第11話 同じキャラや設定ばかり
好きだった作家を離れる理由に、「またこの手の話か……」ってのがあると思うんだけど、WEB小説は特にその傾向が強いのかもしれないね。
同じ人間が書くのだから、どうしたってどこか似た部分が出てくるってのはわかるし、それがいい意味でその作家の色になるってのはわかる。でも「これは色じゃなくて、この人はこの手の話しか書けないんじゃ……」って疑念が芽生えて確信に変わった時、人はその作家を捨てる。なんて思ったりするんだけど、どうだろう。
これを書きながら、真っ先に思い出したのが村上春樹さん(村上春樹さんが好きな方ごめんなさい)。なんていうかね、いつ頃からか「また奥さん(恋人)いなくなっちゃったよ、また井戸が出てきたよ、またパスタ食べてるよ」ってなって、ある時に、ああこの人はこの手の話をひたすら書き続けるんだなって見切った感じ。
膨大なファンがいる方だから、こんな口の悪い読者が一人減ったってビクともしないだろうけど、あまりにも執拗な同じ設定やキャラの繰り返しに、この人は書いてて自分で「ああ、こりゃアレとアレと同じだ」とかなんないのかなって心底首をかしげたよ。
まあ色となるか仇となるか、バランスが大事なのかもしれないね。
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