デスマーチからはじまる異世界狂想曲/愛七ひろ
<ラッキー7>
「ラッキー7って何なのです?」
ボルエナンの森を散歩していると、前を歩くポチ達の方からそんな声が聞こえた。
「7は幸運の数字なのよ」
「どして~?」
アリサの答えにタマが首を傾げる。
「えーっと、由来はなんだっけ? ご主人様、分かる?」
答えに窮したアリサがこっちに話題を振ってきた。
「よく覚えてないけど、野球の七回が逆転しやすいとか、そんな感じの由来じゃなかったっけ?」
上司から飲み会の雑学で聞いたので、詳しくは覚えていない。
「にゅ?」
「ご主人様、野球って何なのです?」
中途半端な説明にタマが首を傾げたままだったが、ポチの興味は野球に移ったようだ。
「それはベースボールだと告げます」
「ん、球技」
ナナとミーアは知っているらしい。
ナナの前マスターであるゼンは転生者だったし、エルフの里には勇者ダイサクが残した日本文化の爪痕があるので、ナナやミーアが知っていても不思議ではない。
「きゅーぎ~?」
「えっとね、九人対九人で――」
アリサがタマとポチに野球のルールを簡単に説明する。
「ポチは四番でピッチャーがいいのです!」
「タマもすらっが~?」
アリサの説明を聞いたポチとタマが、希望のポジションを言ってピョンと手を上げた。
「それじゃ、ちょっとやってみようか」
野球の道具はエルフ庇護下にある獣人が製造しているという話なので、そこで必要な分を分けてもらった。
「キャッチボールからしてみようか」
綿の少ないグローブを填め、紐を巻いて作ったボールを投げる。
ソフトボールの半分くらいの重さかな。軟球よりも柔らかいから、万が一ぶつけても大丈夫そうだ。
「あわわわなのです」
ポチはわたわたしつつボールをキャッチする。
グローブを填めた手ではなく、素手の方でキャッチしたのはご愛敬だ。
「上手いぞ、でも掴むのはグローブの方でね」
オレはそう言って、ポチの投げた大暴投をジャンプして掴み、次はタマに投げてやる。
「ないすきゃっち~?」
前に走ってきてジャンプキャッチしたタマが、シュピッのポーズで勝ち誇る。その姿がとても可愛い。
タマの返球を受け取って、次の子に投げる。
「ミーア、上手いね。野球した事あるのか?」
「ん、ピッチャー」
ミーアは危なげなくボールをキャッチして返してくる。
「アリサも経験はある?」
「エア経験ならあるわよ」
「――エア経験?」
アリサが謎な事を言い出した。
「ニンジャー・タイガースとかドカドカ弁当とかフリカブッターとか、アニメやマンガでたっぷり履修済みよ!」
アリサが変な決めポーズをしながら言う。口調が少し自棄気味だ。
せめてプロ野球中継をよく見ていたとか言ってほしい。
「まあ、ルールを知っているなら問題ないよ」
とりあえず他の子と同じようにキャッチボールから始めれば問題ないだろう。
「よっ、――っとっと難しいわね」
「アリサ、慣れるまで片手キャッチは禁止。反対側の手を添えて取るようにして」
アリサが格好良く取ろうとして捕球をミスしたので、返球を受け取る時に初心者向けのキャッチの仕方をレクチャーする。アリサが非力すぎて、ボールが途中でワンバウンドしたのはご愛敬だ。
「次はルル?」
「は、はい! 私、初めてなので……」
「うん、優しくするから安心して」
不安そうなルルを優しい声で宥める。
「ぎるてぃ」
「エッチな雰囲気禁止よ!」
なぜか鉄壁ペアから物言いが入った。解せぬ。
「えい!」
「ルル、返球する時に目を閉じたらダメだよ」
明後日の方に飛んだボールを、ポチとタマがボールを追う子犬の様な勢いで取りに走る。
「ポチ、タマ、前を見なさい!」
二人ともボールしか見ていなかったせいで、リザの警告も間に合わず、互いに激突してしまった。
「ポチ! タマ!」
オレ達は慌てて二人に駆け寄るが、当の二人は平気な様子で起き上がった。
「怪我はないかい?」
「はいなのです」
「だいじょび~」
二人のおでこが少し腫れていたので治癒魔法で軽く癒やしておく。
「ボールを取る時は『オーライ』ってかけ声をかけるのよ。他の子が『オーライ』って言ってたら、自分以外にもボールを追いかけている子がいるって事だから、ちゃんと周囲を見回すようにね?」
「あいあいさ~」
「どうして『オーライ』なのです?」
「野球が伝来した国の言葉で『大丈夫、任せて』的な意味があるのよ」
オレもそのへんの由来はうろ覚えだったので、アリサの説明に適当に頷いておく。
アリサが打球と言い損なったので、しばらくの間、ポチとタマがキャッチボールでボールを捕るたびに「オーライ」と声を出していた。
なお、リザとナナは無難にキャッチボールをしていたので、特筆する事はない。
しばらく二手に分かれてキャッチボールをした後、トスバッティングをして慣れてからミニゲームに移る事にしよう。
そんな事を考えて練習していると――。
「ねぇねぇ、
