
「とりあえず今は雑談の時間じゃないってことを理解して欲しいね」
とにかく仕切り直しだ。
「せっかくのお昼休みだもんね。内炭さんとのランチは楽しかった?」
なんであんなモブのことまで知ってんだよ。昨日の一件で調べたのか? 学校だと部活以外で接点なんかないし。
うわっ。嫌な想像をしちゃったわ。昼休みの部室に入った直後、すぐに廊下に出たらこいつがいるって場面。ホラーだよ。
「あたしも料理研究会に入っていい?」
「俺に聞く必要なんかないだろ。部活動の参加は自由だしな」
入ってきたら出てくけど。
「辞めないでね?」
「参加は自由って言ったよな」
「いじわるだね」
「意地が悪いのはそっちも同じだろ」
「碓氷くんと一緒だなんて嬉しいな」
やばい。上条先輩を呼びたい。文字通りの意味で話にならん。
「碓氷くんって昔から変わらないよね」
「雑談の時間じゃないって言ってんだろ」
「そういうとこだよ。男子はみんなあたしに媚びてくるのに。碓氷くんだけは違うんだよね。10年後の同窓会で『学生時代で可愛かった女子』って話題になって、みんながあたしの名前を出したとしても、碓氷くんだけは『誰それ』って言うでしょ?」
言うね。間違いなく言うね。こいつを忘れるのに10年も要らないね。
「だからね。あたしは碓氷くんに固執しちゃうの。絶対に振り向かせてやるって」
普通に恐い。けどそれって論理的に考えると、
「じゃあ望み通りに振り向いたら興味を失ってくれる訳か」
一考する余地があるかもしれんな。
「振り向いてくれたら付き合うことになるから、もっと興味を持っちゃうかな」
どうしたらいいんや。今ほどストーカー規制法の重要性を理解したことはないぞ。
「油野も牧野に興味を持ってないと思うけど、あいつじゃダメなのかよ」
油野圭介スケープゴート作戦第二弾。
「油野とあたしで釣り合うと思う? そもそも水谷と付き合ってんじゃん」
身の程は弁えてる模様。それを言うならさ。
「牧野と俺も釣り合ってないって自分で言ってたよな」
「あのコスプレ。超かっこよかった。クラスの女子もかっこいいって言ってたよ。あれなら誰もケチを付けないって」
「アホか。あんなのは本来の俺じゃない。詐欺みたいなもんだろ」
「そんなことを言ったら女子高生なんてみんな詐欺師になるけど?」
「水谷さんと上条先輩はすっぴんでも普通に美少女ですが?」
露骨に機嫌を悪くした。否定するのが困難だからね。
「てか俺って告白してもないのに昨日ふられた気がするんだけど」
「……あんなの。その場しのぎの言い訳に決まってるでしょ?」
「けど言ったのも事実だ。釣り合わないってのもな。発言には責任を持とうぜ」
俺の雉さんアタックで牧野がやっと大人しくなった。って思ったのに、
「あたしは碓氷くんのことが好き」
蕩けた瞳で言ってくる。正直、嫌悪感しかない。
「小4の頃からずっと好き。ずっと見てた。この気持ちが色褪せることなんてない」
牧野は微笑み、
「今の発言にも責任を持つね?」
上条先輩とは別ベクトルで厄介だな。上条先輩には何を言っても論破されるけど、こいつには何を言ってもポジティブな方面に変換されてしまう。
「もういいわ。好きにしろ」
「うん。好きになってるよ?」
おいおい。こんな短文でもダメなのかよ。もっと現国の勉強をしてくれよ。
「ところで碓氷くんは誰のことが好きなの?」
「少なくとも牧野じゃない」
「知ってるー」
うぜえ。もういっそのことヅッキーって言っちゃおうかな。巨乳だし、誰のことか分からんと思うし。分からんよな?
