第8話

大阪や東京といろんなところで乗り換えたりしながら、青森へと向かった。


「そういえば~青森って誰かの実家なんですか?」


「はい。私の父の。僕は、中学生くらいまで青森に住んでいました」


「え~意外に最近福岡にやってきたんですね~」


「そうですね」


「ま、宝之華はまだ1年もいないし、零さんのが長いですね」


「そうですね」


「元カノも青森ですよね?会うんですか?」


「…会えないですね。名前呼んでも、返事してくれないかもしれませんしね」


「名前って下の名前で呼びすてですか?」


「そうですね…好きな人だけしか呼べないのですが」


「へぇ~」


「ところで、宝之華のお姉さんは青森のどこにいらっしゃるのですか?」


「え?」


空耳…?夢?


「あの?」


「あ、いや、住所は控えてます!おばあちゃんのとこにきた贈り物のやつからとってたので!」


「それがあれば、すぐに見つかりそうですね」


「え、えぇ…。」


私はそれよりも気になる言葉があって、つい考えてしまった。


「そういえば…零さんのお父さんたちは何で先に行っちゃったんですか?」


「母の個展なので、先に行って準備をするそうです。二人とも飛行機で向かったようですが」


「…そうなんだ。零さん置いてけぼりですね。あ!宝之華は零さんの字みたことないんですけど、うまいんですか?」


「え?それは…どうでしょうか」


「えー自信ないんですか?」


「いや、自分からうまいと申し上げても…」


「そっか~宝之華変なこと言ってますね~」


「いえ、構いませんよ」


「いつか書いてるとこみたいです!」


「たいしたことないですよ…?」


二人で楽しんで話ながら、一緒に青森まで進んでいた。


時間はかかったがやっと到着。

とりあえず、姉に電話したが…


現在使われてないだぁ…!?くそ、なんで固定電話しかないんだよあいつ!


「どこいんだよあいつは!もー!」


「あ、あの…とりあえず住所の所へ行ってみませんか?」


「そうですね…」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る