???

「いかがだったでしょうか?」


 眼鏡男が跪いて目の前に座る男にゆっくりと声を掛ける。そしてその後ろにはけんじぃが控えていた。一方、男の顔は部屋が暗い為、よく見えない。


「素晴らしい。よくやった」


 カーテンの閉め切ったその部屋の中では、巨大なプロジェクターが設置されており、そこから映像が映し出されている。守と遥の戦闘、ナナコと未羽の戦闘シーンだ。


「ありがたきお言葉」


「けんじぃよ、そなたはどう思う?」


 けんじぃは眼鏡男の前に立ち、手元にある資料を読みながら男の質問に答えていく。


「結果から言いますと、男の方、オリジナルは素晴らしい個体ですな。現場で採取した髪の毛、血液を分析したところ、わしらのウィルスを明らかに凌駕しとるぞい」


「そのようだな。そしてと」


「その通りですな。一緒に映っとるナナコという女。そして実験体『フィーア』からもオリジナルに比べて少量じゃが、同様のウィルスが検出されたわい」


「それは興味深いな。だが、この血は誰にでも分け与える事が出来る訳ではないのであろう?」


「……一般の検体に投与したところ、身体がそのまま破裂しおった。おそらくあの恐るべき治癒力に身体が耐えられんのじゃろ。実験体でも試したが結果は一緒じゃった。今はオリジナルと何が違うのか研究中じゃわい。じゃが、それも限界があるかの?」


 面白くなさそうな表情をしているけんじぃを見て、男は画面に映る守を見つめる。


「研究を進めるにはやはりオリジナルを確保しないとダメ……か」


「ハッ、その役目、私にお任せを」


 眼鏡男が立ち上がって一歩前に出る。


「よかろう。だが、結果を出せ」


「ハッ、かしこまりました」


 テーブルの上にあるコーヒーを一口飲むと、男は立ち上がって二人へと近づいていく。


「して、清華 瑠璃は?」


「ハッ、こちらも予定通り、オリジナルと接触させました。これから二人で行動を開始するかと思われます」


「よろしい。引き続き、監視をしたまえ」


「かしこまりました」


「他に報告はないか?」


「以上でございます」


「では下がれ」


「ハッ」


 眼鏡男とけんじぃが頭を下げて部屋から出ていく。男はその間も映像に映っている守をじーっと見つめていた。


「クックック……、それにしても素晴らしい。こやつこそ、我が主の待ち望んだ存在よ。フハハハハ、ハーッハッハッハ!!」


 部屋の中では男の笑い声がいつまでも響き渡っているのであった。


――――――――――――――――――――――――――――


 これにて第三章終幕です。ここまで読んでくださった読者様、誠にありがとうございます。


 急展開となる最後に読者様がどう感じるかドキドキです。少しでも次が気になるなぁと思っていただけたら嬉しいのですが……。


 次は登場人物を挟み、第四章に移ります。ご参考までにどうぞ!



 そしてここからは毎度おなじみのお願いです!


 もし、少しでも面白かった! 応援してもいいよ!! って方いましたら、フォロー、応援、☆評価をよろしくお願いします。


 ここまで四十五話投稿しました。ここまで読んでくださった読者様! そろそろ☆を一つでも付けてくださると泣いて喜びます。勿論、フォロー、応援だけでも嬉しいのですが、やはりお星さまは特別なんです。モチベーションにも繋がりますので是非、よろしくお願いします。


 それでは次の第四章も引き続きよろしくお願いします。

 

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