やめよ。万が一がある。あんなのでも迷惑を掛けたら可哀想だし。とにかくだ。
「本題に入らせて欲しいんだけど」
「相山のこと?」
「相山さん」
「はいはい、相山さんね。碓氷くんがそうして欲しいならそうする」
さいですか。
「一応は昨日の間に加害者全員が謝罪したことを確認した。謝らなくていいやつまで謝ったみたいだからまた羊飼いの仕業かなって思ってんだけどね」
「あたしと安藤くんの指示だね」
「あっさりと認めるんだな。そんな形だけの謝罪で納得すると思ってんの?」
「碓氷くんだって謝罪の強要をしてたじゃん。人のことを言えないでしょ」
「被害者サイドがやるのと加害者サイドがやるのじゃ意味が全然違うだろ」
「それを言うなら被害者と加害者だよね。サイドって都合よく付け加えて自分の正当性を主張しようとするのは卑怯じゃない?」
こいつ。昨日はテンパってたってだけで実は左脳もちゃんと使えるのか?
「優姫がそのことを相談してきたんだから名実ともに俺は被害者サイドな訳だが?」
「あたしの前であの子のことを下の名前で呼ぶのはやめて」
「話を変えるな」
「ならもうしゃべらない」
うぜえな。
「じゃあ上条先輩と交代するわ」
「……それはやだ」
見事に苦手意識を植え付けたみたいだね。本当に嫌そうな顔をしてる。
「じゃあどうすればいいの? たぶん、みんな悪いと思ってないよ?」
「まじかよ」
声に出た。悪口を悪いことだと思わないって意味が分からんのだけど。
「残念ながらまじだよ。訴えられたくないから仕方なく謝るって感じだったもん」
教育って教えて育むって書くけど。本当に育むって大変なんだな。
「碓氷くんは自分を大人っぽいって思ったことない?」
「ないな。コーヒーは半分近くミルクを入れないと飲めんし、寿司はワサビが入ってると食えんし、ブロッコリーとプチトマトはこの世から消えろって思ってるし」
「味覚の話じゃなくて。物事の感じ方とか。そういうの」
「ないな。俺はまだまだガキだ。ものの道理ってのを分かってない」
向こう見ずなとこが多々あるからな。大人ならもっとリスク管理をやる。
「そういうとこ。自分を子供って自覚してる子って少ないんじゃない?」
「15だか16だかで大人だと思ってるやつの方が少ないだろ」
「そうだけど、そうじゃなくて。ほら、あたしらの年って子供扱いをされると怒ったりするでしょ? 碓氷くんの知り合いで言うなら、天野とか」
本当に。どこまで調べてんだろな。
「天野さんなら怒るかもね」
「それって自覚が足りないからだと思わない?」
「その可能性もあるけど、天野さんの場合は大人っぽいことに憧れがあるからその逆の判定を食らうとイラっとするんだろ。それに年って努力じゃどうにもならんし、そんな要素にケチを付けられたら逆ギレの1つもしたくなるんじゃね」
「そういうもの?」
「昨日、水谷さんに胸囲の指摘をされた時にどう思ったよ」
「……お前に言われたくねーよ」
「だろ? 自覚があっても怒れるだろ?」
「……そこはおいといて」
都合の良いMCですこと。
「碓氷くんは子供なのに子供扱いされても怒らないよね」
「子供だからな」
「けど怒る人もいるっていうのも分かるよね」
「大人ぶった子供は怒るんじゃね」
「それだ。碓氷くんはどっちかって言うと子供っぽい大人って感じがするの」
そのカテゴリで真っ先に思い浮かんだのがヅッキーなんだけど。不名誉すぎだろ。
「まあいいや。それで?」
「ウチのクラスはさっき碓氷くんが言ってた大人ぶった子供ばっかなのね。だから碓氷くんが思う『普通』っていうのが通用しないの。同い年だからって自分と同じ思考力を求めたらダメだよ」
あぁ。これもウィロビーさんの言う『できる者の傲慢』ってやつか。
「けどそういう大人ぶったやつって少しでも上から目線の態度を取ると怒るじゃん」
