第1話 運命のカードに身を任せる


「ホッホッホッホッホッホッ。ミカエル殿。この賭けと言うゲーム乗りましょうかな?」


「へぇ。サラカエルも興味が沸いた。」


「えぇ。自分もこの老いぼれの身ながらとても楽しみになってきましたぞ。」


「それは良かったよ。それで、後の3人は?」


サラカエルはミカエルの話に興味を持ち次の神様を決める賭けに乗っかるみたいだ。


「ミカエル。質問がある。」


「なんだい?分からない事があるならどんな事でも質問を受け付けるよウリエル。」


「そうか何なら遠慮無く質問させてもらう。神様の手元にある筈のそのキャリバー・カードを何故に持ち出せた?!」


「そうですよ?!ミカエルさん!そのカードは神様がハルマゲドンの際に40人の使徒達が扱い精神が汚れきった人間を裁く為のもの!!それが何故?!」


ウリエルとラファエルの怒号にも近い声が7人のいる部屋に振動が発せられたかの様に響き渡る。


「まぁまぁ落ち着いてよウリエルにラファエル。」


「それが落ち着いていられるか?!これがバレたら天界始まって以来の汚点だ!!」


「それにそれが神様に知られればミカエルさん。貴方は堕天されてしまいます。」


「まぁ、確かにバレたら天界始まって以来の大天使ミカエルの堕天だよね。だけどね。神様はもう既に眠りに着いていたとすればどうかな?」


「「ッ?!」」


ウリエルとラファエルは何かを悟った様に何一つ言い返さず黙り込む。


「ミカエル。お前、前々から神様が眠りに着いていたことを俺達に黙っていたな?」


「さぁ、何の事だろうねガブリエル。言っておくけど神様はまだ完全には眠りに着いてはいないよ?」


「なに?」


「正式に言えば眠りに着く前の意識が飛びはじめている状態だね。僕は神様が眠りに着いてから君達に知らせようとしたんだ。君達に黙り込むも何も眠りに着いていないんだからね。」


ミカエルは何を言いたいのかと言うと神様は眠りに着く前の意識を飛ばしているだけで完全には眠りに着いてはいない。


だから自分(ミカエル)は眠りに着いてもいない神様を他の6人に秘密にはしていない。何故なら神様はまだ眠ってはいない。起きているんだから。


「なるほどな。ミカエル。それなら俺もその賭けに乗ろう。」


「ガブリエルさん!貴方まで?!」


「そうだぞ!ガブリエル!お前はそう言う事を誰よりも許さない正義感の強い奴だと思ったのに…見損なったぜ!」


「ウリエル、ラファエル。そんな事を言っちゃダメだよ?それはガブリエルの決めた事。それをとやかく言うのは可笑しいよ。」


「くっ…」


「ちっ!クソがッ!」


ウリエルとラファエルは苦虫を噛み潰した様に眉間にシワを寄せた怒りに近い顔をしながら悪態をつく。


「さぁ。どうするの2人は?別に乗らないなら5人で…」


「いや!俺もやる!!」


「う、ウリエルさんまで?!」


「俺は他の5人とは違って興味や楽しみと言った娯楽で参加するんじゃねぇ。俺が次の神様を決めて、神様にこの5人を断罪させて堕天という粛清を行わせるんだ!!」


「ウリエルさん…」


「良いねぇ。主義や主張を持つのは良いけど、ちゃんと賭けに勝たないと次の神様は選べない事を承知の上で参加するんだよ?」


「上等だ。ミカエル。」


「さて、最後。ラファエルはどうするの?参加する?それとも参加しない?」


「ミカエルさん。私は大天使の1人でいる人間の霊魂を司るラファエルです。大天使は他の使徒の手本になるべきです。しかし使徒の手本となるべき大天使が天界で罪を犯すなら私は黙って見ていられません。私も次の神様を決める賭けに参加します。」


ラファエルはウリエルと同様にミカエルのやる事が許されず更に他の5人を断罪するべく、この次の神様を決めるゲームの賭けに参加する。

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