なんて言って、獣人の野球少年達が声を掛けてきた。
「いいわね! やっぱ、野球は試合してナンボだわ!」
「やった~?」
「シナイなのです!」
ポチは「試合」を言い間違えたんだろうけど、「試合をしない」みたいに聞こえる。
「君達はいいのかい? こっちは今日ボールに初めて触れた子達が多いんだけど」
素人相手じゃまともに試合にならない気がする。
「うん! だって、他のチームは『ガキ相手じゃつまらない』って言って、試合をしてくれないんだ! だから、お願い!」
「まあ、そういう事なら」
一方的な試合になりそうな気もするけど、ピッチャー経験者のミーアがいるし、リザやナナは覚えが早いから、どちらかにファーストを任せられそうだ。キャッチャーをオレがやれば最低限の形にはなるだろう。
「マスター、私達は八人しかいないと告げます」
「しまった! そういえば野球は九人だったわ!」
ナナが指摘すると、アリサが自分の額をぺしゃりと叩いて「迂闊だった」と自責する。
「話は聞かせてもらったわ!」
聞き心地の良い声に振り返ると、野球帽を被ったボルエナンの森のハイエルフ、愛しのアーゼさんがいた。
ショートパンツのユニフォーム姿が素晴らしい。
思わず「●REC」とタイプしたくなる。
「私がチーム『ペンドラゴン』の九人目よ!」
オレ達の反応が遅れたせいか、アーゼさんが顔を真っ赤にして戸惑い始めた。
「ちょっと、ルーア! なんだか予想と反応が違うんだけど!」
「だから、言ったじゃないですか。勇者ダイサク様のお話は話半分に聞いておいてくださいって」
抗議するアーゼさんをお世話係の巫女ルーアさんが呆れ眼で雑に応える。
もう少し恥ずかしがるアーゼさんを愛でていたいところだが、あんまり放置すると着替えに行ってしまいそうだ。
「皆、アーゼさんが入ってくれて人数が揃ったぞ」
「これで試合ができるわね!」
「「「やったー!」」」
オレの言葉に、アリサが阿吽の呼吸で合わせてくれ、皆が一斉に事態を理解して喜びの声を上げる。
こうして、アーゼさんを含めたオレ達と獣人少年野球団で試合をする事となった。
◇
「プレイボール!」
審判のかけ声で試合が始まった。
ちなみに、この審判はアーゼさんが近くを散歩していたエルフに頼んだ。迷惑かとも思ったのだが、ハイエルフであるアーゼさんのお願いはエルフ達にとって光栄なものらしく、嬉々として審判を承諾してくれたのだ。
「みんなー! しまっていこー!」
セカンドのアリサが大きな声を号令する。
他の内野はオレがキャッチャーで、ミーアがピッチャー、ファーストがリザ、サードがナナで、ショートがアーゼさん。外野はポチがライト、ルルがセンター、タマがレフトだ。
このポジションが決まるまで迂余曲折あったのだが、最終的には自称「敏腕監督」のアリサが強権を発動して今の形になった。わりと皆の適性を考えた布陣だと思う。
「いく」
ミーアがセットポジションからアンダースローで投球する。
「うおおおおお!」
打者は気合い一閃バットを振ったが、ボール二つ分は離れた場所を通過した。
「ストライク!」
最初は内角低めを攻めてみた。
ミーアは球速が遅いけどコントロールがいいのでリードしやすい。
「球は遅いぞ! 狙っていけ!」
「振りはもっとコンパクトに!」
相手チームのベンチから打者にアドバイスが飛ぶ。
「やっぱ少年野球はこういう雰囲気が大事よねー」
セカンドのアリサがしたり顔で言う呟きを聞き耳スキルが拾ってきた。
「ミーア、いい感じだぞ」
「ん」
返球を受け取ったミーアが帽子を調整してセットポジションを確かめる。
幸いにして一人目は三振に打ち取り、二人目もツーストライク・ノーボールまで追い込んだのだが――。
「やったー!」
「行けー! 走れー!」
ストライクを続けすぎたのか、最後のボールは打者のバットに捉えられてしまった。
ワンバウンドしたボールは一、二塁の中間を転がる。
アリサが捕球できる場所に移動し、ボールを待ち構えた時、それは聞こえた。
「オーライ~?」
「オーライなのです!」
タマとポチが土煙を巻き上げながら外野からダッシュで内野ゴロを拾いに飛び出していた。
「え、ちょっ」
捕球姿勢で戸惑うアリサに、暴走超特急となったタマとポチが迫る。
二人の目にはボールしか見えていない。
「アリサ!」
激突の寸前、一塁から駆け寄ったリザがアリサを抱きかかえて救出し、その背後でポチとタマが激突してボールを取りこぼした。
打者はその間に悠々セーフ。
ミーアが素早く二塁に移動し、二人が取りこぼしたボールがここまで転がってきたので、ミーアにパスして進塁を防いだ。
「うーぷす~」
「ちょっと失敗しちゃったのです」
反省する二人に、守備範囲について教え、近くに他の選手がいる場合は直接取りに行くのではなく、捕球ミスした時にカバーに入るのだと教えてやる。
「あい」
「バンジー理解なのです!」
ポチが言いたいのは「万事」かな?
