24. 宣戦布告
24. 宣戦布告
さぁここからは作戦通りにいくだけだ。オレは通信魔法具を使い、学園の運営につなぐ。一応、参加者全員が万が一何かあった時のために通信魔法具を持たされている。それをうまく使うことにする。
《どうかしましたかステラ=シルフィード?》
「私の声を森全体に通信できるように繋いでほしいのですが?」
《それはいいですけど……一体何をする気ですか?》
「そうですわね……サプライズ。宣戦布告ですわ」
そして通信魔法具を繋いでもらいオレは他の四大に聞こえるように話す。
《あーあー。ごきげんよう『風神』ステラ=シルフィードですわ!残念でしたわね。あなたたちが落ちこぼれクラスと呼んでいた私たちは全員残ってますわ。そしてその私たちにあなたたちは負けるんですわ!こんなに面白いことはありませんわね!》
オレはそのまま挑発を続けていく。これはこれからの作戦のために必要なことだからな
《んー。私は全員の星を集めたら勝ちなのですが……せっかくだからあなたたちにもチャンスをあげますわ?……このまま逃げきるなんて興醒めなことはしませんから安心してくださいませ。》
そう、これは本当のことだ。逃げきるなんてことはしない。というより、残り時間あの四大から逃げきるなんて無理な話だからな。オレは大きく息を吸い込んで叫ぶ。
《指名しますわ!グレン=フレイザード。この森の中心にある大木まで来なさい、私が直々に相手をしてあげますわ!わざわざ風属性の私が炎属性のあなたを相手にする意味分かりますわよね?それでは待ってますわ》
そして通信を切る。これで準備完了だ。おそらくグレン=フレイザードはこう思っただろう。『ふざけるな』と、間違いなくやつは動く。後は……
「では、私は今からグレンのところに行ってまいりますわ。」
「ステラ様……」
「大丈夫。私を信じてカトレア。必ず勝ちますわよ!」
「はい!」
カトレアは心配そうな顔をしながらそれでも笑顔で送り出してくれた。それにつられて他のみんなも笑ってくれた。そして大木に向かって歩き始める。
さて、負けるなんて格好悪いことはできない。出来ればグレン=フレイザードを倒すのが理想だ。だが、そんな簡単に倒せる相手ではない。なら……オレは勝つために全力を出すしかない。そんなことを考えているとギルが追いかけてくる
「ステラ!途中まで行こうぜ」
「ええ。……その損な役回りを押し付けてごめんなさい」
「謝んなよ。それはお互い様だろ?お前の作戦悪くないと思うぜ?面白いからな。それにオレも少しは役に立てるなら本望だ。さて気合い入れるか。じゃあ行ってくるぜ!」
そう言ってギルは走って行った。本当にギルが仲間になってくれて良かった。オレはしばらく歩くと最初に集合場所に選んだ大木が見えてきた。するとそこにはグレンがいた。
「あら?逃げずに来たのね。グレン=フレイザード」
「てめぇ……どれだけオレをバカにすれば気が済むんだ!?」
「四元の法則、優劣関係。でも倒せないわけじゃない。それに風属性の私が炎属性のあなたを倒したほうがこの新入生魔法競技大会の締めの展開として面白みがあるでしょう?」
オレは挑発をする。まぁ正直勝てるかどうかは分からない。
「ふざけるな、怪我する前に星を渡せ」
「そっちこそ渡しなさいな。今なら許してあげますわよ?」
「そうかよ。ステラ=シルフィード……五体満足でいれると思うなよ!!火傷じゃ済まさねぇぞ!」
グレンは激昂する。やっぱり単純だなこいつ……ゴリラだな。でも、こいつは強い。まだ戦ってもいないのに分かる。だからこそオレは慎重に行く必要がある。こうして新入生魔法競技大会の最後の時間。四大同士の戦いが始まるのだった。
新入生魔法競技大会終了まで残り1時間24分。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます