第12話 最強の小説

 小説の最強形ってなんだろうって考えた時、思うのが「忘れられない小説」「何度も読む小説」って個人的に思うんだ。

 多くの小説は、読んでる時にそれなりに面白くても、ほとんどが時が経てば内容すらおぼろげになってしまうだろうから。でもたくさんの本を読んでいく中で、忘れられず、しかもまた手に取って読む本ってある。自分の中で特別な本。そんな本がたくさんある人は、きっとしあわせだね。

 私にもある。そのうちの一冊が前回、今はもう見切ったとエラソーに書いた村上春樹さんの「海辺のカフカ」。今までに何度も読んだし、これからも読むと思う。今後の作品に期待はしなくても、この小説が自分の中で素晴らしいというのは揺らがない。村上春樹さんはフィッツジェラルドの「華麗なるギャツビー」がとても好きで、どのページを開いても素晴らしいと何かのエッセイで書いてたけど、私にとっては「海辺のカフカ」がそう。上下巻のけっこうな分量で、そんな風に読者に思わせるものを書いたのはとてもすごい事だと思う。前回のフォローじゃなくてね。

 数は多くはないけれど、他の作家さんでもいる。一冊まるごとだったり、短編集の中のほんの一遍だったり、色々だけれども。

 そしてWEB小説の中にも、誰かにとってのそんな作品があるのかもしれない。埋もれてるだけでね。一作でもそんな作品が増えるといいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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