まあ、一回で覚えられるわけもないし、覚えたからといってすぐに実行できるものじゃないだろうから、徐々に慣れていってもらおう。
初心者のうちからやいやい言われたら、野球が嫌いになっちゃうかもしれないからね。
「りーりーりー」
異世界でも盗塁を狙う選手のかけ声は一緒らしい。
これも野球と一緒に勇者ダイサクが伝えたのだろうか?
「むぅ」
気が散るのか、ミーアがボールを連発する。
「ミーア、走らせてもいいから気にしないで」
「ん」
走者の声にミーアがイライラしていたので気にしないように声を掛ける。
残念ながら声かけのタイミングが遅かったようで、その打者はフォアボールで出塁してしまった。
「むむぅ」
「ミーア、気を取り直していこう」
「ん」
そんなミーアの神経を逆なでするように、二塁に進んだ走者が「りーりーりー」とリードを始める。
ミーアが投げると同時に走者が三塁に向けて駆け出した。
盗塁をする気らしい。
さすがに無謀だ。打者が牽制で空振りをするが、このタイミングなら余裕で間に合う。
「ナナ!」
「イエス・マスター」
時速二〇〇キロを超えるボールが、ナナのグローブに突き刺さる。
バシッという良い音がして、ナナのグローブが後ろに吹き飛んだ。
――しまった。
勢いが良すぎた。
「なんくるないさ~」
いつの間にか回り込んでいたタマがグローブごとボールをキャッチして、ナナにトスする。
「僚機タマの援護に感謝を」
ナナがそのまま走り込んできた走者をタッチした。
「アウトー!」
「よっしゃー! これでツー・アウトよ! 後一個!」
アリサの声が球場に響き渡る。
オレは加減の失敗した送球をナナに詫び、タマに「ナイス・プレイ」と称賛しておく。
「ゾゾ! ポンタの仇を取れよー!」
ベンチの獣人少年達が打者にエールを送る。
その応援が効いたのか、四番打者は初球を狙ってフライを上げた。
「来た! こっち来たわ」
「ど、どうしたらいいの?」
ボールはセカンドのアリサとショートのアーゼさんの間に落ちてくる。
二人がボールを追いながら移動し――互いに譲り合って両者の中間に落ちた。
「走れ!」
打った獣人少年がファーストに滑り込む。セカンドにいた走者は既にサードに着いている。
ボールはアリサが拾ってファーストに投げようとしたが、諦めてミーアにボールを戻した。
「ドンマイ、アリサ、アーゼさん。声を掛け合っていきましょう」
珍しくアリサが落ち込んでいるので、そう声を掛ける。
続く五番打者がホームラン級の長打を放ったが――。
「きゃー!」
目を瞑って座り込んだルルの天に突き出したグローブに奇跡的に入り、アウトになった。
ポチとタマがカバーに入っていたので、もしエラーしてもベースが踏まれる事はなかったはずだ。
「さあ、チェンジよ! 先制点を入れるわよ!」
「はいなのです!」
ベンチに戻った仲間達が円陣を組む。
「トップバッター?」
「一番最初はタマなのです!」
「お任せあれ~?」
体格に合わせた短いバットを持ったタマが打席に入る。
「おいおい、シロートかよ」
相手チームからヤジが飛んだ。
バットの握りが逆だったのかとよく見たら、タマは片手でバットを持ち、しかも逆手で構えている。
あれはタマのいつもの武器の握り方だ。
「タマー! バットがすっぽ抜けないように注意なさい!」
「なんくるないさ~」
まあ、バットよりいつもの武器の方が重いから大丈夫だろう。
「舐めやがって」
ピッチャーの獣人少年が面白くなさそうな顔でボールを投げる。
「ちょいや~」
タマのバットがボールを捉える。
バットの方が空気抵抗が多かったのか、少し振り遅れたものの初球を捉え内野ゴロになったようだ。
「セーフ!」
「やったーなのです! ご主人様、タマがやったのですよ!」
ポチがベンチに腰掛けたオレの肩に飛び乗ってタマの活躍を喜ぶ。
「ポチ、ご主人様に無礼ですよ」
「ごめんなさいなのです」
「これくらい構わないよ」
リザに窘められてポチの耳がペタンッとする。
「さあ、タマに続くわよ!」
アリサがバットを担いでバッターバックスへと移動した。
そして――。
「ストライック、バッターアウトォオオ!」
送りバントを試みるも、三連続失敗で三振となった。
「ちくせう、漫画では皆簡単そうにやってたのにぃ」
まあ、フィクションのようにはいかないよね。
「アリサの仇は私が取ると告げます」
三番バッターはナナだ。
泣きついてくるアリサを雑に慰めつつ、皆でナナを応援する。
「葬らんと告げます!」
「ストライック、バッターアウトォオオ!」
ナナは豪快に空振りを続け、アリサ同様に三振で終わった。
「真打ち登場なのです! 四番バッターはポチなのですよ!」
ポチが気合いに満ちた顔でバッターボックスに入った。
「ククククク、ポチにはボールが止まって見えるのです」
チェストーとかけ声を上げてボールを叩き付け、勢い余って地面に激突したバットが折れてポチの額に逆襲した。
「あ痛たたなのです」
「ポチ! 走りなさい!」
ワンバウンドしたボールは、まだ空高く浮かんでいる。
「はいなのです! ポチはダッシュのプロなのですよ!」
ポチはシュビッビッと口で効果音を出しながら走り、一塁へ悠々セーフとなった。タマも二塁へと進塁している。
「あー! セカンドが零した! 走って! タマはホームまで行っちゃえ!」
「はいなのです!」
「あいあいさ~」
ポチが二塁に走り、タマはアリサの言葉通りホームを目指して走り出した。
「え?」
――真っ直ぐにホームを目指して。
「うわー、違う違う!」
タマの奇行にアリサが頭を掻きむしる。
「タマは三塁に行くの!」
アリサの言葉は少し遅く、タマは既にホームベースにスライディングしていた。
「にゅ?」
自分に視線が集まっているのに気付いたタマが、耳をペタンと伏せて恐る恐る周囲を見回す。
「アウトォオオ! スリーアウト、チェンジィイイ!」
三塁のベースを踏み忘れてホームインした為、タマはアウトになってしまったようだ。
「ごめんなさい。タマ、失敗した」
「タマ、ごめん。わたしの指示が悪かったの」
「そんなに落ち込まなくていいよ。オレ達も声を出すのが遅れたんだから同罪だ。点は次の回に取れば良いさ」
タマが本気で落ち込んでいたのでアリサと一緒に慰める。
「タマ、次は守備です。切り替えていきますよ」
「あい」
「守備で活躍して汚名返上するのだと助言します」
「タマ、頑張る」
「ポチも頑張るのです」
気合いを入れて守備位置に移動するタマとポチだったが、二回の表は内野ゴロが連発し、2アウト二、三塁になった。
「あと一人! しまっていくわよ!」
初めてのピンチに、アリサが気合いの声を上げる。
「討ち取る」
コーナーを狙うミーアのピッチングが打者を2ストライクに追い詰める。
バッターはまだ諦めていない。打つ気満々だ。
オレはミーアに一球外すとサインで伝える。
「――げっ」
明らかなボール球を打者が捉えた。
幸い打球はショートのアーゼさんの真ん前だ。
走り出した打者も諦め半分で一塁を目指し、三塁ランナーもダメ元でホームを目がけて駆け出している。
「アーゼさん!」
「きゃっ」
――え?
直前でアーゼさんが頭を抱えて座り込んだ。
ボールはアーゼさんの頭上を抜け、勢い良く外野に転がっていく。
「捕る」
レフトから駆け込んだタマがボールを拾い、全身の力を篭めてバックホームする。勢い余って投球後にぐるんと前転していた。
その間にも三塁のランナーがホームに迫る。
タイミングはギリギリ。
でも、必死で頑張ったタマの為にもこれはなんとしてでもアウトにしなくては。
キャッチと同時に瞬間移動じみた速さでしゃがんでスライディングする三塁ランナーをブロックした。
「アウトォオオ!」
「いやったー!」
審判のアウトの宣言と同時に、試合に勝利したかのように皆が喜んだ。
「やったのです! タマとご主人様がやったのですよ!」
「タマ、良い働きでしたよ」
「にへへ~。タマ、頑張った」
皆でタマに駆け寄り、タマのファインプレイを褒め称える。
「あー、嬉しいのは分かるが、速やかにベンチに戻りなさい」
「すみません、すぐに戻ります」
呆れる審判に詫び、皆を促してベンチに戻る。
アーゼさんがさっきのエラーを詫び、五番打者のリザが打席に入った。
「ストライック!」
「ストライック!」
よそ見をしている間にリザが追い込まれている。
普段槍を使っているせいか、棍棒のようなバットは慣れないようだ。
「リザさん! 槍みたいに使って!」
力みすぎのリザにアリサが助言をする。
「承知!」
バッドを槍のように構える姿は、ビリヤードの選手のようだ。
「馬鹿にして! そんな構えで打てるもんか!」
相手ピッチャーが怒りの表情でボールを投げる。
今までで一番の速さでボールが来た。
「はぁああああああっ!」
リザのバットの先端が、ボールを捉え強烈なライナーを返した。
ピッチャーの頭上を越え、ジャンプしたセカンドの手からグラブを吹き飛ばし、ライト方向にボールが転がっていく。
「リザさん走って!」
打席で残心していたリザをアリサが叱咤し、一塁に走らせる。
一塁は悠々セーフだったが、出遅れた事もあって二塁に進む事はできなかった。
「次は」
「私」
ヘルメットを被ったミーアが打席に向かう。
「ミーア、がんば~」
「打ってなのです!」
「ん、任せて」
ミーアは応援する皆にVサインを返し、打席に入った。
「エルフ様?! 強敵だけど、俺、頑張る」
「来て」
ミーアが強者の雰囲気でバットを構えた。
「いくぞ!」
気合いが入りすぎたのか、投手のボールがすっぽぬけて、打ち頃のボールが来た。
コーンと軽い音がして打球が打ち上がる。
ミーアが全力で一塁に走り出すが、打球は伸びず、ピッチャーのグラブへと吸い込まれた。
「アウトッ!」
「むぅ」
ミーアが憮然とした顔でベンチへと戻る。
次に打席に入ったルルは緊張しすぎてガチガチで何も出来ないまま三振となり、続けて打席に入ったアーゼさんも楽しげにバットをブンブン振り回して三振し、チェンジとなった。
ここまでは互角だったのだが、一巡してミーアのボールに慣れたのか、相手チームが次々にヒットを出して瞬く間に三点を入れられてしまった。
それでもポチとタマの走力とリザやナナの捕球力に支えられ、なんとかスリーアウトを掴み取り苦難の回が終わった。
「ご主人様、ファイトォー」
「サトゥー頑張ってー!」
仲間達だけでなく、愛しのアーゼさんまで応援してくれているし、ちょっと大人げないけど、本気で点を取りに行こう。
ピッチャーの投げるボールは少年野球にしては速かったけど、飛んでくる銃弾でも撃ち返せるオレにとっては止まっているも同然だ。
鋭いスイングでボールを真芯に捉える。
――パンッ。
ボールが弾けた。
「――あれ?」
「『あれ?』じゃなーい!」
アリサに怒られた。
「ご主人様、本気を出しすぎ! アーゼたんが応援してるからって浮かれポンチすぎなのよ!」
「ん、デレデレ」
そんなに浮かれてた覚えは――ちょっとだけある。
まあ、好きな人に良い所を見せたいと思うのは普通だし、少しくらい許してほしい。
「アーゼたんもニマニマしない」
「し、してません」
ニヨニヨするアーゼさんも抱き締めたいくらい可愛い。
この姿を写真に永久保存したくなる。
「ストライク!」
おっと、いつの間にか再開していた。
少し振り遅れたけど、三球目のボールを真芯に捉え、今度は破裂させる事なく場外へと吹き飛ばした。
「ボールが空中分解してない?」
「まあ、ホームランの境界を越えてからだから大丈夫じゃないか?」
審判に確認したら、普通にホームラン判定がでたので走ってくる。
「よーし、ご主人様に続くわよー!」
「「「おー!」」」
元気良く気合いを入れたが、残念ながら続かず、点差は開く一方で試合は展開した。
特に七回表で――。
「うがーっ、ラッキー7どころか、アンラッキー7よ」
アリサがそう吠えるくらいに点数を入れられた。