「そうだね。だからバカをバカにするのは心の中でだけにするの」
「優姫を公然とバカにしてたやつの言うことじゃねえな」
「……ねぇ。名前で呼ぶのやめてくれない? テンションが下がるんだけど」
「下がって結構。俺は困らん」
「……本当に。もう。碓氷くんは。だから好き」
よし。もうこいつのことは呪われた装備だとでも思おう。
「要するに、2組の連中は俺みたいに大人じゃないからどうしようもないと?」
「怒らないで聞いてね。あの子達は『なんで関係のないやつらに言われなきゃいけないんだ』って反発してるの。反省することに納得がいかないって感じ?」
「納得するも何も悪いことをしたら反省をするべきだろ」
「もっと低レベルで考えてください」
まじかよ。こんなことでダメだしされちゃうのかよ。
「例えば。今から遊びにいくぜーってテンションMAXで外に出たら近所のおじさんがいて、学生は遊んでないで勉強しなさいって言ってきたらどう思う?」
「それって平日? 休日?」
「……え。それって必要ある? 親に言われるのならともかく、お前には関係ないだろって感じのことを言って欲しかったんだけど」
「どっちだよ」
「あ、うん。じゃあ、平日で」
「他人のことよりこの時間に働いてない自分のことを心配した方がいいのでは?」
「……やっぱ休日で」
「ならあんたも休日返上で働けや。社会のために税金を1円でも多く納めろや」
「……碓氷くん」
「なんだよ」
「大多数の高校生はね。まず反論をしないの。むかついても、ぐっと我慢するの」
「なにゆえ」
「大事になっちゃうでしょ?」
「じゃあなんでお前らは優姫に対して」
「ストップ! あたしが間違ってました!」
「次はないぞ」
「……そのセリフ。ほんとに恐いんだけど」
牧野は胸を押えて深呼吸を1つ。
「とにかく。大多数の高校生は反論しないの。聞き流すの。でもむかつくの。勉強してたまるかって気分になるの。部屋の掃除をしようかなって思ったタイミングでお母さんが、たまには掃除をしなさいって言ってきたときくらい意固地になるの」
「最後のはちょっと分かるな」
「よかった! つまりそんな感じ!」
「けどお前らって反省しようと思ってなかったから条件が合ってなくね」
「……どう説明したら伝わるのかな」
「いやもう分かってんだけどさ」
つまりだよ。
「2組の連中はクズってことだな。自分の悪行の反省すら責任転嫁で逃げようとするような、何年後かに犯罪に手を染めて、世の中が悪い。政治が悪い。不景気が悪い。格差社会が悪い。とにかく自分は悪くない。ってほざくタイプってこった」
「……もうそれでいいや」
「けどそうなると困るな」
「相山さんの今後が心配ってこと?」
「1人ずつ追い詰めていくことになるから時間が掛かるなぁって」
「……ちょっと待ってくれる?」
「どうしたよ」
「反省しないと追い詰めちゃうの?」
「上条先輩が放送演説で言ってただろ。体験と経験をプレゼントするって」
牧野の背筋が伸びた。
「2組の連中はおおよそ大人数で群れてるから強気になってんだ。なら1人ずつ孤立させて、1人ずつ心を折っていけばいい。時間が掛かるとは思うけどな」
牧野の怯え切った双眸を睨み付けてやる。
「俺は確実に、着々と。お前らを後悔させるために。日々努力を重ねていくよ」
予想してた以上に時間の無駄だった。やっぱ後片付けは自分でしちゃおう。
俺は席を立ち、
「ごめんなさい」
牧野が頭を下げた。下げたまま、言葉を続けた。
「情けないけど、碓氷くんが本気で怒ってるって今になって実感した」
「それが事実ならお前はサイコパスか発達障害だな」
「……ごめん。今でも分からないことがあるの」
牧野が顔を上げた。目尻に涙の塊がある。
「なんで他人のためにそこまで怒ることができるの?」
