第21話 鮮やかな衝撃

 最近、川上未映子さんにハマってるのね。「ヘヴン」がブッカー賞候補になった時、読んでみて久々に鮮烈な印象を受けて「こんな素敵な小説を書く人だったんだ……」って感じで。読まずぎらいってのは良くないね、反省したよ。

 で、川上未映子さんがツイッターやってるのを知って、ちょっと覗いてみたのよ。これがまたいい。関西弁まる出しの「そのへんにいる気さくな姉やん」。でもでも、そこはプロの作家さん。新たな衝撃を受けたよ……。

 ネタバレになるから詳しくは書かないけども、シンディ・ローパーの事を書いてるスレッドがあってね。川上未映子さんはシンディ・ローパーが好きなんだって軽い気持ちで読み始めたのよ。そしたら、あれよあれよで加速度的にどんどん引き込まれちゃって「これは感動が待ってる……」って予感を抱いたら、そのまんま物の見事にヤラれちゃったよ。びっくりしたよ。140文字×20ぐらいだから、だいたい3000字かな。

 ほんの数ツイートで世界を立ち上げて、何かが起こる予感を漂わせ、期待を裏切らず読む人の心を最後のツイートまでさらい続けて震わせる。それがたった3000文字前後。この3000文字には、私なんかがゴチャゴチャ言えない、たくさんのたくさんのものが詰まってるよ。

 

 ほんと人を感動させるのに文字数は関係ないって想いを新たにしたよ。3000文字でこれだけの情景や情動を喚起させるのかって、第二次か第三次ぐらいのカルチャーショックだったね。

 

 興味のある人は「川上未映子 シンディ・ローパー」で検索してみてね。小説に限らず文章を書く人には必ず得るものがあるはずだから。

 

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