まあ、向こうにとってもラッキー7だから、こっちも崩れ始めるタイミングは一緒だったのだろう。
「大丈夫かい、ミーア」
「疲れた」
「誰かピッチャーを交代できる?」
オレがやってもいいけど、キャッチャーを出来る人間が他にいない。
「ポチがやるのです!」
そう主張したのでやらせてみた。
最初こそボールを連発してランナーを出してしまったが、「ミットを魔物と思いなさい」というリザの助言で覚醒したポチが剛速球で三振を積み上げてみせた。
迷宮で鍛えた投石力が遊びでも役だったようだ。
そして迎えた最終回――。
「九回の裏、六対三、こっちの得点はご主人様の単独ホームランだけ。打席は四番のポチからって事はご主人様まで回る事はないわね……」
「そんな事はないのです! ポチとリザとミーアが打てば満塁でご主人様に回るのですよ!」
ポチがキリッとした顔で言う。
密かに戦力外通告されたルルとアーゼさんだったが、二人の表情を見る限り気にした様子はない。
「いけー、ポチー!」
「はいなのです」
カーンッといい音を出してポチの打球が長打コースに乗った。
ポチが一塁を周り、そのまま二塁に進む。
「まだ行ける! 走って!」
「うぉおおおおなのです!」
ポチが腕をグルグル振り回しながら駆け抜ける。
「このまま入るんじゃないか?」
ホームランになりそうだ。
「ダメ」
「四つん這いで駆けてきたレフトに捕球されたと告げます」
レフトは駆けてきた勢いでホームラン境界の樹を駆け上がり、空中でボールをキャッチしてみせた。
「あれって反則じゃないの?」
アリサが抗議したが審判の判定はアウト。
大人の試合でも、樹に登った後に空中キャッチするのはOKというルールなのだそうだ。
ポチも相手選手の超絶プレイを称賛していたし、ここは大人の対応をするとしよう。
「ポチ、後は任せておきなさい」
「ん、塁に出る」
続くリザは宣言通り塁に出たが、七回までの投球で披露していたミーアの打球はピッチャーフライになってアウトになってしまった。
「ご、ご主人様、どうしたらいいですかっ」
ルルが不安そうな顔でオレを見る。
ツーアウトでランナーが一塁だけ、しかも五点差。逆転は不可能だろうし、ルルには野球を楽しんでもらいたい。
「安心して。ルルは肩の力を抜いて。ボールをよく見てバットを当てるだけでいいよ」
「は、はい。ボールを見ます」
ルルはまだ力んでいる感じだ。
「ご主人様、愛の力を注入よ!」
アリサがルルの後ろから腰を押し、オレに抱き着かせた。
「そのまま抱き締めて」
アリサの言う通りにしてみたら、「きゅうう」と可愛い悲鳴を上げてルルが目を回した。
「大丈夫かい、ルル?」
「ら、らいじょーうれす」
あまり大丈夫にみえない。
「ルルお姉様、打席にいくわよ」
「うんー、わかったー」
ルルがふわふわした足取りで打席に入る。
「ボールを見るのよー!」
「うんー、わかったー」
夢見るような顔でルルがボールを目で追う。
今までの打席ではガチガチだったルルも、この状態だとボールがよく見えているようだ。
「今よ! ボールを打ちなさい」
「うんー、わかったー」
少し高めのボール球を、ルルがスコンッと打った。
ボールはワンバウンドしてファーストとセカンドの間を転がっていく。
「ルル、走って」
「え? あ、はい!」
ようやくルルが正気に戻った。
ボルエナンの森でエルフ師匠から護身術を教わった時に強制されたのか、女の小走りではなく陸上選手のようなきちんとしたフォームで走る。
「セーフ!」
「「「やったー!」」」
年少組が飛び上がって喜ぶ。
「さすがはルルお姉様! 持ってるわ! ラッキー7はルルの事だったのね!」
アリサが興奮した顔でルルを讃える。
「光が見えてきたわ! 次の打者は誰?」
「……私です」
アーゼさんがヘルメットで顔を隠すようにして小さく手を上げた。
これまで三振オンリーだったアーゼさんを見て、皆が声を詰まらせフリーズする。
「アーゼさん、大丈夫ですよ」
「サトゥー」
「上手く打てるようにおまじないです」
オレはそう言ってアーゼさんを抱き締めた。
柔らかい。素晴らしい役得である。
「――はっ。ギルティ! ご主人様、それはギルティーよ!」
「むぅ、サトゥー」
再起動したアリサとミーアがオレとアーゼさんを引き剥がす。
もう少しフリーズしていてほしかった。
「ストラーイク!」
座席に立ったアーゼさんが見送りでストライクカウントを増やす。
「アーゼたん、振って!」
「振らないと当たらないのですよ!」
「がんば~」
「う、うん。分かった」
仲間達に応援されたアーゼさんが真剣な顔でボールを見つめる。
高レベルであるアーゼさんなら、ちゃんと見ればボールも止まって見えるはず。
アーゼさんが綺麗なフォームでバットを振る。
ボールが通り過ぎた後の空間で。
「ストラーイク!」
