プロローグ

女の子に怪我ないように受け止めると俺の唇に何か柔らかいものが……


俺は目を開くと受け止めたものは良いもの見ず知らず女の子とキスしてしまった……


「え?……」


女の子も、この状況に気付いたのだろうが勢いよく起き上がり、みるみる顔が茹でタコの様に真っ赤になり涙目になりながら自分の手で唇を抑える様な仕草をした。


「あ、あの……なんかゴメンなさい。」


色々と頭が錯乱していて、やっと言えたセリフがコレしかなかった。危うく『可愛い、女の子とキスしちゃったグヘヘ』って言うところだったが何とか抑え込んだ。


すると女の子はふるふると身体が震え始める。


そりゃそうだ。見ず知らずの男子にキスしちまったんだから。それに年頃の女の子何だから、もしかしたらコレがファーストキスだったかもしれない……


もし、ファーストキスだったら、どう責任取れば良いんだ?俺もファーストキスだったけどさ。


「あの……貴方の血が欲しい。」


え?何?何を言ってるの?血?俺の血が欲しいって?俺なに?可愛い女の子にキスしたら身体をズタズタに引き裂かれて血を引き抜かれるの?遠回しに殺すってこと?


彼女の発言に俺は頭がパニクり更に思考回路はショート寸前♪ってやかましいわ!とにかくグロテスクな発想しか浮かばない。


彼女はゆっくりと近づくとブレザーを脱ぎ、リボンを外してワイシャツのボタンを一つ、また一つと外すと豊満なバストの谷間をさらけ出す。


いや、この光景はマズイ。だいぶマズイ。絵的にマズイ。コレはあれかな?なんのドッキリかな?見ず知らずの思春期真っ盛りの俺に服を脱いで近づいてくのは彼女はアレかな?大人のヴィデオに出てくる人なのかな?


そんな考えを無視するかの様に彼女は身体が火照ってるのか息を荒くしながら近付いて俺に抱き付いてきて耳元でそっと優しく囁く。


「大丈夫。痛いのは、ほんの一瞬だから……」


いや、それは俺が将来もっと大人になった時に言いたいベストスリーの1つ……



ガブッ……


「チュゥゥウウッ!」


首に何か一瞬だけ突き刺さったような感覚だがその後は痛みはなく吸われているような感覚。なんだコレ?


「はぁ!美味しかった!朝ご飯食べないできたからお腹ペコペコだったし有難うね!血もサラサラで甘過ぎないのに独特の深みのある血だったよ!って!危ない危ない!受験に遅刻しちゃう!」


彼女は何事もなかったように自転車を持ちながら走り去ると何処かへ行ってしまった。俺はスマホの時計を見ると学校の集合時間まであと10分をきっていた事に気付く。


「やべっ!遅刻しちまう!……アレ?」


立ち上がった瞬間にめまいがしてきたけど、直ぐに治り気合いで走って、どうにか御伽学園に到着する。何故だかフラフラになりながら。


取り敢えず席に着くと学校の先生が教室に出でくると受験内容を説明。


「では、皆さん。緊張せずに面接して下さ~い。取り敢えず形式上は携帯の電源は切っといて下さいね~。面接が終わっても教室に残っているようにしてくださ~い。あと待っている間は静かにしているように~。」


なんだか眼鏡を掛けたオットリとした感じの女の先生。なんか物凄い色気を感じる。決して邪な気持ちはないからな?


次々と一人一人が呼ばれて行く。面接は一人一人でやっていくようだな。それにしても色んな生徒がいるよな。大人しそうな奴とか派手な奴とか明らかに不良みたいな奴とか真面目そうな奴。


すると何気なく前の席を見ていると、さっき自転車でぶつかった女の子を発見。あの娘も御伽学園に受験しているんだな。って事は俺と同い年なんだな。


さっきは色々と驚いて気がつかなったけど可愛いんだな。色白で目がパッチリしていて身長は高めで痩せ過ぎず太過ぎずの身体のラインだけど胸はそれなりにある。


すると女の子は俺に気付いたのか後ろを振り向いて無邪気な笑顔で手を振る。


だけど俺は恥ずかしさでソッポ向いてしまう。


あの笑顔……反則じゃね?


俺あんな可愛い女の子とキスしちまったんだよなぁ……


「受験番号69 皇一哉君。」


俺は名前を呼ばれたので面接しに行くため立ち上がる。



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