第27話 名著の助け

 今日はちょっと本筋と離れるんだけどね。怒りのままに書くことにしたわ。

 世の中、人を騙して金をふんだくろうって奴は山ほどいて、日々振り込め詐欺やら投資詐欺やら尽きる事なく色々あるけれど、個人的にもっともタチが悪いって思うのが、今世間を賑わせているようなカルト宗教やスピリチュアルを謳ったものね。

 目に見えず証明もできない、そんな神や不思議な力をエサに弱った人の心に食い込んで、骨までしゃぶる。それで人の人生や家族が破壊されようと知ったこっちゃないって奴ら。

 

 洗脳の恐怖については日々報道されてて、脱するのが容易じゃないってのは一般人でも想像がつく。今、件のカルト宗教で被害に遭った女性が顔出し会見はじめ、身を削りながら色々と発信されててすごいなって思うんだけども、中でも印象的だったのが「自分で色々と心理学なんかの本を読んだりしてるうちに教義をおかしいと思うようになった」って話されてた事。これはすごく大切だと思う。

 世の中、「私を信仰しなさい。私にすべての財産を差し出しなさい。そうすれば天国にいける」なんてイカれた内容の本は当然ながら売ってない。逆に何世紀にもわたって読まれ続け、残すべきだとされてきた優れた本がたくさんある。そこにはイカれた事をイカれた事と認識させてくれる事が書かれてる。

 

 意外な事に、少しあやしげなものに惹かれやすかったりする自覚がある人って結構いるんだけども、そんな人はあやしげなものにハマり切らないで済むように、宗教や心理学、哲学なんかの優れた本で知識を仕入れておけばいいと思う。 

 バカみたいな値段の壺なんか買わなくても、3万円も出せば、歴史に残る名著が30冊近く買える、岩波文庫なんていいと思う。宗教でも哲学でも心理学でも歴史に残る名著が山ほどある。そんなのを読んで自分の中に取り込んでおけば、騙されかかってる時に「おかしい」と思える材料になるだろうから。


 もうだいぶ以前なんだけどね、「遠隔気功」ってのにハマってるって知り合いがいてね。ネットで知り合った気功師に、遠隔で気功を送ってもらってるってうれしそうに語るのよ……。あらかじめ悩みとか症状を伝えて、それを解決できるようなパワーを気功として遠隔から送ってくれるのって。決められた時間に正座をして受け取るんだってさ。1回一万円だったけな。

 聴いてるうちに目眩がしてきたんだけど、仕事上の知り合いだから我慢して最後まで聴いた私は忍耐強かったよ……。この人は気功を送る側がその時間に、まんじゅう食べながら横になってテレビ見てるとか想像しないのかな……と不思議に思ったんだけどさ。友達だったら間違いなく言ってたね。口が悪いから「あんた、バカなの?」とまで言ったかもしれない。

 きっとあの話を聴いてる時の私の顔は、引き攣ってただろうね。その知り合いのその後は知らない。


 まあカルト云々抜きにしても、小説を書くにおいて名著を読むのは大いに役立つ事だもんね。いい本を、いっぱい読みたいね。

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