プロローグ
俺は睡魔と戦いながら目を擦りながら授業を聞いている。てか前回の復習ってやってるけど俺は覚えているから聞く必要ないし。寝ると先生に指されてしまうので頑張って起きてる。
「じゃあ、この問題を皇君に前に出て答えてもらいますね。」
……起きてても指されちまったじゃないか。チキショウ。
俺は机から立ち上がりチョークを片手にサラサラと書き始める。ちなみに英語の授業だから模範解答並みの完璧な答えを筆記体(ミミズみたいな英語)で書く。
「さすが皇君。excellent」
俺は溜め息が出そうになりながらも何事もなかったように机に戻り座る。俺、こう見えて勉強は出来る方だから。ラブコメのライトノベルやハーレム漫画の主人公のような『自称・成績は平凡』とか『成績は中の下』とかじゃないから。
ちなみに俺の知ってる奴は定期テストの百点満点のテストで8点をとり解答用紙の裏に『FUCK YOU』と書いて職員室に呼ばれた事があったな。
『馬鹿だから分かりませんでしたぁ~ 反省してまぁーす。』って言ったら『馬鹿がFUCK YOUなんて書けるか!』と怒られてたな。
続いては理科、社会、数学って感じで授業は続いてツマラナイ学校生活で唯一で楽しみなのが待っている。
それは給食だ。
俺の知っている奴は小学校の頃に宿題をしない常習犯として先生が『何しに学校来ているんだ!』って言われたからバカ正直に『給食を食べに来ています!』と言ったら学校に母親が呼び出されたな。
そんな訳で給食を食べるけど。確かに給食は美味しい。美味しいけど……何か物足りない。給食の量とかじゃなくてさ。
こう周りさ。楽しくお喋りしながら学校が終わった後の寄り道先、今度の休みの日は何処に行くだの、受験勉強が不安だったり早く進路受かりたいとか、高校生になったら恋人作るだの、高校の部活で活躍するとか。
クラスの雰囲気が明るく、楽しく、希望に満ちている光景が俺には眩しくて辛くて仕方がない。ツマラナイ現実。これほど退屈な日々を俺は悶々と過ごしている。
きっと誰も理解はされないのだろう。クラスの人達も、担任の先生も、姉ちゃんでさえも。
俺は給食を食べ終わり誰にも気付かれないように皿やらお碗を片付けて逃げるように図書室に足を運ばせる。あそこは静かだし本も読める。俺がこの学校っていう閉じ込められた檻に現実逃避が出来る場所だ。
図書室に着いたは良いけど、中学を入学してからほぼ毎日通ってたせいか本は殆ど読み終えてしまった。だから満腹感による眠気で人のいない所で昼寝をしようと思うから昼休みが終わるまで昼寝しよう。
椅子に座り机に向かって腕枕をするように身体を寝る体勢に入ると瞬く間に夢の世界に入っていった。
なんて幸せな気分なんだろう。
キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン……
予鈴の鐘で俺は起き上がる。
「なんだ。もう昼休み終わりか……」
俺は眠い目を擦りながら欠伸をしてから立ち上がると美術室へと向かう。最後は美術。絵を描くのも嫌いじゃない。予め持ってきといた美術の道具を片手に持ちながら頭を掻きながら美術室に向かう。
美術。それは絵を描いたり彫刻などをやる事で感性を磨き、その感性がセンスという美意識こそが職人や画家という職業につながるのだろう。
てな訳で今日はイラストの授業。鉛筆で書くのも良し、シャーペンで書くのも良し、ボールペンや筆ペンで一筆描きをしても良し。
風景画や人物画でも良し。そんな授業だ。
俺は適当に可愛らしい羊を描いてから顔から下はガチムチのマッチョを描くことにした。
コレはなんと言うギャップなんだろう。可愛らしい羊に描かれたにも関わらず顔から下はムキムキに細かく筋肉が描かれた絵は本当にカオスとしか言いようがない。
てか、美術の先生は俺の絵を見るたびに『ブホォォ』って吹いて笑いそうになるのは止めてくれませんかね?
全くって言って良いほど絵に集中出来ません。
そんな事で美術の授業も終わり放課後になる。学校内では教室で受験勉強に励む人。部活でグランドや体育館で汗を流したり、音楽や美術などで学校生活という青春を過ごす人に楽しく気の合う友人と話して笑いあったりする人。
その中で俺は1人だけ空気を漂ってるだけの存在。何事も無かった様に学校を後にして家に帰ろうとする。本当に今日もつまらない1日だったよ。
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