異世界特典で手に入れた呪いの装備が原因で勇者パーティから追放されました。〜聖剣が失われ呪いの装備でしか魔王討伐出来ないが特異体質のハーフエルフとスローライフするので戻って来いと頼まれてももう遅い〜
第35話『呪いの勇者はブレッドの暴走を止めたい』
第35話『呪いの勇者はブレッドの暴走を止めたい』
「ちょっとカケルさん? ギルドで暴れないで下さい!」
「悪かったよアクア。後、報告だが、黒竜は無害だったとギルドに伝えておいてくれ」
「やっぱり、カケルさんに任せて正解だったようですね」
「そうだな、嵌められた気分だよ」
「まぁ、大袈裟なんだから。二階にララちゃんとママさんが見えてますよ」
「分かった。すぐに行くよ」
二階エントランスに出向くと、ララとママが俺やエリクシア達を出迎えて来てくれた。喜ばしい再開に、我々一同へ感謝するララちゃんママの姿を見れて、心から良かったと俺は感じていた。
黒い鳥に興味深々のララの為に、ブレッドを肩に乗せてあげた。鳴き声を出し、ピョンピョンと飛び跳ねる様は本当に愛くるしいな。我ながら、最高のパートナーだぜブレッドよ。
「パパ〜! 少し怖いけど、鳥さん可愛いね!」
「だろ? 悪い鳥さんじゃないんだぜ? たまには会わせるから、遊びたくなったら俺の屋敷に来な」
「うん! 分かった! また会おうねー!」
「クゥーン!」
約束の再開も果たし、ブレッドにも友達が出来たところで、俺達は屋敷に帰宅する事にした。連れ帰ったはいいけど、俺達はまだ知らなかったんです。ブレッドが持つ、最恐の恐ろしさを分からせられるなんてね。
♦︎♦︎♦︎♦︎
ブレッドと屋敷で住むようになって三日が経つ頃、夜中にマリエルが二人きりで話したいことがあるって言うもんだから、マリエルの寝室に出向き、話しを聞くことにした。
大事な話しって言ってたけど、一体どうしてしまったのらだろう。やっと、自分の貧乳さ加減を自覚してしまったのだろうか。すまないマリエル。俺が言い過ぎたばかりに、気にしてしまったんだな。
謝罪の準備をする為に、心を落ち着かせて気を引き締めだ。
ドンと来い! 受け入れる準備は大丈夫だ!
マリエルの寝室にノックして、入室する。すると、開口一番に意味不明なことを、それも、俺がやった前提で話して来やがるので、頭が狂いそうだった。
「カケルさん、怒らないしみんなには黙っておくので、正直にゆうことを聞いて下さいね」
「は? なんの話しだよ?」
「はぁ、とぼけても無駄ですよ。カケルさんぐらいしか、こんなことしないんですから!」
「意味分かんねぇよ。俺が一体何したんだ!」
恥ずかしいのか、歯切れが悪くずっとモジモジしてたんだけどマリエルは、意を決して堂々と言葉を放ちやがった。その言葉に俺は、心底呆れてしまった。
「私のパンツ! 返して下さい!!」
「ーーは? パンツですか!? クマさん柄ですか!?」
ーーバチンッ!!
いつもの三割り増しぐらいの平手打ちが炸裂して、俺は床に転がってしまう。いや、違いますよ。何ですかこれ、冤罪だし、そもそもクマさん柄のパンツは、図星だったんだろうか。
話しを聞けば、三日間程、立て続けにマリエルパンツが一着ずつ消えるという事件が起こっていたらしい。容疑者に選んだのが俺であり、俺が下着泥棒だと思ってこの部屋に呼び出したんだとか。
必死に弁解して、誤解であると分かってもらうことが出来たんだけど、このやり取りをぶち壊すぐらいの衝撃をその悪魔は、マリエルの寝室に侵入し、俺前に現れて披露し始めた。
ーーブンブン! ーーブンブン!
「クゥーン!」
キラキラとした、黒いスケスケの布切れをブレッドが咥えて、振り回し狂喜乱舞している。あらあら、ブレッドちゃんったら、芸が上手いんだから。
|(言えねぇ、あれパンティだよねとかゼッテー言えねぇよ!)
キラキラとした、黒いスケスケの布切れを振り回すのに飽きたのか、ブレッドは俺にそれを頭に乗せて飛び去って行った。
一応、確認しないとな。聞くの怖いけども。
「あーれー、これ、誰のパンティかな?」
「ーーい、いや……」
どうせ、殴られると思ってたんです。ヤケクソで、笑顔で聞いてやりましたよ。まさか、マリエルが、こんなエロい下着履いてるなんて思ってなかったんです。ごめんな、クマさん柄なんて言って。
マリエルは、言葉を発すること無く、立ったまま燃え尽きて、真っ白になったように気絶してしまっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます