第28話 開催した自主企画にて

 こないだ「あなたの『名刺代わりの好きな本5冊』教えてください」って自主企画を立ててね。1作も応募ないかもって思ってたんだけど、思いの外たくさんの作品が集まって、好きな本をそれぞれに熱く語ってくれて嬉しかったよ。

 

 好きな本や作家のチョイスも幅広くておもしろかったし、何よりその本を好きな理由を書いてもらったのが良かった。世界観、文体、ストーリー、雰囲気、キャラに惚れ込んだ、何から何まで好き、その理由は様々だったけど、この本がほんとに好きなんだなって伝わってきたからね。


 「なぜその本が好きなのか」という理由は、その人が何を大切に考えているか、どんな人物や物事が好きなのか、他にも色々な事を教えてくれる。その人の本の読み方や解釈も。そして引いては、その本の簡単な解説にもなる。

 自作の解説をグダグダ語る宣伝なんかには「なんて無粋なことを……」って鼻をつまむけど、「あの作家のこの本が好き」っていう我知らずの解説は、打算も下心もないから気持ちいいね。

 

 本来、私は自分が全く興味がなくて知らないモノだと誰かに熱烈に語られても「知らんがな……」って思ってしまうタイプなんだけどね。たとえば、カフェで仏像について熱く語る仕事関係の人なんかには微笑みながら「家に帰って一心不乱に彫ってろよ……」って念を送るようなね。

 でも「本が好き」というところで通じてるからだろうね。その本や作家を直接知らなくても、その人が熱く語ってくれたら興味津々で聴ける。で、カクヨムには当然「本が好きな人」が集まってる。企画主の私は当然読んだけど、他の人にも読んでもらいやすい題材だったんじゃないかな。


 そして自主企画は終わったけれど、参加してくれた人たちの今回の作品は、それぞれの作品群の中で残る。その作品は本好き同士の間で、最高の名刺代わりになる。願望だけど、そうなってくれたらいいなと思う。


 参加してくれた皆さん、ありがとね。

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