第6話 さあみんな、あたしの推理を聞いて!

 もう一度ケモケモランドのみんなをフク爺の家に集めた。


「どういうことだフク爺。犯人探しはしないんじゃなかったのか?」

「集めたのは儂ではない……コンじゃ」

「なにぃ……?」


 ヴォルフさんは腕を組んだまま苛立たし気に睨みつけてくる。

 あたしは目を逸らして受け流す。


「それじゃみんな集まったみたいだし、さっそくあたしの推理を聞いてもらおっかな!」


 本当はまだ仮説だけど、きっとこの話し合いですべてがわかる……はず。


「コンの推理じゃあてになんねーな」

「うるさいよシバタ! ていうかなんであんたいるのよ! 呼んでないでしょ!」


 あたしがそういうとシバタはしゅん、と耳をたれ下げた。


「それで、犯人ってのは誰なんだ?」


 虎次郎さんはかなり気になっているみたいだ。

 肉食獣が疑われるような状況なのだからそれも当然だろう。


「そのまえにみんなの証言を整理しようと思うの。まず虎次郎さんはあたしが毛皮を借りたせいで家にこもってたってことでいいのよね?」

「おう、そうだぜ」

「次にシバタ。あんたはずっと走り回ってたのよね?」

「うん」

「……一応聞くけどなんで走ってたの?」

「え⁉ いやなんでって……それは……」


 なんでそこで言い淀むのよ。怪しまれちゃうじゃない。


「はっきりいって。じゃないとみんなに疑われえるのはあんたよ?」

「うぅ……お、俺は……コンが走ってるのを見かけて……それで……」

「……あたし追いかけてたってこと? なんで?」

「そ、そんなことどうでもいいじゃねーか! あ、あと俺はお前がタヌ男を見つけたところも見てる。だから、なんつーか、お前がやってないってことは俺が証明する。それでいいだろ?」


 なんなのこいつ。なんでいままでそれをいわなかったのよ。気味悪いなぁ。


「まぁ、いいけど……じゃあ次。メェくん!」

「んめぇ? 僕?」

「メェくんはリス美に羊毛をあげてたのよね?」

「そうだよ。今年は特に寒いから少しわけてくれっていわれたのさ」

「リス美も、それであってる?」

「あ、あってるよ……?」

 

 リス美は首の縞模様を曲げて頷いた。

 彼女が肯定した瞬間、あたしの中で仮説だったものが確信に変わった。


「それってさ……おかしいよ」

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