第19話 ファンキーな嘘

子供の頃、

私はお母さんの言うことはなんでも信じていた。


だから、

「ガムを飲み込んだら、体の中を通ってお尻に栓をして、う◯ちが出なくなるから、絶対飲まないように」と言われても、


そうなんだ、お尻に栓をするんだ、と信じてしまった。


でもある日、ガムを噛んでいたら、

後ろから友達が私をワッとおどかした。


その瞬間、私は噛んでいたガムを飲み込んでしまった。


しまった。今飲み込んだガムがお腹を通ってお尻に栓をして、あれが出ない体になってしまった。


取り返しのつかないことをしてしまいました。


私は泣きながら家に帰り、

「ガム飲み込んじゃった! お尻に栓しちゃう」

お母さんにそう言うと、


「大丈夫、これを飲むと溶かしてくれるから」

と、ヤクルトを渡してくれた。

 

私がそれを飲み終わるのを見届けて、

「これでもう安心」 

と、私の頭を撫でてくれた。


大人になってから、その話を母にしても、

まったく覚えていなかった。


子供にファンキーな嘘をつくのは良くない。

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