♯11 盛りブラ

「へぇ~、カップが分厚いスポンジで出来てるんだw」

「面白いw それにしても、すごい上げ底だねw」

「これなら、瞳美の胸も大きくなるんじゃないw」

「何言ってるのw」

「あっ、そのブラは、アンダーが80だから瞳美ちゃんには大きいかもw」

「いえ!私、普段は75ですけど、ブラの締め付けが苦手なので80のブラも持ってるんですよw」

「そうなんだw じゃあ、試着してみるw」

「えっ!いいんですか?」

「えっ…も、勿論いいよw」


 僕は冗談のつもりで瞳美ちゃんにブラジャーの試着を勧めたが、彼女はそれをに受けて、スクールベストとブラウスを脱ぐと、何の躊躇ためらいもなく自分がしていたブラジャーを外した。


 露出した瞳美ちゃんの乳房は、女性の中では貧乳の部類に属するが、男の僕と比較すると、それは充分に女らしい乳房で、円錐状に尖った膨らみの先には、僕とは比べ物にならない大きさの乳頭と乳輪があった。


「あれっ? 普通のブラと一緒だ…」


 僕の盛りブラを装着した瞳美ちゃんは、少し落胆気味に感想を言った。


 瞳美ちゃんは、正しいブラジャーの装着方法を知らないようだ。


「あっ、それには付け方にコツがあって、最初にブラを…」

「えっ、分からないです…麻里子さまが着けて下さいw はいっw」


 男である僕の前でも全く恥ずかしがらない瞳美ちゃんは、盛りブラを外し僕に手渡した。


 上半身裸になった僕の目の前に、同じく上半身裸の女子高生がいる…それは、殆どの男子が興奮するシチュエーションで、恋愛対象が女性である僕も興奮する筈だった…しかし、何故か、僕の股間は変化しなかった。


 それは、瞳美ちゃんが僕を女だと思っているからなのか、それとも、女装をしている事で僕の心が女性化しているせいなのか…。


「じゃあ、両脇を上にあげて…」

「えっ…あんまり見ないでくださいね…」

「えっ?」

「私、麻里子さまみたいに綺麗に処理してないのでw」


 瞳美ちゃんは、僕に乳房を見せることは平気なのに、何故か脇の下を見せることを恥ずかしがっていた。


「分かったw 脇は上げないでいいよw」

「ありがとうございますw」


 僕は瞳美ちゃんの背後に立って、彼女にブラジャーを着けることにした。


「で、一旦、胸の上でホックを留めるの…」


 僕は瞳美ちゃんの乳房よりも高い位置にブラジャーを装着し、ストラップの長さを短く調節した。


 これは、ブラジャーの引き上げ効果を最大限有効にする裏技で、乳房の位置自体を上に移動させることが出来た。


 多くの女性がストラップが肩に食い込むことを嫌っていたが、ストラップの長さが適切でないと、ブラジャー本来の性能が発揮されなかった。


「じゃあ、お辞儀をする様に体を前に倒して…そう…その姿勢のまま胸のお肉をカップに押し込むの…」

「えっ、どうやるんですか?…麻里子さま、やってw」

「えっ…じゃあ、触るよ…」

「はいw」


 僕は瞳美ちゃんの乳房とブラジャーの隙間に手を入れて、彼女の胸の膨らみを引き上げる様にカップの中に押し込んだ。


 瞳美ちゃんの乳房の感触は僕のモノとは全く異なり、中身が詰まった感じがして重量感と張りがあり、乳頭にはコリコリとした硬さがあった。


 瞳美ちゃんにブラジャーを装着した僕は、彼女の前に回り込み微調整を行った。


 盛りブラは乳房を内側に寄せることで胸の谷間を作っていたので、乳頭の位置が通常よりも内側に寄ってしまい、乳輪がカップの内側からはみ出すことがあったからだ。


 僕はカップを微調整して、瞳美ちゃんのはみ出た乳輪を隠してあげた。


「出来たよw」

「すごい!本当に盛れた!」

「ヤバい!瞳美に胸の谷間が出来たw ウケるw ねえ、測ってみようか?」


 早耶ちゃんはリュックの中からメジャーを取り出すと、瞳美ちゃんの胸囲を測定し始めた。


「アンダーが75で…トップが…すごい!92だ!」

「えっ!90センチもあるの!」


「AAA」カップの僕の胸を「B」カップの大きさにまで底上げさせた盛りブラは、瞳美ちゃんの乳房を「A」カップから一気に「D」カップまで、なんと3ランクもアップさせていた。


「本当に、自分じゃないみたい…」


 瞳美ちゃんはフィッティングルームの大きな鏡に映った自分のブラジャー姿を、うっとりと眺めていて、その姿勢は猫背ではなくなっていた…。

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