あっという間に追い込まれてしまった。
アーゼさんが緊張で身体を硬くしている。
「アーゼさん、大丈夫! 肩の力を抜いていきましょう!」
「ボールをよく見て~」
「僚機アーゼの活躍を期待すると告げます」
アーゼさんがかくかくと頷く。
三球目は――スローボール? しかもボール球のコースだ。
遅れたバットにボールが当たり、ファールとなった。
「心臓に悪いわ」
「ばくばくなのです」
「ういうい~」
皮一枚繋がった感じだ。
「アーゼたん、ボール球は見送って!」
アリサのアドバイスにアーゼさんが頷く。
四球目はボール球――に見せかけたシュートだった。
「えっ、えっ――うそっ」
アーゼさんが慌てて振る体勢に入るがもう遅い。
「あっ」
慌ててバランスを崩したアーゼさんの肘にボールがぶつかった。
「「「聖樹様!」」」
ギャラリーが悲鳴を上げる。
「あいたたた」
「デッドボール、打者は一塁へ」
「え? 走っていいの?」
アーゼさんがルールをよく分かっていない顔で一塁へと向かう。
ボールがぶつかった肘が少し赤くなっていたが、応援席から雨霰と掛けられた過剰な回復魔法であっという間に癒されていた。
その後で、ボルエナンの森の生き神様扱いされるアーゼさんに無礼を働いたとピッチャーの少年が責められる一幕があったが、アーゼさん直々に許し、彼への非難は許さないと宣言した事で事なきを得た。
「満塁よ! 逆転満塁ホームランで逆転勝利のチート主人公ムーブを期待しているわ!」
「まるるいホームランなのです!」
「ひゃっは~」
「ん、期待」
仲間達が口々にオレを応援してくれる。
これまでの打席でホームランを連発していたせいか、向こうのチームがタイムを取ってピッチャーの所に集まった。
なんだか揉めているみたいだ。
監督さんまでベンチから出てきてピッチャーを説得しているみたい。
最終的にピッチャーの子が折れてタイムが終わった。
「ぶーぶー」
アリサがブーイングをするのは、キャッチャーの子が数歩離れた位置でミットを構えたからだ。
敬遠されるかなとは思っていたが、ここまであからさまな敬遠をされるとは思わなかった。
ピッチャーの子がすごく悔しそうだ。
「ボール」
「ボール・ツー」
淡々とボールカウントが増えていく。
「勝負しろー!」
「根性無しー!」
応援席からヤジが飛ぶ。
少年に口汚いヤジは止めてほしい。
「ボール・スリー」
後一球で押し出しで一点だ。
だが、それでは逆転できない。
相手チームはオレではなく、次のタマかその次のアリサで勝負を決めるつもりのようだ。
「頑張れ、ご主人様!」
「がんば~」
「「ご主人様、頑張ってください!」」
「ホームランなのです!」
「マスターの活躍を期待していると告げます」
「「サトゥー」」
仲間達が声の限りで応援してくれる。
ミーアとアーゼさんは祈るような感じかな?
相手チームの少年達には悪いけど、仲間達の期待に応えないとね。
「後一球!」
キャッチャーが声を掛けるが、ピッチャーの少年は俯いて応えない。
ベンチからピッチャーの名前を呼ばれ、少年が泣きそうな顔を上げる。ちょっとかわいそうだ。
――おや?
キャッチャーのポジションがさっきよりほんの少しだけ近い。
ピッチャーが速球をキャッチャーのミット目がけて投げる。
――今だ。
オレは中指と薬指でバットの下端をつまみ、身体をギリギリまで傾けてバットをボールに届かせる。
マズい。体勢に無理がありすぎる。
このままバッターボックスの外に足を着いたらアウトなので、全身の筋肉を酷使してバットを振り抜き、反動でバッターボックス内に身体を戻した。
「嘘だろ?」
キャッチャーの唖然とする声が聞こえた。
「いけー!」
「とべーなのです!」
ふらふらと飛ぶ打球。追いかける外野手。外野手が「オーライ」と言いながら手を上げる。
野球のテレビ中継を見る気持ちでボールの行方を目で追いかけた。
「入れぇええええええええ!」
アリサの声が届いたのか、ボールが最外縁の塀を越える。
「ホームラン!」
「「「やったー!」」」
審判の宣言で仲間達が飛び上がって喜んだ。
ウィニングランの途中で見たピッチャーの顔は、なんだかすっきりした感じだった。今度は普通に勝負させてあげてほしいね。
ホームベースへ戻ってくると仲間達が手を上げて待っていたので、祝福のハイタッチをしてホームインした。
◇
「六対七でチーム『ペンドラゴン』の勝利!」
試合の後は、エルフ師匠達が準備してくれていたBBQ大会となった。
もちろん、相手チームの子達やギャラリーの皆さんも分け隔てなく招いてある。
「そろそろ焼けてきたぞ。どれにする?」
「もちろん、お肉なのです! ポチはこっちの肉汁が滴るおっきなお肉さんがいいのです!」
「タマはこっちの串にささったエビ~?」
串を受け取った二人が早速かぶりつく。
