第19話 ファンキーな嘘
子供の頃、
私はお母さんの言うことはなんでも信じていた。
だから、
「ガムを飲み込んだら、体の中を通ってお尻に栓をして、う◯ちが出なくなるから、絶対飲まないように」と言われても、
そうなんだ、お尻に栓をするんだ、と信じてしまった。
でもある日、ガムを噛んでいたら、
後ろから友達が私をワッとおどかした。
その瞬間、私は噛んでいたガムを飲み込んでしまった。
しまった。今飲み込んだガムがお腹を通ってお尻に栓をして、あれが出ない体になってしまった。
取り返しのつかないことをしてしまいました。
私は泣きながら家に帰り、
「ガム飲み込んじゃった! お尻に栓しちゃう」
お母さんにそう言うと、
「大丈夫、これを飲むと溶かしてくれるから」
と、ヤクルトを渡してくれた。
私がそれを飲み終わるのを見届けて、
「これでもう安心」
と、私の頭を撫でてくれた。
大人になってから、その話を母にしても、
まったく覚えていなかった。
子供にファンキーな嘘をつくのは良くない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます