第14話 オーガジェネラル
「我はオーガの長、ガルム。貴様には死んでもらう」
「上等だ。やってみな」
まずは相手の能力を確認する。
【ガルム(オーガジェネラル)】
レベル:80
オーガの中でも特に強い個体。
赤い体皮は鋼鉄以上の硬度を誇る。
「オーガジェネラルか。名前は聞いたことがあるな」
並の戦士では歯が立たない凶悪なモンスターだ。
小さな国がこいつ一体に滅ぼされたという話も聞いたことがある。
前の俺なら目の前に立っていることすら怖くてできなかっただろう。
でも今の俺は違う。
正直……負ける気がしない。
「死ね!」
ガルムと名乗ったオーガジェネラルが、手にした巨大な斧を振るう。
俺はその一撃をオーガから奪った斧で受け止める。
すると俺の手にした斧は衝撃に耐えきれず刃が欠けてしまう。
「……せっかく手に入れたのに壊しやがって。代わりにその斧、貰い受けるぞ」
「やれるものならやってみろ!」
ガルムは高速で何度も何度も斧を打ち付けてくる。
俺はその攻撃の数々を、かわし、受け流し、時に受け止めた。
「どうした!? 守ることしかできないか!?」
「……覚えた」
そう呟いた俺は、相手の斧を弾き、お返しとばかりにオーガの腹を思い切り蹴り飛ばす。
「ぐうっ!?」
口から血を流しながら、オーガは何とか踏みとどまる。
頑丈なやつだ。
「俺は戦闘経験がまだ乏しいからな、お前の動きを見させてもらった。おかげでだいぶコツはつかめた」
手にした聖剣を器用に振り回して見せる。
うん、だいぶ手に馴染むようになったな。
「なにを馬鹿なことを。武器の扱いはすぐに身につくものではない!」
「ああ普通はな。でも俺にはこの『眼』がある」
「なにを訳の分からないことを!」
ガルムは激高し、斧を振りかぶる。
その動きはもう見た、学ぶことはもうなさそうだな。
「――――じゃあな」
思い切り踏み込み、聖剣を横に振るう。
「馬鹿、な……」
硬い鬼の肌でも聖剣の一撃を耐えることは出来ず、オーガジェネラルはその場に崩れ落ちるのだった。
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