第4話 初めての農作業
リリアと一緒に外に出る。
家を出てすぐのところにある平らな大地、俺はそこを畑にしようと思っていた。
「ここでやるんですか?」
「その予定だ」
「ふむふむ、なるほど」
言いながらリリアは土を手に取ってよく観察する。
あれで何か分かるのだろうか?
「含有
「凄いな。見ただけでそんなことまで分かるのか」
「えっへん。これくらい任せてください」
特に気に胸を張るリリア。
試しに土に鑑定してみると、
【一般的な土】
極めて一般的な土壌。
畑としての適性はC。
おお、出た。
こんなことまで分かるとは【鑑定】の万能さは凄いな。
しかし俺でも土が分かってしまうと知ったらリリアが落ち込んでしまうだろう。可哀想だから黙っておこう。
「ところでリックさん。何を植えるかは決まっているんですか?」
「ああ。倉庫で見つけた種を植えてみようと思ってる。なんの種かは分からないけど、これは俺のご先祖様が残してくれたもの。きっと役に立つものだと思う」
「へえ! それは育つのが楽しみですね!」
【鑑定】すればこの種が何の種なのかは分かるだろう。
でもそれじゃあ面白くないなと思い【鑑定】はまだしていない。
育った時のお楽しみ、というやつだ。
「さて、じゃあさっそく耕すとするか」
普通であれば雑草を抜いたり、肥料を用意したりしなきゃいけないんだろうが、俺には「豊穣神の黄金鍬」がある。
一回この鍬の力のみで畑を作ってみるとしよう。それで駄目だったらまた手を考えればいい。
「よい……しょっと!」
鍬を振り上げ、地面に振り下ろす。すると
「ひゃえっ!?」
リリアがびっくりした声を上げる。
彼女は信じられないといった顔で地面を見ている。いったいどうしたんだ?
「リリア?」
「あ、すみません! びっくりしちゃって」
リリアはそう言いながら俺が耕した部分の土を手に取り、しげしげと観察する。
「こ、これとんでもないですよ!
興奮した様子で熱弁するリリア。
どうやら豊穣神の力は本物のようだ。一応俺も【鑑定】しとくか。
【祝福の土壌】
神に愛された土地。
どのような作物も等しく最高ランクに育つ。
畑としての適性はSS。
「とんでもなく魔改造されてる……」
これはリリアが興奮するのも無理ないな。
くく、今からどんな植物が育つのか楽しみだ。
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