第6話

バイトが終わって、家に帰ってゆっくりすごしていると、田舎に住むおばあちゃんから電話がきた。


しかし…


「おばあちゃん、どういうこと?」


「振り込まれてないから…どうしたのかと思ってねぇ…」


「振り込んであるよ?10万以上あるから!」


「それは…あいが振り込んでる金額よぉ」


「…?なんで?あの人のは少ないはずでしょ?」


「宝之華は振り込んでもいないわよ…」


「えぇ?」


ありえない!あれだけ働いて、給料貰ってるのに!


これは…。あいつの仕業だ。そうとしか考えられない!


思いだったら、実行するっきゃない!まずはマネに電話だ!


「あのさ~明日さ~仕事休む。ちょっと実家のトラブルで~」


「は?実家?やばくね?いいよ、行って」


「ありがとー!じゃあもろもろよろしく!」


急いで荷造りをしてから休んだ。


次の朝は、始発の新幹線に乗り込んだ。

自由席だけどなかなか空いてんじゃん!


ふと、見たことのあるような着物を着た人が座っているのが見えた。


まさか…?


席の横を通り過ぎてから振り返ってみた。


…やっぱり!


「あの!零さん!」


「え?……どちら様でしょうか?」


「えー!?宝之華だよ?忘れたんですか?」


「え?…そう言われればそうですね…。すみません…いつもと違って見えたものですから」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る