「やっぱりお肉は最強なのです!」
「殻ごとばりま~」
口の周りを肉汁だらけにしながら、二人が満面の笑みで串と格闘する。
「リザも焼いてないで食べなさい」
ポチとタマの笑顔を見守っていたリザにも、大きめの肉串を渡してやる。
「美味です」
リザが一口ずつ囓るように肉串を味わう。
「わたしは骨付きソーセージにするわ! やっぱBBQは色んな食材を食べないとね」
「むぅ、キノコ串」
ミーアが抗議するようにキノコ串を取る。
「あはは、あとでマシュマロも焼いて食べましょ」
「ん、同意」
アリサの提案にミーアがこくりと頷く。
「私は野菜と肉の混合串を希望すると告げます」
「お魚の串も美味しいですよ」
ナナは普通の串、ルルは鮎っぽい川魚を焼いたのを選んだ。
今日は身体を動かしたからか、皆食べる勢いが速い。
「ご主人様も食べてよ」
「ちゃんと焼きながら食べてるよ」
オレはアリサに応えながら、肉串を囓る。
じゅわっと口の中に肉汁と味付けに使った胡椒の味が広がる。肉は数回咀嚼するだけで口の中に解けて消えていく。
品種は分からないけど、BBQにするのに罪悪感を抱きそうな上等なお肉だ。
皆の食べる速さは肉が上等なのもありそうだね。
「……あ、あの!」
声に振り返ると相手チームの少年達がいた。
「さっきはすみませんでした!」
「「「すみませんでした!」」」
少年達が声を揃えて頭を下げた。
「さっきの敬遠の事かい?」
「……はい」
ピッチャーの少年が頷く。
「敬遠も戦法の一つだから謝る必要も、恥じる必要もないよ」
「――え?」
少年達が戸惑うような顔になった。
どうやら、少年達はオレに怒鳴られると思ったようだ。
「オレ達だって、同じような状況なら敬遠を選んだと思うよ」
「そうなんですか?」
「ああ、だから、胸を張っていい」
オレがそう言うと、ようやく少年達の顔に笑みが戻った。
「また試合をしてくれますか?」
「ああ、もちろん」
仲間達も野球が気に入ったみたいだし、勝ち逃げも良くないからね。
「次は絶対に討ち取ってみせます」
「そう簡単にはいかないよ」
目の奥で炎が燃え上がるような顔の少年に、リップサービスで応える。
やる気に燃える少年達に焼きたての肉串を配ってやる。
「おーい、あっちで凄いのをやってるぞ!」
「すぐ行く!」
「それじゃ、失礼します。ごちそうさまでした!」
礼儀正しい野球少年を見送り、次の具材を金網の上に並べていく。
「あら? サトゥーが料理しているの?」
少年達と入れ替わりでアーゼさんがやってきた。
「具材を焼いているだけですよ。アーゼさんはどれにしますか?」
「う~ん、迷うからサトゥーのオススメにするわ」
おっとアーゼさんからの挑戦状が届いてしまった。
どれにするか、迷う。
「ロング」
ミーアが割り込んで一番長い串を指さした。
あれは確かアリサが悪ノリして、全部の食材を刺した長ロング串だ。
「これね――って、大きすぎない?」
「ん、美味しい」
ミーアがにっこり笑う。
「そう? そう言うならこれにするわね」
「ん」
ミーアには珍しい、いたずらっ子みたいな笑顔だ。
「持つのも難しいわ」
「手伝いますよ」
一人じゃ持ちにくいので串の反対側を持ってあげる。
「そうだわ! サトゥーも一緒に食べましょう」
「ご相伴に与ります」
アーゼさんの無自覚なお誘いに、秒で飛び乗りアーゼさんの横に縮地で移動して仲良く串に齧り付く。
その時点でようやく自分の発言の意味に気付いたのか、アーゼさんの頬が赤く染まる。
「美味しいですね」
「え、ええ。美味しいわ」
恥じらいながら愛しい人とほほ笑み合うこの幸せ!
「むぅ、計算外」
イタズラが裏目に出たミーアがかわいく地団駄を踏む。
普段やらないイタズラを企んで失敗したようだ。
「ミーアも一緒に食べましょう」
「……ん」
アーゼさんに誘われたミーアが南京ぽい野菜に齧り付く。
「ポチも一緒に囓りたいのです!」
「タマも~?」
「皆で一緒に食べよう」
走ってきたポチとタマも仲間に入れてやる。
長ロング串とはいえ、五人も齧り付いたら頭や顔がぶつかってしまい、そのたびに笑いが起こる。
「ちょっと! アリサちゃんもまぜてよね」
「イエス・アリサ。のけ者は良くないと告げます」
「さすがにこれ以上混ざるのは無理がありませんか?」
「リザさん、こういう時は細かい事は気にしないのが一番ですよ」
他の子達も集まってきた。
遠巻きに見る少年達も羨ましそうな顔をしている。
せっかくだから、長ロング串をもう少し増産してやろう。
「うふふ、楽しいわね、サトゥー」
「ええ、アーゼさん」
オレはアーゼさんや仲間達と微笑み合う。
やっぱり、異世界でもBBQは賑やかで楽しいね。
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