9/8 Thu. 因果応報――後編
窮鼠猫を噛む。手負いの獣。蟷螂の斧。端的に言えば、火事場の馬鹿力。
2組がホームであるがゆえに逃げ場もなく、怨敵たる優姫は自分以上のハイカーストに囲われ、証言や証拠と言ったものも押さえられた状態。
背水の陣を強要された牧野が反旗を翻すのもまた当然のことだ。
「どうして先輩がここに?」
苦し紛れの話題転換。だが論理的思考の使い手にそんな小手先の対処法など通じやしない。ましてや相手は上条先輩だ。手痛い代償を支払う羽目になるぞ。
「選挙活動の一環さ」
「……本当にそれが目的ですか?」
牧野の目は優姫に向いてる。
「他に何かあるとでも?」
「相山さんに呼ばれたとか」
安易だな。
「へぇ。どういう理由で?」
いやらしい人だね。本当に。
「それは、分かりませんけど」
「可能性の話で言えば最も高確率なのが何かくらいは分かるよね?」
「……いえ」
「本当にぃ?」
「……なんなんですか」
「いじめられているから助けてくださいと頼まれた。これに決まっているよね?」
牧野が口を噤んだ。どうしても認めたくないらしいね。
「今からいじめっ子に会いに行くと上条飛白は放送演説で宣言した。そしてその行き先は1年2組だった。放送演説は録音したものを流すと庶務の立候補者である自分は知っている。つまり上条飛白は以前からいじめっ子に心当たりがあったという推理が成り立つ。ではそのリーク元は誰か。いじめの事実を知るクラスメイトである公算が大きい。しかもその人物は上条飛白と繋がりがあると考えられる。全員の交友関係を知るわけではないが、少なくとも相山優姫は男装をしていても分かるくらいに親しそうだ。彼女は自分達によるいじめの被害者でもあるから最も疑わしく感じる」
道筋を立てた美しい論理。牧野の顔から色が失われていく。
「きみの思考をトレースするとこうなる。その果てに生み出されたのが『相山さんに呼ばれたとか』という言葉だ。どこか訂正すべき箇所はあるかな?」
廊下の方から「すげえ」って感嘆する声が聞こえた。コロッケパンくんだな。
けど今のは単純な論理的思考だ。本番はここから。
上条先輩はさっきの俺と同じでわざわざ訂正を求めた。これを良しとすれば自動的にいじめの事実を認めることになり、しかし否定するのは相当に骨が折れる。
だって論理に対する反論には論理性を求められる。いま並べた論理にケチを付けないと始まらないのに、ツッコミどころが少なすぎるんだよな。
その実、リーク元が優姫じゃないと仮定するだけでこの論理は破綻するし、事実として情報源は俺だ。けどそこを指摘したら再び『ではなぜ優姫が上条先輩を呼んだと思ったのか』って疑問に焦点が当たる。そうなると牧野も理由探しに困るはずだ。
俺が思うに、上条先輩が一気呵成に論理を並べ立てたのはきっと頭の良さを演出する意味合いもある。こいつに何を言っても言い返されるのではって不安を感じさせ、反論すればするほど窮地に陥ってしまうのではって恐怖を植え付けるためにね。
俺もプール掃除の時に経験したから分かる。論理の前では心って簡単に折れるよ。
「……あたしは、いじめてなんていません」
この期に及んで戯けたことを。
「なるほど。それはきみの主観による意見かな? それとも事象のことかな?」
上条先輩のいやらしいとこはこうして一時的に反論を受け入れることだ。これをやられると、希望の光が見えてしまう。そうなると、人は図に乗る。
「どっちもです!」
「しかしきみの主観的な意見に耳を傾ける価値などない。そもそもだけどね」
絶望の中で見出した光とは、往々にして死神が持った角灯だったりする。
「本人にその気がなくとも知ったことではない。これで3度目だ。次はないよ」
死神の声に温度はなく、牧野の身体を震わせた。
「事象に関してもそれを判断していいのはきみじゃない。第三者だ。判定は徹頭徹尾で客観的に行わなければ意義がない。そのくらいは分かるだろう?」
牧野の視点が定まらない。冷房が利いてるのに発汗も止まらない。
「そ! そもそも! なんで変装なんてしてたんですか!」
「選挙活動の一環さ」
「っ! またそれ!?」
「そうだ。ゆえに理解して欲しい。私を相手に論点をずらそうなど10年早い」
上条先輩は傲岸不遜という言葉を抱くかのように腕を組んだ。
「きみは優姫をいじめたね?」
「だから! いじめてませんってば!」
「次はないと言ったはずだけど?」
「ならなんて言えばいいんですか! いじめたって言っても同じことでしょ!?」
「違うよ。否定は証拠に成り得ないけど、肯定、つまり自白は証拠に成り得る」
「意味わかんない!」
「ならば教えよう。さっさと諦めなさいと言っているんだ」
牧野が歯噛みした。力の差は歴然。敵う相手じゃないことは分かったはず。
やがて俺に視線を飛ばしてきた。俺の胸の中にいる優姫じゃない。明確に俺だ。録音って単語が引っ掛かってるのかもね。してるけどさ。
「……分かりました。相山さんがそう感じたのなら。謝ります」
水谷さんの目が鋭くなった。分かるよ。言い方が小賢しいもんな。
「先程に優姫の学力が低いという話があったけど、きみの現代文の成績の方がよっぽど不安になるね。ただでさえ短い冬休みがさらに短くならないように祈っておくよ」
「……なんでそんなひどいことを言うんですか」
「おや? 私にそんなつもりはなかったんだけどね。きみがそう感じたのなら素直に謝るよ。ごめんね?」
牧野の頬が引きつった。悪いことは言わない。勝てない勝負に挑むな。
「そもそもですが」
ちょっと訂正しとこうかな。
「優姫は中間こそ304位でしたけど、期末は197位でしたよ」
顔をしかめた何人かはそれより順位が低いやつなのかな。
「ということは誤った情報を元に罵倒していたのか」
「ですね。優姫は赤点も0でした。クラスの足手まといとは思えません」
「いやいや、きっと赤点が1教科以上、期末197位以下は全員が足手まといっていう意味に違いないよ。そうだよね?」
上条先輩が教室内をぐるっと見回した。1学年320人ってのを考慮すれば15人くらいはいそうだけどね。誰も頷いてくれないね。
「ちなみに油野は優姫を迷惑に感じてるのか?」
俺の問いに、イケメンのやつは目をぱちくりさせて、
「迷惑? どういうことだ?」
彼女の真似だね。そんなの考えたこともなかったってリアクションだ。
「相山。期末の時と同じく、今回も中間の前に勉強会をしような」
仲良しアピール。これでまた罵倒の1つが無効化された。
「というか」
水谷さんが牧野を見る。正しくは牧野の胸の当たりだ。
「どうして牧野さんはそんなに態度がデカいの? そのサイズなのに」
「……何よ。それ」
「胸がデカいと態度もデカいって聞くけど本当だなって話してたんでしょ? それが事実ならサイズに合わせてもっと慎ましくした方がよくないかなって思って」
ああ、これはたぶん。川辺さんの分まで言ってるな。怒ってるもん。
「もしかして傷付いた? ごめんね? ただ、事実確認をしたかっただけなのだけれども、もしも牧野さんが気分を害したのなら私も謝らなきゃいけないわよね」
ねちっこい。水谷さん、ねちっこい。
「いやいや、それはどうかな。私もご覧の通りだけど態度は最もデカいよ」
「ならバストサイズに関わる話も根拠薄弱の中傷ということですね」
水谷さんがにこっと笑った。上条先輩もにこっと笑う。こええよ。
「そろそろ1人くらいは謝ってもいいくらいだと思うんだけどね。それとも頭を下げることすら他人の音頭が必要なのかな? 将来が心配になるね」
上条先輩の皮肉に、
「すみません!」
おそらく。誰も予想しなかった人物がそう言った。
「優姫ちゃんはお料理も上手です! 取り柄はいっぱいあります!」
内炭さんが駆け寄ってきた。
「遅くなってごめん。勇気が出なくって。頼りないと思うけど、私も優姫ちゃんの味方だから」
優姫の手を両手で握る。やばい。思いのほかグッと来た。優姫の瞳も潤む。
「そうだね。名古屋の有名なパティスリーで厨房を任されているくらいだからね」
上条先輩は薄く笑い、牧野に向かって1歩進んだ。相手は1歩下がった。
「きみ。本当のことを言ったら可哀想って言ったみたいだけど。何をもってして本当と決めつけたのかな? 後学のために教えてくれると助かるんだけど」
「……いや、……その」
「そもそもだけどね。これはもういじめって言葉の範疇を超えている。公然と誹謗中傷をした場合は刑罰の対象になるんだよ?」
上条先輩のさらなる一手を受け、牧野は目を白黒させた。
「……名誉棄損。ですか」
「少年」
俺は六法全書じゃないよ。
「具体的な内容を挙げて中傷したなら名誉棄損。ただ罵詈雑言で中傷したなら侮辱。なお、名誉棄損罪は3年以下の懲役や禁錮、または50万以下の罰金。侮辱罪は今年の7月に厳罰化されたから1年以下の懲役や禁錮、または30万以下の罰金」
「分かるかな?」
上条先輩はさらに詰め寄っていく。もう牧野の背後には窓がある。
「きみがやったのは犯罪だ。冗談で済むことじゃない」
先輩は足を止め、俺が指さした生徒を順々に見ていく。
「きみらもね。仲間意識を持つのは結構なことだけど、これはただ羊飼いの杖に合わせて動いているに過ぎないよね。そしてその羊飼いの行き先が崖だったというのが今回の顛末だ。きみらは今後もそんな自殺めいた行動を取るのかな?」
「……何を偉そうに」
そう噛み付いたのは例の陽キャだ。
「あんたもバカだよな。これこそが自殺行為だって気付いてねえのかよ」
「どういうことかな?」
「選挙活動でここに来てるって言ってただろ! こんなコケにされて俺らがあんたなんかに票を入れるとでも思ってんのかよ!」
その言葉にハッとして、何人かの生徒が一転して強気な表情を見せた。が、牧野は逆に深い絶望を顔に塗りたくる。
「
「あ? なんでだよ」
「きみの方こそバカだからだよ」
上条先輩は実に愉快そうだ。
「言ったじゃないか」
「何をだよ!」
「私はさほど生徒会長になりたいと思っていないって」
陽キャが絶句した。そろそろ分かれ。すべて上条先輩のシナリオ通りだって。
「何のために織田くんに焼きそばパンのことをお願いしたと思っているんだ」
「……え。……は?」
「きみらの低俗な反論などすべて織り込み済みだと言っているんだよ」
まあ、実際は3割くらいしか想定してないし、焼きそばパンの件も全校生徒に聞こえる形で頼むことで拒否しにくくしてるだけってことだと思うけど。
「では最後に、未熟な後輩に優しい先輩から1つアドバイスをあげよう」
上条先輩は優姫を柔らかい眼差しで見遣って、
「名誉棄損も侮辱も親告罪だ。いじめも似たようなものだね。優姫が訴えでなければ事は収まる。せいぜい誠意を見せるといい」
加害者どもの視線が優姫に集中した。本当なら今すぐにでも駆け寄って許しを請いたいはずだが、ハイカーストに囲まれてるせいでそれも叶わない。
「私からの意見は以上だ。食事中にすまなかったね。もう残り少ないけど、是非とも引き続き楽しいランチタイムを過ごしておくれ」
最後にとんでもない皮肉を置いて、上条先輩は踵を返した。
「……なんで」
か細くも、強い感情が乗った声。上条先輩が足を止めた。
「なんで、いつも、相山ばっか……」
こっちをキッと睨んだ牧野の目尻には涙が溜まっていた。
「なんで!? 先輩も! 水谷も! 関係ないじゃん!」
上条先輩と水谷さんが呆れ顔をした。そして反論しない。だって感情を爆発させた相手に論理の刃は通じないから。
「油野も! そいつのせいでずっと困ってたじゃない!」
油野が拳を握った。おい。佐藤の一件から煽り耐性が下がってないか。
「碓氷くんもだよ!」
牧野の目は紙袋に向いていた。まあ、優姫を呼び捨てにしてるしな。分かるか。
「なんでそいつなの!? なんであたしじゃないの!? なんでよ!」
ポカンとしてしまった。え? それって。え?
上条先輩と水谷さんがジト目を向けてきた。いや、知らんがな。最近まで名前も忘れてたようなやつだし。同じ学校ってことも知らんかったし。
間接的な告白みたいなものだったせいか、周囲が変にざわつき始めた。
「碓氷って?」
「さあ。てか牧野って好きなやついたんだな」
「小学校時代の油野のダチAじゃね。根暗なやつ」
「あぁ、天パじゃない方か」
「かおちゃん、油野くんが好きって言ってなかったっけ」
「碓氷って。男の趣味わるっ」
こいつら懲りないね。録音してるって言ってんのにさ。
けどそのお陰で牧野が冷静になった。というか真っ赤になった。
「ち、違う! あんなやつのこと好きなわけないし! 相山さんより下に見られてるみたいで嫌ってだけ! ほら! 碓氷くんとあたしじゃ釣り合わないでしょ!?」
自分で言うのってどうなの。自意識過剰じゃないの。
まあいいけどね。それで自尊心が保たれるならね。
「……カドくんの方が圧倒的に上だよ」
優姫がどうでもいいことでふてくされてる。
まあ、いいか。せっかく用意したカードだしな。できれば切りたくなかったけど。
「油野」
「ん? どうした?」
「紙袋を取ってくれ」
「……いいのか?」
「名前も割れたことだし。顔を隠す意味もないからなぁ」
「そうか。分かった」
という訳で久々に視界が開けた。真っ先に見えたのは油野の驚き顔。
直後にどよめきが起こった。胸の中の優姫も唖然としちゃってる。
「おかしくないか?」
「……かっこいい」
そっすか。さすがはシノブちゃんだね。
「……マサさまがいる」
どこかしらかそんな声が聞こえた。
そう。今の俺は赤茶色の髪とピアスだらけの耳を持つイケメンっぽい状態になってる。髪は当然ならウィッグで、原作通りのオールバックだ。ピアスはちょっと怖かったからノンホールのやつ。後はシュッとして見えるようにメイクも施されてる。
水谷さんはへぇって顔をしてるし、上条先輩はほぅって顔をしてる。内炭さんは無言でスマホを出したけど、写真を撮ったら友達をやめます。
「じゃあ戻るか。急いでメシを食わんといかんし」
溜息を吐いて優姫を放した。おい、お前も放せや。
まったく。俺はさらに溜息を吐いて、周囲を見回した。
「ちなみに俺らはただの幼馴染だからな? 別に付き合ってもいないし。牧野さんが言ったような選ぶとか選ばないとかそういうのとは無縁だから」
背中をつねられた。痛いってば。この誤解は無くしとかないと後が大変だろ。
「……あの、碓氷くん」
頬を染めた牧野が何かを言おうとしたが、
「まあその権利があったとしても選ばないけどね。いじめなんかするやつ」
「え、その」
「牧野さんと俺じゃ釣り合わないからどうでもいいと思うけど」
力ずくで優姫を振り解いた。ぷんすかしてるね。泣いてるよか千倍は良いわ。
「ただ、一言だけいいかな」
「……なに?」
「お前なんかが優姫の代わりになれる訳ねえだろ」
ボケって言葉は飲み込んだ。愕然とする牧野にはもう目もくれない。
「あとお前ら。顔は憶えたからな。謝罪は迅速にした方がいいぞ。来週頭には内容証明が自宅に届くと思っとけ」
内容証明郵便を知ってるのと知らんので反応がだいぶ違うが、まあ言いたいことは言ったし、さっさと撤退しようかね。
廊下に出たらコロッケパンくんが親指を立ててくれた。コロッケパンが無くなってるから俺らの騒動をおかずにして食べたみたいだね。
俺もサムズアップを返し、このままの姿で8組に行くのは気が引けたから1組へ。
油野の席を中心に集まってみた。コロッケパンくんは1組らしくて、
「俺の机も使っていいぜ」
油野の前の席だったから遠慮なくそうした。水谷さんはよく借りてるらしい右隣の席へ。油野の席にそわそわした内炭さんをセットし、コロッケ席に優姫を座らせて、野郎どもは立つことにした。まあ、俺の弁当は8組に置きっぱだけどね。
「私は3限の後に食べたからよしとして、少年は大丈夫なのかい?」
いざとなったら教頭カードを使って教室から出ればいいんだけど、1日に2回も使うのはな。てか優姫は大丈夫なのかね。いつも購買のサンドイッチだけど。
「カドくん、あたしの少し食べてみる?」
おお、弁当箱だ。
「料理研究会のメンバーだからね。日々のお弁当でも料理の研究をしないと」
まさかあのクソみたいな先輩風が役に立つとは思わんかったわ。
「碓氷くん、私のも分けてあげるわよ?」
内炭さんが冷凍食品を差し出してきた。よく自信満々な態度を取れるね。
「その代わり写真を1枚」
「ならいらね」
「むぅ」
内炭さんが不満げに玉子焼きを食べた。それだけは自前っぽいな。
「前にも言ったけれども。碓氷くんはその髪型だとイケてる気がするわね」
水谷さんは口を手で隠しながらしゃべってる。
「今回は髪型ってかシノブちゃんのメイクが神がかってるせいじゃね?」
「えっ。それシノブさんにやって貰ったの?」
油野も驚いてる。俺の保護者として来たって言ったらもっと驚くかもね。
「美月に見せたいから写真を撮ってもいい?」
「いい訳がないじゃん。聞くまでもないよね」
「どうして撮ってくれなかったのって怒られる私の身にもなって欲しいわね」
そう言われるとつらい。自分のことで他人に迷惑が掛かるのはなぁ。
「じゃあ構図を考えようか」
いつの間にか上条先輩がヒハクになってる。鏡もなしにようやるわ。
「なら1枚だけね」
こんな格好をするのも今日ぐらいだしな。それに今日の放課後くらいに教師からの呼び出しが来る気もするし。今から下がる分のテンションを上げとこうか。
「私と圭介で少年を奪い合うように言い争っている図とかどう?」
速攻でテンションが下がったわ。なんだその腐った構図。
「いいですね」
水谷さんは絶対に心の中で『どうでも』って言葉を頭に付けたよね。
まあいいか。みんな笑ってるし。こういう空気は嫌いじゃないし。
間もなくヒハクの指揮で撮影会が始まった。クソふざけたことに裏切り者(水谷)がいたせいで、瞳を輝かせた川辺さんと、瞳に闇を宿した高橋さんもやってきて、1枚だけって言ったのにパシャパシャやられてしまったわ。
1組の連中にも撮られたりしたが、そのたびに食べ物を分けてくれたから良しとした。こうして他クラスとのコネを築いてくのも大事かなって思い知らされたしな。
内炭さんに「もっと笑って―」って言われるたびにイラっとしながらも、俺は少し先の未来をシミュレートしてみる。
ふむ。なんだかんだでやっぱ後片付けは必要だよな。
少なくとも、優姫はまだ半年もあのクラスに所属する訳だし。
どう転ぶかは分からんけど、もう1つくらいは手を打っておきますかね。
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