♯03 二人のスカートの中
「でも、麻里子さまって本当に脚が綺麗ですよねw」
「そうかなぁw」
「はい!細くて長いし、色も白くて羨ましいw」
「そんなことないよw」
「近くで見てもいいですか?」
「えっ…別にいいけど…」
早耶ちゃんは嬉しそうに立ち上がると、ベンチシートに座っている僕の隣に、お尻を密着させるように座ってきた。
早耶ちゃんとゼロ距離で接すると、彼女が香水をつけていることが分かり、スカートのウエスト部分を最低でも2回は折り曲げていることも分かった。
「本当に綺麗!ムダ毛とかも全然ないんですね!」
「そんなことないよw 早耶ちゃんの方が綺麗だよw」
僕は生まれつき体毛が濃い方ではなかったが、女装をするにあたって全身の脱毛をしていて、肌は本物の女子高生に引けを取らない状態になっていた。
僕の視界には、座ったことで更に短くなったスカートから覗いている、4本並んだ白い生足が見えていた。
「触ってもいいですか?」
「えっ!別にいいけどw」
「わぁ〜!スベスベで、モチモチしてるw 女の子と一緒だw」
僕は知り合ったばかりの女子高生から太ももを触られるという、普通の男性では一生経験できない状況に戸惑っていた。
「麻里子さまって、どんなパンツ穿いてるんですかw」
「えっ!どんなって…さっき見えてたでしょ?」
僕はスカートが捲れた状態で駅前を歩いていたので、何十人もの人にスカートの中を見られていた。
「さっきは、綺麗な太ももは見えてましたけど、パンツは見えてませんでしたよw」
「えっ!そうだったの!」
僕は道行く全ての人にパンツを見られていたと思っていたが、お尻の下までズラして背負っていたリュックのお陰で、最悪の事態は避けられていたようだ。
冷静になって考えると、大きなリュックが
「ねえ、見てもいいでしょw」
「早耶ちゃんが先に見せてくれたらねw」
「いいですよw はいっw」
僕は早耶ちゃんの要求を拒絶する為に、有り得ない交換条件を提示したつもりだったが、彼女にとってパンツを見せることは大した事ではなかったようだ。
早耶ちゃんの穿いていたパンツは、俗に「見せパン」と呼ばれるショーツの上に重ね履きする黒色のオーバーパンツで、ポリエステル特有のテカテカとした質感のモノだった。
オーバーパンツは下着ではないので、ショートパンツと同様に見られて恥ずかしいモノではなかった。
高性能なカメラが内蔵されたスマホが普及した現代では、女子高生たちは常に盗撮の危険に晒されていて、オーバーパンツは彼女たちの必需品となっていた。
「じゃあ、見せてもらいますねw」
早耶ちゃんが僕のスカートの裾を摘まみ上げると、僕の股間が
「えっ!穿いてないんですか!」
「何言ってるの?ちゃんと穿いてるでしょw」
僕のスカートを捲った早耶ちゃんは、僕の股間を見て驚いていた。
勿論、僕はノーパンではなかったが、オーバーパンツを穿いていなかったのだ。
僕は女装をする変態だったが、露出狂の変態ではなかった。
世の中には色んな性癖を持った人がいて、僕のような女装する男に対し性的に興奮する男もいた。
彼らは女装男のもっこりとした股間に興奮するらしいが、僕には彼らに好かれたいという願望が一切なかったので、股間の形状もなるべく女性に近付けるようにしていた。
女装時の僕はガフパンティと呼ばれるサポーターの様なTバックで股間の膨らみを押し潰していて、その上から女物のショーツを穿いていた。
ガフパンティの上に重ね履きしたショーツは、基本的に汚れることがなかったので、オーバーパンツと同様に見られて恥ずかしいモノではなかった。
勿論、オーバーパンツと同様に積極的に見せることはしないが…。
「見せパンって、何か自意識過剰な感じがして穿かないんだw」
「そうなんですか…」
僕はオーバーパンツを穿かない理由を適当に答えたが、早耶ちゃんは納得していない様子だった。
僕がオーバーパンツを穿かない本当の理由は、オーバーパンツを穿くと下着を3枚重ねで穿くことになり、股間が
「それに、見せパンって蒸れるでしょw」
「確かにw」
早耶ちゃんは僕の説明に納得してくれた。
その後も早耶ちゃんの質問攻めは続き、連絡先を交換して別れるまでに、1時間を要した…。
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