「は?」
「だって他人が痛くても自分は痛くない。他人が悲しくても自分は悲しくない。他人が苦しくても自分は苦しくないじゃん。そりゃあ友達のために何かをしようって思うことはあるよ? でもそれって回りまわって自分のためでもあるじゃん。友達のためにここまでしてあげられるあたしってすごい。えらい。かっこいいって」
「百歩譲って前半は理解できるが、後半はまったく分からん。自己評価をすることは悪くないけどな。その評価に酔うのはナルシシストってやつだろ」
「シが1個多いよ」
「ナルシシストは英語。ナルシストはオランダ語。元はギリシャ神話のナルキ」
「もういい」
「そっすか」
「どうして他人のためにそこまで真剣になれるの?」
「俺からしたらなんで真剣になれないのかが分からんのだけど」
「……あたしが本当に発達障害ってこと?」
今どき珍しくないけどな。日本人の5%くらいはそうだって聞くし。
「碓氷くんは生まれたときからそうだったの?」
「そんなことはないけど」
あぁ。そうか。
「たぶん小5からだな」
そうだ。泣きじゃくる優姫を見た時に、胸が苦しくなったんだ。
要するに、
「お前は俺が悲しくて泣いてたとしても、何も思わないのか?」
牧野が愕然とした。理由は明白。
「……思うよ。あたしもきっと悲しくなる。一緒に泣くかもしれない。慰めたいと思う。頼って欲しいって。一人で抱え込まないで欲しいって。力になりたいって思う」
「それは自分のためか? そう思える自分が凄くて偉くて格好がいいからか?」
「違う。そんなのじゃない。あたしはただ……」
俺は座り直した。もうすぐ予鈴が鳴る時間なんだけどな。
「その範囲が広いか狭いかじゃね。もしかしたら俺は広い方なのかもな」
浅井とか天野さんなら何とも思わん可能性があるが、丹羽くんや高橋さんなら少しは思うし。リフィスとかでも思うもんなぁ。
「お前、さっきさ。碓氷くんと一緒だなんて嬉しいなって言ったよな」
「……言った」
「俺も、この考え方が一緒なら嬉しいと思うよ」
「……そっか」
呟き、まだ何もしてないくせにてれてれとし始めた。
「そっか」
「……本当に分かってんのか?」
「そのつもり。もう1回、まずは相山さんと話してみるよ」
「ケンカしないようにな」
「そりゃするよ」
「おい」
「だって好きな人が同じなんだもん。仲良くできるわけないじゃん」
そんなことを言われたら他の組み合わせでも不安になるだろ。
「でも。一方的に嫌うのはもうやめる」
予鈴が鳴った。そのチャイムの響きが終わる頃、
「あたしも。一方的に嫌われるのはちょっとね」
誰にってのは聞かないでおこう。野暮だしな。
2人揃って席を立つ。
「1人ずつ説得してみるよ。それが済むまではあたしが相山さんの話し相手になってみる。あっちは嫌がるかもしれないけど」
「了解。進捗が芳しくないようだったら介入するわ」
「そうして貰えると助かるね。……それで、なんだけど」
牧野がスマホを出した。
「その進捗を伝えるために。えっと。その。連絡先の交換をしてくれると……」
「捗る?」
「そう! はかどる! 嬉しいんじゃなくて、はかどる!」
ふむ。まあいいか。損得で考えれば得の方がきっと多い。優姫にトラブルがあった時にすぐ分かるし、手駒が欲しい時にも利用できる。
まあ、毒を食らわば皿までってやつだな。
「ほいよ」
「っ! ありがと!」
その日、牧野から届いたLINEのメッセージは100を超えた。
しかも9割以上が進捗と関係のないやつ。
通知をオフにしようか悩んだが、読まなきゃいけないものも混ざってるからなぁ。
夜中に1人。溜息を吐く。毒と一緒に食ったのは皿どころじゃなかったね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます