第2話 待つ

 動物病院に着いた。

 僕は猫を前籠から出し、両手で抱き抱えて、動物病院の入り口に急いだ。

 そして入り口前にたどり着く。

 これで助けられると思った。しかし、動物病院は閉まっていた。

 時刻は8時15分。開院前だったのだ。

 開院は10時。どうしたらいいと考えた。

 事態は一刻を争う。見るからに猫は弱っているのが分かったからだ。

 この時間にやっている近くの動物病院を探す。駄目だ。これ以上連れ回して、猫の体力がもつか心配だ。では、どうすれば良い。

 考えあぐねていると、動物病院のドアに携帯電話の電話番号が書いてあることに気づいた。

 お留守の時は、こちらにお電話下さい。

 これは!と思った。僕は猫をドアの前に下ろし、携帯電話に電話した。

 5コール後、電話が繋がった。

「はい。マルコフ動物病院です」

 僕は、今の状況を話した。

「分かりました。今、家なので、30分後くらいに着きます。お待ちいただけますか?」

「はい」と僕は答え、動物病院の方が来るまで待つのだった。

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